ものづくり補助金平成25年度製造業山形県

新型リワークシステムの導入による多層基板の部品実装・交換のワンストップ化と短納期化

株式会社工房やまだ

成果リードタイム 5日→3日

この事例のポイント

  • 高温加熱が必要な一部の基板のBGA取り外しを外注しており、短納期に対応できない。
  • Pbフリー半田・多層基板に対応した新型リワークシステムを導入した。
  • リードタイム 5日→3日。導入したリワークシステムにより、Pbフリー半田・多層基板でのリワーク作業を外注せずに自社で全工程まで行えるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社工房やまだ
所在地山形県 米沢市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野接合・実装
従業員数6人
資本金1,000万円
設立1988年

事業の背景

当社はプリント基板の試作、改造、リワークを行い、基板に実装されたBGA等のリードレス部品やICチップ等の交換を手がけている。BGA等の交換にはリワークシステムという専用の基板加熱装置を使い、部品の取り外し、半田の除去と再塗布、部品の実装を行う。環境配慮からPbフリー半田が一般的になり、加熱しにくい基板が主流になったため、より高温での作業が必要になってきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力高温加熱が必要な一部の基板のBGA取り外しを外注しており、短納期に対応できない。
  • 新製品・新技術Pbフリー半田の普及と加熱しにくい多層・高密度基板の増加により、現有のリワークシステムでは高温作業への対応が困難になっている。

やったこと

Pbフリー半田・多層基板に対応した新型リワークシステムを導入した。本装置は1枚単位のマニュアル的なリワークに対応でき、量産基板だけでなく開発品の1枚からのリワークにも合致している。基板の高密度化・多層化により基板自体が熱を吸収する点に対し、ヒーターを基板底面に約3,000W、全体で4,000W以上とした。これにより、従来より容易にリワークを行えるようになった。

事業の効果

  • リードタイム 5日→3日

導入したリワークシステムにより、Pbフリー半田・多層基板でのリワーク作業を外注せずに自社で全工程まで行えるようになった。これまで外注していた高温加熱が必要な部品取り外しを内製化したことで、全工程のリードタイムが5日から3日に短縮され、短納期対応が可能になった。また、メタルマスク不要のリワーク技術と合わせ、他社では難しい短納期の小ロット対応を強みとして打ち出せるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    基板リワーク業務の外注課題を内製化で解決する経緯が書かれ、既存のリワークシステム導入という過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    メタルマスク不要のリワーク技術や1枚からの対応、他社で対応できない短納期対応など、強みと優位性が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    外注で短納期に対応できない課題を認識し、完全内製化でリードタイムを5日から3日に短縮したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    リードタイムを5日から3日に短縮したという数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員6名の小規模体制は読み取れるが、補助事業の遂行体制や人材配置についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    他社で対応できない短納期対応や小ロット研究開発への対応、国内に残る市場での強みが具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は全国から問合せを受けつつ医療機器や宇宙機器分野へ拡大する方針が書かれているが、スケジュールや課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    高密度化・多層化やPbフリー半田に対応した高温リワークを行い、高付加価値な医療機器・宇宙機器分野を狙う方針が書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    JAXAや国立天文台から依頼を受けていると書かれているが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は明確に書かれていない。

  • 費用対効果2

    投入額や費用対効果の数値は書かれておらず、リードタイム短縮の効果のみがうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    先端的なデジタル技術や新ビジネスモデルの記述はなく、全国からの受注という点のみがうかがえる。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    医療機器や宇宙事業など成長分野への進出方針がうかがえるが、日本経済の構造転換に資する具体的な説明はない。

  • 地域経済への波及3

    山形県米沢市の事業所から北海道から沖縄まで全国の依頼に応えていると書かれ、地域の特性との関係は薄い。

今後の展望

当社は基板の不具合が生じた際に依頼を受けるスタイルで、ホームページを見た他社対応困難案件の問い合わせが多い。今後もホームページ等で告知を行い、信頼と実績を重ねて地道に営業を拡大していく方針である。また、海外移転が難しく高付加価値な医療機器や宇宙事業用機器などの成長分野を狙い、JAXAや国立天文台からの依頼実績もある。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。