ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

コスト競争力に優れた「新インサート成形ライン」の開発と構築

不二精工株式会社

成果材料の所要量 100%→50%

この事例のポイント

  • 電気部品は海外メーカーとの競合が激化し、経営を圧迫していた。
  • 平成25年度補正中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新補助金により、コスト競争力に優れた新インサート成形ラインの開発と構築に着手した。
  • 材料の所要量 100%→50%。新インサート成形ラインにより材料の所要量が大きく減り、生産コストが海外メーカーと同等になった。

事業者のプロフィール

事業者名不二精工株式会社
所在地大阪府 大阪市西淀川区
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野精密加工,製造環境
従業員数30人
資本金1,000万円
設立1920年

事業の背景

大正9年に濱野六郎氏が東京・板橋で個人創業し、昭和19年に取引先の松下電器産業の招請で大阪に移転した。現在は創業以来の精密プレス加工技術を基軸に、金属と樹脂の複合成形技術、金型技術を3本柱として事業を展開している。板厚50〜800μmの微細プレス加工、特に板バネ加工を得意とする。電気部品は海外メーカーとの競合が激化したため、インサート成形と呼ばれる金属と樹脂の複合成形など付加価値を生み出す加工技術へシフトしていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算電気部品は海外メーカーとの競合が激化し、経営を圧迫していた。
  • コスト・採算既存のインサート成形ラインのままでは、海外メーカーとのコスト競争に勝てない状態だった。
  • コスト・採算フープ形状で複数の加工工程を経るため材料幅が広く必要になり、材料のロスが大きくなっていた。
  • 人手・技能ボルトの耐圧試験を全量行う必要があるが、従来は人手をかけて行っていた。

やったこと

平成25年度補正中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新補助金により、コスト競争力に優れた新インサート成形ラインの開発と構築に着手した。品質レベルを維持しつつ価格競争力に対応するため、最新の竪型ロータリー成形機を導入し、装置を中核に据えた。周囲にはロボットを4台導入し、工程ごとにワークをハンドリングして供給する自動化を進めた。生産した部品の耐圧試験もロボットでハンドリングして自動で行えるようにした。長端子と短端子の両加工を計画どおり行った結果、材料の所要量はフープ成形に比べ約50%削減できた。

加工機竪型ロータリー成形機
ロボットロボット

新しい製品・サービス:新インサート成形ライン(新生産方式)

事業の効果

  • 材料の所要量 100%→50%

新インサート成形ラインにより材料の所要量が大きく減り、生産コストが海外メーカーと同等になった。国内での部品供給では輸送などを含めたトータルコストで同社が優位に立つ。新規受注した車載部品の要求価格を満たすコストダウンを実現し、高い品質レベルを維持したまま海外メーカーとの競争に打ち勝てる生産ラインを構築できた。ロボットとの連動で自動化ラインを構築し、製品の生産コストを下げることにも成功した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    以前から取り組んでいたインサート成形ラインを発展させ、車載部品の新規受注に対応する設備投資と読める。経営戦略上の位置付けは具体的には書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外メーカーとのコスト競争という外部環境と、精密プレス加工技術の強みを踏まえ、品質とコストで優位に立つ方針が具体的に述べられている。

  • 課題の認識と解決4

    インサートフープ成形の材料ロスという課題を認識し、材料所要量を約50%削減する新インサート成形ラインを構築したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    材料約50%削減や自動化による生産コスト低減は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員30名で少人数での体制であることはわかるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    国内自動車メーカーからの車載部品受注を背景に、品質とコストで海外に勝てる点、輸送を含めたトータルコスト優位が述べられている。

  • 事業化までの道筋3

    新規設備導入、ロボット4台導入、ロータリー成形機の確認など工程は書かれているが、中長期の検証やスケジュールは詳しくない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    電気部品の精密プレス加工は一般的な分野で、同分野内での高付加価値化を図る点がうかがえる程度である。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    国内でのものづくりを維持する考えや雇用への言及はあるが、波及効果や社会インフラとしての国の補助の必要性は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果4

    補助金で設備を導入し、材料所要量約50%削減や自動化による生産コスト低減を実現したと数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    ロボットとの連動による自動化ラインやデータ提供の記述はあるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は具体的ではない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    大阪西淀川区の立地や国内ものづくりの維持は述べられているが、地域特性を活かした雇用創出への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は防水性・機密性をキーワードに新たな研究開発に取り組み、国内でのものづくりにこだわり続ける方針である。

事業者の声

国内でのものづくりにこだわりたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。