ものづくり補助金平成25年度製造業福島県

染工場の和装デザイン、縫製力を活かしたよさこい踊り衣装の短納期・受注生産の開始

有限会社安彦染工場

成果縫製までの日数 20日→14日

この事例のポイント

  • 変化する顧客ニーズと生産性向上への対応が課題となっていた。
  • ドラム式昇華転写プレス機と昇華転写用インクジェットプリンタを導入した。
  • 縫製までの日数 20日→14日。よさこい踊り衣装の試作で、多品種・小ロット・短納期の生産が可能であることを確認した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社安彦染工場
所在地福島県 福島市
業種繊維工業
従業員数27人
資本金300万円
設立1962年

事業の背景

呉服の友禅染工場として始まり、現在は法被、暖簾、手拭い、幟や幕などを染めから縫製まで自社で行っている。アクリル繊維が主力製品となり、綿商品も増えたことからポリエステルの本染にも力を入れている。染め物素材が綿からポリエステルへ変わりつつあり、商品の複雑化で競争も激しくなっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術変化する顧客ニーズと生産性向上への対応が課題となっていた。
  • 納期・工程法被や踊り衣装は従来の伝統的染色技法では製作が困難になっていた。
  • 納期・工程従来の捺染では工程が多く、お祭りの集中時期に短納期で対応しにくかった。

やったこと

ドラム式昇華転写プレス機と昇華転写用インクジェットプリンタを導入した。事前に色のブレを防ぐためプリンタの設定やカラーチャートの作成で色調整を行い、プリンターヘッドの破損につながるコックリング現象や転写機でのゴースト現象の防止を図った。その上で試作を行い、短納期の実現性を探るためプリンタの高速連続運転による検証も行った。

加工機昇華転写用インクジェットプリンタ
加工機ドラム式昇華転写プレス機

新しい製品・サービス:よさこい踊り衣装の短納期・受注生産

事業の効果

  • 縫製までの日数 20日→14日
  • 人的コストの3%の削減

よさこい踊り衣装の試作で、多品種・小ロット・短納期の生産が可能であることを確認した。デザイン・企画から縫製までの日数が6日短縮され、人的コストも3%削減された。鮮やかな色の染め表現が可能となり、顧客ニーズへの対応力が高まった。今後は自社デザインの衣裳を提案する営業体制の構築や受注確保が期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    染めにこだわり、染め物素材の変化に対応するため、よさこい衣装の受注生産へ展開する流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    よさこい衣装の市場規模500億円、40万人の踊り子、年々増える開催地に言及し、縫製力を活かせる点を強みとして挙げている。

  • 課題の認識と解決4

    縫製まで20日が14日となり6日短縮、人的コストは3%削減と数字で課題と効果が示されており、高付加価値化につなげる狙いも読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    6日の短縮と3%の人的コスト削減は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社員27名や試作での操作技能習得・機械トラブル対応の検討にわずかに触れるが、体制としての具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    多品種・小ロット・短納期、鮮やかな色表現、取引先からの期待など顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に述べられている。

  • 事業化までの道筋3

    試作でプリンタの高速連続運転による検証や、コックリング・ゴースト現象の防止策を実施したと書かれ、課題対応の流れはある。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    よさこい踊り衣装は従来の捺染では作業工程が多く難しい分野で、多色グラデーションなど高水準の表現に取り組む点が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    よさこい衣装の市場や地域の祭り文化への言及はあるが、雇用創出や波及効果の数字は示されていない。

  • 費用対効果3

    6日の工期短縮と3%の人的コスト削減という効果は示されるが、補助金額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    昇華転写インクジェットプリンタとドラム式転写プレス機の導入は書かれるが、サプライチェーン全体への貢献は読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    よさこい衣装という成長市場への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとの記述はない。

  • 地域経済への波及3

    福島市の染工場で高知発祥の衣装を手がける形だが、地域の特性を活かした経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新規分野で長年培った技術を基に独自性を打ち出していく。よさこい踊り衣装の市場は伸びており、将来的には自社デザインの衣裳をチームへ提案する提案型営業体制を構築したい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。