ものづくり補助金平成25年度製造業群馬県

ナイロンにインクジェットで加工した、多彩で柔らかいスポーツインナー素材等の開発

朝倉染布株式会社

成果工程減少によりインクコストを28%ほど削減

この事例のポイント

  • ナイロン素材はインクジェット加工が進んでおらず、従来のポリエステル素材へのプリントでは表現が困難だった品質を実現する必要があった。
  • 伸縮性に対応し、シワなどの問題なく正常に搬送できるインクジェットプリンタの開発を、コニカミノルタと共同で行った。
  • 工程減少によりインクコストを28%ほど削減。ナイロンへのインクジェットプリントにより、ポリエステルと比べて発色性に優れた製品を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名朝倉染布株式会社
所在地群馬県 桐生市
業種繊維工業
技術分野材料製造プロセス
従業員数96人
資本金3,800万円
設立1892年

事業の背景

当社は群馬県桐生市で染色整理業を営み、ナイロン素材の加工を行っている。スポーツウエア市場はランニングやゴルフの人気上昇により増大しているが、多くはポリエステル素材である。ナイロンは従来、品質安定性が低いというイメージがあり、スポーツ素材としてはあまり使用されてこなかった。近年はポリエステルに比べて肌ざわりが柔らかく伸縮性が良いことから見直されており、国内市場にも浸透し始めたが、ナイロン素材へのインクジェット加工は進んでいなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術ナイロン素材はインクジェット加工が進んでおらず、従来のポリエステル素材へのプリントでは表現が困難だった品質を実現する必要があった。
  • 品質・精度ナイロン素材に一般的に用いる酸性染料インクは光、汗、洗濯に対する堅牢度が悪いため、堅牢度を向上させる必要があった。
  • 生産能力既存のインクジェットプリンタは伸縮性に対応していないため、搬送時にシワが発生していた。

やったこと

伸縮性に対応し、シワなどの問題なく正常に搬送できるインクジェットプリンタの開発を、コニカミノルタと共同で行った。基本カラーデータ作成に続き、スポーツ衣料系と婦人衣料系に分けてサンプルを作成した。取引先から他社加工品のデータを入手して当社でプリントしたところ、当社加工品の発色性が優れていた。ナイロンへの加工では酸性染料インクを用い、堅牢度を向上させるためのレシピ(処方)を開発し、最適なソーピング剤を選び出した。インク製造段階で行っていた脱気処理を本機では機械本体で行う構造とし、工程が減少したことからインクコストを28%ほど削減した。ポリウレタン混ナイロン生地の適正な搬送と堅牢度の向上について概ね良好な結果を得た。

加工機ナイロン対応インクジェットプリンタ

新しい製品・サービス:ナイロンへのインクジェットプリント加工による多彩で柔らかいスポーツインナー素材

事業の効果

  • 工程減少によりインクコストを28%ほど削減
  • ソーピング剤の調整によりポリエステル素材と同等の結果
  • 2020年度にナイロンインクジェット事業による売り上げ2,700万円を見込む

ナイロンへのインクジェットプリントにより、ポリエステルと比べて発色性に優れた製品を実現した。堅牢度はポリエステル素材と同等となり、インク製造工程の見直しによりインクコストを約28%削減できた。スポーツインナーやゴルフウエア、婦人ボトムウエアの分野で新たな取引の見込みが立ち、既存取引先からも高い評価を得ている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    ポリエステルのインクジェット加工の経験を背景に、ナイロンへ展開する流れは読めるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ナイロンの品質安定性の低さという弱みに対し、発色性や堅牢度向上を実現し、取引先から発色性で優位と評価された点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    スポーツ市場の伸びに対しナイロンの新規需要を狙う課題認識は読めるが、付加価値化の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    2020年度の売上2,700万円の見込みが示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    スポーツインナーやランジェリーなど顧客分野を絞り、発色性や柔らかさ、吸水速乾などの選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    参入先の見通しや量産化交渉など遂行の流れは示されるが、中長期の課題検証やスケジュールの記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ナイロンへの酸性染料インクジェットは国内で進んでおらず、ポリエステル中心の分野で高水準の発色性を実現した点が具体的に示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    国内市場にナイロンが浸透しつつある点などはうかがえるが、波及効果や雇用創出への言及は明示されていない。

  • 費用対効果3

    工程削減により約28%のインク関連コスト削減が示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献3

    インクジェット技術でナイロン素材の表現を広げる点は読めるが、サプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    群馬県桐生市の染色整理業者である点はうかがえるが、地域の特性を活かした経済成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ナイロンインクジェット事業による売り上げは2020年度に2,700万円を見込む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。