ものづくり補助金平成25年度製造業福島県

「低温熟成塩」の製塩技術確立と食品加工設備投資による六次産業化の展開

会津山塩企業組合

成果大粒結晶の割合(一つの塩取鍋あたり) 4kg→8kg

この事例のポイント

  • 大粒結晶を含む会津山塩の増産が必要だった。
  • 低温・緩速熟成製塩装置を導入した。
  • 大粒結晶の割合(一つの塩取鍋あたり) 4kg→8kg。大粒結晶塩の割合と山塩の総生産量がともに2倍に増えた。

事業者のプロフィール

事業者名会津山塩企業組合
所在地福島県 北塩原村
業種化学工業
技術分野製造環境
従業員数7人
資本金600万円
設立2007年

事業の背景

会津山塩は大塩裏磐梯温泉の塩分を含んだ温泉水を煮詰めて作る塩で、約1200年の歴史を持つ。現在も昔ながらの平釜と薪の直火で製造している。一般的な結晶塩と大粒結晶の山塩を製造し、大粒結晶の山塩はミルで砕いて使う「挽きたて会津山塩」などとして販売している。レストランやホテルのテーブルソルトとしての販売が増加傾向にあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大粒結晶を含む会津山塩の増産が必要だった。
  • 品質・精度平釜直火では温度制御が難しく、一般的な結晶の割合が多くなっていた。
  • コスト・採算温泉水を3工程で煮詰め、それぞれ火入れをしていたため熱源が3つ必要で、生産性が悪くコスト高になっていた。
  • 生産能力平釜直火は有効利用されない余熱が多く、生産性が低かった。
  • 生産能力平成25年の総生産量2.3トンのうち大粒結晶は0.6トンのみで、商品の欠品が続いていた。

やったこと

低温・緩速熟成製塩装置を導入した。この装置は沸騰させずに長時間温めることができ、品質のよい大粒結晶山塩を効率よく製造できる。三連傾動型直煮釜の2つの熱源を利用し、採熱システムで保温貯湯タンク内の温泉水を保温しながら、低温・緩速熟成釜を加熱する。これにより全工程を一度の火入れ作業で行えるようになった。

加工機低温・緩速熟成製塩装置

事業の効果

  • 大粒結晶の割合(一つの塩取鍋あたり) 4kg→8kg
  • 山塩の総生産量 2トン→4トン
  • 火入れ箇所 6カ所→3カ所

大粒結晶塩の割合と山塩の総生産量がともに2倍に増えた。これまで不足していた製塩量が増えたことで、取引先の注文に欠品なく応じられるようになった。全工程を一度の火入れで行えるようになり、火入れ箇所が半減して製造労力とコストも軽減された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成17年の村おこし事業から製塩を始め、平成19年に組合を設立した経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    「こだわり食材として需要が高い」「レストランやホテルのテーブルソルトとして販売数が増加傾向」と市場動向は触れるが、強み・弱みの分析は薄い。

  • 課題の認識と解決5

    大粒結晶が全体の2割で欠品が続いた課題に対し、2倍増産、総生産量2トンから4トンへの増加など数字で解決効果が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年間6トンの生産を目指すと目標値が示されているが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    職人を育てていくことが重要と述べられているが、組合員7名や人員確保の具体的な体制は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    温泉水のミネラルによるまろやかな味や「挽きたて」の口当たりなど製品価値と、食へのこだわりを持つ顧客層が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    次の事業展開に向けて燃焼室や薪の量の再検討、採熱効率の向上が示されているが、スケジュールや課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    会津山塩は約1200年の歴史を持つ伝統製法で、大粒結晶山塩の高付加価値化を図る点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    村おこしや地域産業の活性化、地域雇用の創出への貢献が述べられているが、波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果4

    火入れ箇所が6カ所から3カ所に半減し、製造労力とコストを軽減できたと数字で成果が示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    採熱システムや保温貯湯タンクの活用は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    大塩裏磐梯温泉の温泉水と会津山塩という地域資源を活かし、地元食材業者との連携や地域雇用創出を掲げている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

製塩装置は年間6トンの製塩が可能で、採熱効率をさらに上げて年間6トンの生産を目指す。新商品の開発・販売や直売スペースの新設などの次の事業展開には、さらに約2トンの総生産量増加が必要となる。今後は地元食材とのブレンド商品の開発を進め、職人の育成も重視している。

事業者の声

「挽きたて会津山塩」は口当たりのよさと自ら砕いて使用する感覚が好評で

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。