ものづくり補助金平成25年度製造業岡山県

ファイバーレーザー自動溶接機導入による食品機械部品等の生産性向上および販路拡大

株式会社クレスコ

成果溶接時間は約40%短縮

この事例のポイント

  • 計量機械メーカーからの受注増に供給が追いつかず、受注の一部を辞退せざるを得なかった。
  • 平成26年12月にファイバーレーザー溶接システムを導入した。
  • 溶接時間は約40%短縮。溶接時間は約40%短縮し、熱影響による歪みや焼けもほぼなくなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社クレスコ
所在地岡山県 岡山市
業種金属製品製造業
技術分野接合・実装,複合・新機能材料
従業員数61人
資本金4,000万円
設立1945年

事業の背景

ステンレス素材を中心に金属部品の設計・製作を行い、板金と切削の複合加工を強みとする。取引先は石油化学プラント、介護機器など多業種にわたる。主要取引先の計量機械メーカーでは、スナック菓子の計量包装機「組み合わせはかり」が好調で、同社はその部品加工を請け負っていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力計量機械メーカーからの受注増に供給が追いつかず、受注の一部を辞退せざるを得なかった。
  • 人手・技能溶接は高度な技術を要し多くの作業時間を費やしており、熟練者の育成も追いついていなかった。
  • 品質・精度介護機器分野でも加工精度と生産性を高め、顧客からの信頼を上げたいと考えていた。

やったこと

平成26年12月にファイバーレーザー溶接システムを導入した。レーザー溶接はTIG溶接に比べエネルギー密度が高く熱が拡散しないため、母材の歪みや硬度変化が少なく、溶接速度も速い。歪み取りや溶接焼けの除去などの後工程も大幅に減らせる。隔離された室内で行う必要があるため、小~中ロット生産の現場で最も価値を発揮する。機械設置後、加工条件のデータ収集、治具の設計・製作、ティーチングを実施し、組み合わせはかりの台座やホッパーなどの部品について自動化を進めた。

事業の効果

  • 溶接時間は約40%短縮
  • 後工程については約60%もの時間削減

溶接時間は約40%短縮し、熱影響による歪みや焼けもほぼなくなった。後工程も約60%の時間削減ができた。自動化により経験の少ない若手でも溶接を担当できるようになり、熟練工を別部門に配置できるようになった。生産スピードが上がって計量機械メーカーからの受注が大きく増え、品質の安定により組み合わせはかり以外の部品の受注も得られた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    ステンレス部品の板金・切削の複合加工を強みとし、溶接自動化は既存の加工事業の延長にある。ただ過去の取組との一貫性を示す記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    組み合わせはかり製造メーカーの好調という外部環境を踏まえ、溶接工程の自動化で受注増に対応している。溶接時間約40%短縮と具体的な強化点が読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    溶接時間約40%短縮、後工程約60%削減、若手担当可能など数字つきで課題解決と生産性向上の成果が示されている。受注量の増加も記載がある。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    溶接時間約40%短縮、後工程約60%削減の実績が示され、目標の達成状況が読み取れる。ただ付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    加工条件データ収集や治具設計・製作、ティーチングを実施したと書かれ、人材育成にも触れている。ただ事務処理体制についての記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    組み合わせはかり以外の部品受注を獲得し、品質安定が評価されたと書かれている。顧客ニーズへの対応と選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    導入、データ収集、治具設計、ティーチングの流れは書かれている。中長期の検証や今後の展開は概略にとどまる。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ファイバーレーザー溶接は従来のTIG溶接より熱影響が少ないと説明されている。ただ分野としての普及度や高価格化の記述は薄い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    介護機器や半導体の分野に言及はあるが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は示されていない。

  • 費用対効果4

    溶接時間約40%短縮、後工程約60%削減と生産性の改善が数字で示されている。投入額と付加価値の関係は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    レーザー溶接による自動化で小一中ロット生産に価値を発揮すると書かれている。サプライチェーンへの貢献の記述は限定的。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    食品機械分野や介護機器分野への進出に触れているが、日本経済の構造転換に資するという記述はない。

  • 地域経済への波及2

    岡山市の企業である点はあるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出への言及は書かれていない。

今後の展望

当該機械を含む最新鋭機器を多数導入し、同業他社からの視察を受け入れている。溶接工程の省力化には多くの可能性があると考え、開発のための設備投資と人材育成に力を入れていく方針。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。