ものづくり補助金平成25年度製造業長野県

スパイラル状構造用補強金具の生産工程自動化による生産性アップと精度向上

松本スプリング株式会社

成果加工機台数 2台→1台

この事例のポイント

  • 従来は特殊な治具を使い一部手作業を経て生産しており、複雑な三次元形状の構造用補強金具の生産性が十分でなかった。
  • 三軸CNCワイヤーフォーミングマシンを導入し、複合一貫加工による三次元加工法を確立した。
  • 加工機台数 2台→1台。新たなフォーミング機の導入により、2機と治具を使っていた加工が1台で可能になり、曲げ工具と作業順番の改善で寸法精度と生…

事業者のプロフィール

事業者名松本スプリング株式会社
所在地長野県 山形村
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数28人
資本金1,000万円
設立1973年

事業の背景

同社は1973年創業の線ばねメーカーで、多様な線径・素材のばねを手がけ、自動車関連部品が約半数を占める。顧客は約6割が県外で福島・関東甲信越から九州まで広がる。新幹線用コンクリート製枕木の構造用補強金具も製造している。近年はハイブリッド車向け回生ブレーキ用バネのローコスト化や短納期対応が求められ、新素材の試作依頼も数年前から増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来は特殊な治具を使い一部手作業を経て生産しており、複雑な三次元形状の構造用補強金具の生産性が十分でなかった。
  • 品質・精度複雑な曲げ加工により寸法精度の確保が難しい状況だった。
  • 人手・技能ばね形状に加工後の先端を曲げる工程を熟練工が手作業で行っており、誰が担当しても同じ精度・品質を得ることが難しかった。
  • 品質・精度ワークの投入やバリ取りを人手で行っており、省力化・バリ除去・精度確保が課題だった。

やったこと

三軸CNCワイヤーフォーミングマシンを導入し、複合一貫加工による三次元加工法を確立した。新たに導入したフォーミング機により、従来2機と治具で行っていた加工をマシン1台で可能にした。あわせて曲げ工具の改善と曲げ作業工程(作業順番)の変更を行い、寸法精度と生産スピードの向上、品質の安定を図った。また、自動投入と研磨の両方ができる独自のロボットを導入し、ワークの投入・バリ取りを自動化した。研磨・バリ取り作業の条件を調整し、客先要求の精度確保も可能にした。

加工機三軸CNCワイヤーフォーミングマシン(フォーミング機)
ロボット自動投入と研磨の両方ができる独自のロボット

新しい製品・サービス:新幹線用コンクリート製枕木の構造用補強金具の一体加工、および回生ブレーキ向けバネの複合機能ロボットによる自動化・省力化

事業の効果

  • 加工機台数 2台→1台

新たなフォーミング機の導入により、2機と治具を使っていた加工が1台で可能になり、曲げ工具と作業順番の改善で寸法精度と生産スピードが向上し品質も安定した。独自ロボットによりワークの投入とバリ取りを自動化し、省力化と増産対応が可能になった。研磨・バリ取りの条件調整で客先要求の精度も確保できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の線ばね加工の延長で鉄道用補強金具へ展開し、過去の取組との一貫性は読めるが、経営戦略上の明確な位置付けまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    オールラウンドな対応力や試作依頼の増加など自社の強みは書かれているが、市場動向と結びつけた競争優位の説明は薄い。

  • 課題の認識と解決2

    手作業工程や寸法精度の課題はうかがえるが、高付加価値化や成長につながる計画としての記述は見当たらない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産スピード向上や品質安定の成果はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    熟練工に頼らず誰でも同じ精度を出せる体制とあるが、人材や事務処理能力の確保は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客は約6割が県外で福島から九州まで広がり、評判による依頼も多いとあり、選ばれる理由の一端は読める。

  • 事業化までの道筋2

    曲げ工具の改善や作業順番変更など遂行方法の一部はあるが、スケジュールや中長期の検証は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    チタン合金やマグネシウムなど多様な素材や新素材の試作を手がけるとあり、高付加価値の方向性はうかがえる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    新幹線用の軌道部品を製造しており社会インフラへの関わりは読めるが、波及効果や雇用創出の数字は書かれていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    ロボットや三軸CNCの導入はあるが、デジタル技術によるサプライチェーンへの貢献までは書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    長野県山形村の企業として地域に根ざす記述はあるが、地域特性を活かした付加価値創出や雇用への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

ものづくりの技術を、一番大事な役割として考えています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。