ものづくり補助金平成25年度製造業茨城県

歯科用スケーラチップのワンチャック加工による高品質化

株式会社サンテクノ

成果不良率 5%→0%

この事例のポイント

  • 外注による納期や料金の問題があり、価格が高くなっていた。
  • 既存のNC旋盤を使い、加工物を固定したままワンチャックで細穴放電加工と研削加工の二つを行えるよう、特別設計のNC機を開発して導入した。
  • 不良率 5%→0%。NC旋盤内で全工程をワンチャック加工できるようになり、外注が不要になって社内で作業を完結できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社サンテクノ
所在地茨城県 行方市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数18人
資本金1,000万円
設立1992年

事業の背景

1992年創業の精密加工メーカーで、自動車メーターの精密シャフトを製造する部品メーカーとして始まった。精密部品製造で培った技術と品質管理手法を基に、現在は医療機器へ主力を移し、新商品と新設備の開発で売上と利益を伸ばしている。歯科用スケーラチップやダイヤモンドバーなどの歯科機器を製造販売しており、国内約8万軒の歯科医院のうち約7万5000軒で自社の歯科機器が使われている。人口減少が進む国内では伸びしろが見込めず、5年前から海外販売に力を入れている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算外注による納期や料金の問題があり、価格が高くなっていた。
  • 品質・精度放電加工と研削加工を別々の設備で行っていたため加工位置がずれ、穴曲がりや研削の厚さのばらつきが生じ、5〜10%の不良品が発生していた。
  • 生産能力2000本の製造に3カ月を要していた。
  • コスト・採算安価な外国製品に対抗する必要があった。

やったこと

既存のNC旋盤を使い、加工物を固定したままワンチャックで細穴放電加工と研削加工の二つを行えるよう、特別設計のNC機を開発して導入した。機械内部に冶具を取り付ける改造を機械メーカーと進め、メーカー側で試作機を製作し、機械内部の限られたスペースに収まるよう検討を重ねた。茨城県工業技術センターと共同で試作品の寸法検査や金属の疲労チェックを行い、プログラムを工夫して品質を安定させた。

加工機特別設計のNC機(NC旋盤内でワンチャック加工できる加工機と装置)

新しい製品・サービス:歯科用スケーラチップのワンチャック加工による高品質化

事業の効果

  • 不良率 5%→0%
  • 2000本の製造に3カ月を要していたが、リードタイムが短縮された。

NC旋盤内で全工程をワンチャック加工できるようになり、外注が不要になって社内で作業を完結できるようになった。不良率はゼロになり、全くぶれのない精巧な製品が仕上がるようになった。製品は歯科医院で問題なしと評価され、すぐに受注・販売を開始し、現在は機械が24時間稼働するほどの発注を受けている。リードタイムも短縮された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    1992年創業の精密部品メーカーから、1996年の医療機器製造業、1998年の製造販売業許可取得を経て医療機器へ転換しており、事業の一貫した流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内の歯科医院約8万軒のうち約7万5000軒で使用され、国内は伸び代が少ないとして海外販売に注力しているなど、市場環境の認識が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    外注による細穴放電と研削の別工程で穴曲がりや厚さのばらつきが5〜10%の不良品を生み、2000本に3カ月を要した課題を数字で示し、社内一貫加工で解決している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    賃上げや付加価値額の数値目標は書かれておらず、「売り上げと利益を伸ばしている」という記述がわずかにうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制3

    機械メーカーや茨城県工業技術センターと共同で開発・検査した経緯が書かれているが、社内の人員配置や事務処理体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    歯科医院に製品確認を依頼して問題なしとの返答を得て、すぐに順調に受注し、現在は機械が24時間稼働するほどの発注があると具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    インドネシアとの代理店契約や国家承認待ち、AIによる検査の学習など今後の取組は書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    外国の安価な製品に対抗するため、NC旋盤内で全工程を仕上げる特別設計の機械を開発し、不良率ゼロを実現したと書かれており、高水準の差別化が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    海外展開や医療機器分野での販路拡大はうかがえるが、雇用創出や地域への経済波及効果、国が補助する積極的理由の記述は乏しい。

  • 費用対効果3

    不良率5〜10%がゼロになり、3カ月を要した製造期間の短縮が示されているが、補助金投入額に対する効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    特別設計のNC機によるワンチャック加工に加え、今後の人手不足対策としてAIに検査を学習させる試みが書かれているが、業界全体への貢献は示されていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出4

    精密シャフト製造から医療機器へ構造転換し、歯科用スケーラチップや高い将来性が見込まれる超音波スケーラなど成長分野への進出が具体的に書かれている。

  • 地域経済への波及2

    茨城県の工業技術センターとの共同開発は書かれているが、地域の特性を活かして雇用や地域経済を牽引する記述はわずかにうかがえる程度である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内では足固めをしつつ海外へのさらなる進出を目指す。インドネシアとは代理店契約を結び、同国の承認が得られれば販売できる段階にある。今後は海外での量産販売に備え、人手不足対策としてAIで人の行う検査を機械に学習させる取り組みも進めたいとしている。

事業者の声

精密シャフト製造で培った技術力で、医療機器への転換に成功しました。医療機器製造業と製造販売業の許可を取得し、現在では全国の歯科医院や病院に販売しています。積極的に海外の販路を拡大し、医科カテーテルの研究開発にも携わっています。チャレンジ精神旺盛で活発な社風です。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。