ものづくり補助金平成25年度製造業茨城県

メッキ装置電源のインバータ化更新による品質向上とエネルギー削減

溝口鍍金株式会社

この事例のポイント

  • サイリスタ方式の電源は、作業の規模に合わせて変換後の電気量を抑えられず、ロスとなる電気が多かった。
  • めっき装置用の直流電源を、従来のサイリスタ方式からインバーター方式のものに更新した。
  • 電力消費量は約30%削減され、CO₂ガスの発生は年間で70トン減少した。

事業者のプロフィール

事業者名溝口鍍金株式会社
所在地茨城県 鹿嶋市
業種金属製品製造業
技術分野表面処理
従業員数37人
資本金2,000万円

事業の背景

同社は自動車用配管のめっき加工を中心に、建築資材のめっき、溶接・組み立て作業を行っている。少量多品種の注文や、長さ6,700ミリまでの長尺品、細かい製品まで幅広く対応できることが強みである。めっきの量産では、コストの安い海外への受注が増えている状況にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算サイリスタ方式の電源は、作業の規模に合わせて変換後の電気量を抑えられず、ロスとなる電気が多かった。
  • 品質・精度素材のカット端や尖った部分に電流が集中し、均等にめっきできない場合があった。
  • その他電気のロスに合わせて電源装置の容量が大きく、広いスペースが必要だった。

やったこと

めっき装置用の直流電源を、従来のサイリスタ方式からインバーター方式のものに更新した。インバーター方式は交流から直流への変換効率が以前より高く、細かい制御も可能である。製品ごとに素材や大きさ、膜の厚さに応じて電流や時間の設定を変えられるようにし、無駄な電気の使用をなくした。使用量に合わせた容量の電源を選定したことで、電源装置の省スペース化も実現した。

その他インバータ式めっき装置用電源

事業の効果

電力消費量は約30%削減され、CO₂ガスの発生は年間で70トン減少した。以前はめっきの端や尖った部分に電流が集中していたが、それも解消して均等にめっきできるようになり、品質が向上した。電源装置が使用量に合った大きさになったため省スペースにもなった。さらにめっき材料の無駄もなくなり、全体的なコスト削減につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去からの取り組みとして工場排水処理やエコアクション21登録が書かれ、環境配慮の延長にある投資と読めるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    少量多品種・長尺大物・細物に対応する幅広さが強みとして明記され、コストの安い海外受注増への対抗策として投資している。

  • 課題の認識と解決4

    電力30%削減、CO₂年70トン減など課題が数値で示され、複雑形状加工と提案力強化による付加価値向上を方針として述べている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    電力30%削減とCO₂年70トン減の数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    社員全員で改善に取り組む姿勢や従業員数37人の記載はあるが、補助事業の遂行体制は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車用配管や建築資材のめっき、長尺6,700ミリ対応など対象と強みが具体的に整理され、顧客ニーズへの対応が明確。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の改善の方向性は述べられているが、補助事業の遂行スケジュールや課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    電気めっきは一般的な技術だが、複雑形状や長尺品の高付加価値加工を手がけると述べられている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域の鹿嶋市内工場での事業とは書かれているが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は示されていない。

  • 費用対効果4

    電力消費の約30%削減、CO₂年70トン減、材料の無駄削減、省スペース化など効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    インバータ化による制御の細分化は記載があるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    鹿嶋市内に本社工場と灘工場があると書かれ地域拠点だが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

複雑な形状の加工技術や、開発・工夫、顧客への提案を重視し、難しい加工や新しいアイデアに取り組み続ける方針である。ここでしかできない付加価値のあるものを手がけ、それを若い世代へとつないでいきたいとしている。

事業者の声

「他の会社が受けたがらない面倒くさいものでも、アイデアを駆使して対応することで、新しい技術が生まれる」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。