ものづくり補助金平成26年度製造業大阪府

めっき加工工程の大幅改善で生産体制強化

木田精工 株式会社

成果処理時間 7時間→2.5時間

この事例のポイント

  • 処理工程で金属に付いた酸化皮膜(黒皮)やバリを除去する専用設備がなかった。
  • 2台のショットブラスト機(大物部品用と小物部品用)を導入し、酸電解やベーキングなどの作業工程を省略できるようにした。
  • 処理時間 7時間→2.5時間。ショットブラスト機の導入で酸電解やベーキングなどの工程を省略でき、短納期要望に対応できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名木田精工 株式会社
所在地大阪府 東大阪市
業種金属製品製造業
技術分野表面処理
従業員数65人
資本金3,000万円
設立1977年

事業の背景

同社は昭和52年創業のめっき装置メーカーで、自動車や半導体、弱電メーカーなど約500社に1,200台以上の装置を納品している。自動車部品向け亜鉛めっき装置の国内シェアは高く、取引先の海外展開に伴い欧米やアジアでも活躍している。平成19年に装置事業から派生しためっき処理事業を立ち上げ、処理事業は会社全体の売上の15〜20%を占めるまでに成長した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力処理工程で金属に付いた酸化皮膜(黒皮)やバリを除去する専用設備がなかった。
  • 納期・工程ベーキングなどの工程により処理時間が余分にかかり、取引先が求める短納期対応が難しかった。
  • 品質・精度処理中にどの槽でどんな薬液が使われているかわからず、ミスが起きうる状態だった。

やったこと

2台のショットブラスト機(大物部品用と小物部品用)を導入し、酸電解やベーキングなどの作業工程を省略できるようにした。全体で7時間かかっていた作業が2時間半に短縮された。加工物の面粗度を計測するデジタルマイクロスコープを導入し、マイクロメートル単位での検査体制を確立した。さらに装置事業ではめっき処理の完全自動化に取り組み、めっきする部品の投入量に応じた電流値や温度管理をインラインで常時監視し自動調節する計画で、大枠のシステム構成はめどが立っており平成30年頃の完成を目指している。

その他ショットブラスト機
検査測定デジタルマイクロスコープ

新しい製品・サービス:無排水めっき装置

事業の効果

  • 処理時間 7時間→2.5時間

ショットブラスト機の導入で酸電解やベーキングなどの工程を省略でき、短納期要望に対応できるようになった。金属表面の酸化皮膜やバリも除去できるようになった。デジタルマイクロスコープによりマイクロメートル単位の検査体制が確立し、品質の安定化につながった。「YCコート」の顧客満足度向上や他社との差別化にも貢献し、採用が広がっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の装置事業から派生しためっき処理事業を発展させており、一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自動車部品向け亜鉛めっき装置の国内シェアが高く、約500社に1,200台以上納品と、強みと市場での位置が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    処理時間が全体7時間から2時間半に短縮、不良出荷ゼロという課題を挙げ、売上高29億円から5年後35億円の目標も示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    売上高を29億円から5年後35億円に引き上げる目標と、YCコートの月数十tの処理実績が示されている。賃上げ目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員65名や人材不足への対応は書かれるが、補助事業を遂行する担当体制や事務処理能力は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    耐久性が求められる自動車や太陽光架台などの用途、3,000時間の耐食性、顧客満足度と差別化が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    平成30年頃の完成目標と自動化システム構成のめどが書かれるが、中長期の課題検証や遂行方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    耐食時間3,000時間のYCコートや17種類の表面処理、特許75件など、同分野で高付加価値化を図る内容が具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    自動車や半導体などの取引先との関係や海外展開は書かれるが、国が補助する波及効果や雇用創出の理由は明記されていない。

  • 費用対効果3

    短納期対応や不良ゼロ、処理人員の他業務への振り向けなど効果は書かれるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    処理槽の見える化や温度・電流の自動監視が計画に含まれるが、デジタル技術によるサプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    東大阪市宝町の企業であることは書かれるが、地域の特性を活かした雇用や地域経済の成長への言及は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

平成30年頃に装置事業の完全自動化を完成させ、処理の人員を他の仕事に回して人材不足の解決につなげたい。5年後に売上高35億円を目指す。

  • 目標:売上高 29億円→35億円

事業者の声

今後も採用がさらに広がるだろう

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。