ものづくり補助金平成25年度建設業茨城県

溶接ロボットシステム導入による建築構造体加工の高品質・短納期化計画

株式会社東和鉄工

成果技術工が行う溶接作業量 100%→30%

この事例のポイント

  • 建材製造では人による溶接では高品質化が難しい。
  • 溶接工程にロボットを導入した。
  • 技術工が行う溶接作業量 100%→30%。溶接ロボットの導入により、溶接の品質が安定し、製品の高品質化が進んだ。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社東和鉄工
所在地茨城県 牛久市
業種総合工事業
技術分野製造環境
従業員数10人
資本金1,000万円

事業の背景

同社は店舗や事務所のビル、倉庫などの骨組みとなる鉄骨建築工事を請け負っている。鉄骨造は工場で約半年かけてサイズ通りの鉄骨を製作し、現場での組み立ては全体の作業量の約1割にすぎない。鉄骨の製作には溶接が欠かせず、全員が資格を持っているものの、現場では切断や穴あけ、ペンキ塗り、組み立てなどの作業が膨大で、溶接技術を磨く時間が取れない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度建材製造では人による溶接では高品質化が難しい。
  • 人手・技能高度な溶接技術を持つ技術工が年々減少しており、外部のベテラン溶接工に頼っている。
  • 人手・技能技術者の高齢化が将来的な問題になることが避けられない。
  • 生産能力溶接段階で作業が滞ると受注にも影響が出てしまう。
  • 品質・精度溶接ヒュームにさらされると肺塵になる可能性があり、作業員の安全への不安が常にあった。

やったこと

溶接工程にロボットを導入した。オペレーターがパソコンにサイズなどを入力し、その設定に従ってロボットがアームを伸ばして溶接を行う。ロボットは休まず長時間作業でき、溶接後は全て超音波探傷検査という非破壊検査を実施し、溶接内部の空気穴などの欠陥を確認する。ロボットは同一品質の製品を安定的に作れ、低スパッタ溶接により大きな鉄粉が出にくく、作業者は溶接現場から離れられる。

ロボット溶接ロボット
検査測定超音波探傷検査装置

事業の効果

  • 技術工が行う溶接作業量 100%→30%

溶接ロボットの導入により、溶接の品質が安定し、製品の高品質化が進んだ。ロボットが溶接することで作業者は現場から離れられ、溶接ヒュームによる危険性が大きく減少した。低スパッタ溶接により作業環境も向上した。溶接作業は短納期化・効率化が図られ、建設需要の増加への対応も実現する見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    ベテラン溶接工の高齢化や外部依存への懸念が書かれ、過去からの取組との一貫性は読み取れるが経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    建設需要の増加への対応と高品質化が書かれているが、市場動向や自社の強み・弱みの分析は具体的に述べられていない。

  • 課題の認識と解決4

    人による溶接では高品質化が難しいという課題を挙げ、溶接工程のロボット化で高品質化と短納期化を図るとしており、課題と対策が対応している。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    技術工の溶接作業が従来に比べ70%減少したと書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員10人で全員が溶接資格を持つことは書かれているが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力への言及は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    鉄骨の品質の安定や危険性の低減といった利点は書かれているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは示されていない。

  • 事業化までの道筋3

    ロボットができない難しい部分は人が行うことや将来の技術向上の道筋が書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    鉄骨製作の溶接ロボット化は一般的な分野であり、高水準の高付加価値化を図る記述は限定的にしかうかがえない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    建設需要の増加への対応は書かれているが、波及効果や雇用創出などの国が補助する積極的理由は読み取れない。

  • 費用対効果3

    70%減少などの作業量の変化は書かれているが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    溶接ロボットの導入は書かれているが、サプライチェーンへの貢献や新しいビジネスモデルへの言及は見当たらない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    茨城県牛久市の地元企業であることはうかがえるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

技術工が行う溶接は減るものの、すき間や突起のある特殊な形状では人の手が必要で、作業者にはより高度な溶接技術が求められる。経験を積み重ねながら溶接技術を磨き、将来的な技術向上を目指す。

事業者の声

鉄骨は一品一様、決して同じものはない。現状ではすべてをロボット溶接できるわけではないので、経験を積み重ねながら溶接技術を磨いていく必要はある

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。