ものづくり補助金平成25年度建設業愛媛県

空調換気ダクト製作における成形工程の精度均一化のための設備投資

有限会社今治空調設備

成果折り加工の能率 1倍→5倍

この事例のポイント

  • 熟練工の技術に依存した成形工程が多く、製品の品質や製作スピードにばらつきが生じていた。
  • 「折る」工程にハゼ折り機ボタンパンチスナップロックを導入し、従来設備より5倍以上の能率で美しく堅牢に騒音なく仕上げられるようにした。
  • 折り加工の能率 1倍→5倍。高速・高精度で均一なダクト製作システムが確立され、若手社員でも製品精度を判断できる工場環境が整った。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社今治空調設備
所在地愛媛県 今治市
業種設備工事業
技術分野製造環境
従業員数14人
資本金500万円
設立1991年

事業の背景

当社は昭和52年に創業し、平成3年に法人化した空調設備工事・ダクト工事業者で、空調工事・換気工事・ダクト製作の一括受注によるワンストップサービスが特徴である。近年は岡山県や広島県を中心とした中国地区への進出により業績が向上している。ダクト板金業界では熟練工の高齢化と若年層の減少による担い手不足が進み、一方で医療・食品業界など成長分野の空調換気設備ニーズは年々高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力熟練工の技術に依存した成形工程が多く、製品の品質や製作スピードにばらつきが生じていた。
  • 品質・精度熟練度の差により施工不良や手直しが発生し、無駄とコスト高の一因となっていた。
  • 人手・技能熟練工の高齢化と若年層の減少により担い手が不足しており、外国人技能実習生を含む若年技術者でも熟練工と同等の製品を作れるワークフローの確立が課題だった。
  • 生産能力急激な受注増加に対応しきれず外注への依存度が高まり、注文をこなせない状況も生じていた。

やったこと

「折る」工程にハゼ折り機ボタンパンチスナップロックを導入し、従来設備より5倍以上の能率で美しく堅牢に騒音なく仕上げられるようにした。亜鉛メッキ鋼板に加えステンレスや塩ビ鋼板まで対応できるマルチな折加工が可能になった。「曲げ」工程には油圧式プレスブレーキを導入し、高精度な角度コントロール装置による角度寸法の数値制御で、若手社員でも高精度な曲げ加工ができるようにした。「接合」工程には水冷式スポット溶接機を導入し、接合工程を効率的かつ簡易的に進められるようにした。これらの設備導入で高速・高精度で均一なダクト製作システムを確立し、各機械の背面に使用用途を示すピクトグラムと良品・悪品のサンプル写真付き作業マニュアル看板を貼って精度基準を明確にした。

加工機ハゼ折り機ボタンパンチスナップロック
加工機油圧式プレスブレーキ
加工機水冷式スポット溶接機
加工機アングル加工機

事業の効果

  • 折り加工の能率 1倍→5倍

高速・高精度で均一なダクト製作システムが確立され、若手社員でも製品精度を判断できる工場環境が整った。折り加工の能率は従来より5倍以上に向上し、厨房ステンレスフードやプールなど特殊現場のダクト製作も可能になり、付加価値商品のワンストップ受注に幅広く対応できるようになった。また、高精度な曲げ加工と接合工程の効率化により、受注増加に伴う生産体制も強化された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成3年法人化、空調・換気・ダクト一括受注を強みとする記載があり、既存事業との連続性は読み取れる。ただ経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    中国地区や関西への進出、医療・食品など成長分野のニーズに触れ、一括受注を強みとする。強み・弱みの分析は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    熟練工依存と若手不足、外注依存による受注対応不足を課題として明示し、成形工程の設備導入で解決する構成になっている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    熟練工の知識を若手と共有し有資格者を増やす計画が書かれているが、人員数や体制の具体的な配置は示されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    医療・食品など高付加価値な用途や厨房フード等の特殊品対応が書かれ、顧客ターゲットの方向性は読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    今後の活動として若手育成や関西進出が挙げられているが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ステンレス・厨房フードなど特殊品への対応で付加価値を高めると書かれるが、高価格化の数値的根拠はない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    東日本大震災後のインフラ工事増加や医療・食品分野の需要増、国内回帰など、社会的背景は記載されている。

  • 費用対効果2

    従来比5倍以上の能率向上と記載があるが、補助金額に対する付加価値増や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    高精度な数値制御やワークフローのオープン化はうかがえるが、デジタル技術の地域・サプライチェーンへの波及は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    国内メーカーの国内回帰や成長分野への言及はあるが、日本経済の構造転換との関係は記載されていない。

  • 地域経済への波及3

    中国地区・四国での受注増加と地域への展開が書かれ、地域の成長に関わる内容として読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

若手人材の育成と熟練工の知識・経験・技術の集約を進め、有資格者を増やすとともに市場開拓を目指す。汎用から高機能までのダクト製作ワンストップサービスで取引を深耕し、女性や若年層の雇用拡大も視野に入れる。営業エリアは四国内が中心だったが、中国エリアの受注が増えており、今後は関西エリアへの進出も期待されている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。