ものづくり補助金平成25年度建設業茨城県

残土を出さない、革新的地盤改良サービスの提供

クラウン工業株式会社

成果施工速度 1倍→2倍

この事例のポイント

  • 従来のエコジオ工法は掘削時に排出される残土の処理が必要で、残土処理の手間と費用が課題として残っていた。
  • 三重大学などとの共同研究により、掘削土砂を排出しないケーシングを開発し、2013年に実用化した。
  • 施工速度 1倍→2倍。無排土型での施工により施工性が向上し、工期が短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名クラウン工業株式会社
所在地茨城県 土浦市
業種総合工事業
従業員数20人
資本金1,000万円
設立1976年

事業の背景

1976年創業以来、土木工事用の仮設資材のレンタルを本業としてきた。さらなる発展を模索する中でエコジオ工法と出会い導入した。自然の砕石を使った環境配慮型の地盤改良は、国交省による六価クロム溶出の指摘、環境省による土壌汚染対策法での規制対象化、不動産鑑定評価基準の見直しを背景に需要が高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来のエコジオ工法は掘削時に排出される残土の処理が必要で、残土処理の手間と費用が課題として残っていた。
  • コスト・採算残土処理が必要なため施工費用の低減が難しく、市場での競争力を高めにくかった。

やったこと

三重大学などとの共同研究により、掘削土砂を排出しないケーシングを開発し、2013年に実用化した。無排土型ケーシングには排土翼がなく、掘削された土砂は地表面に排出されずケーシング周囲に圧縮される。この構造により、無排土型ケーシングを用いた地盤改良工事を市場に提供している。導入前の試験では、粘性土地盤は適するが砂質地盤は圧縮しにくく不適であることが分かった。

その他無排土型ケーシング
その他エコジオ装置(ケーシング・砕石ホッパー)
加工機小型地盤改良機(8トン級)

新しい製品・サービス:無排土型ケーシングを用いたエコジオ工法による地盤改良工事

事業の効果

  • 施工速度 1倍→2倍
  • 改良機の負荷 100%→90%

無排土型での施工により施工性が向上し、工期が短縮された。残土処理が不要になったため施工費用の低減が可能となり、市場での競争力向上が期待される。無排土型による施工は改良工事全体の90%以上を占めるまでになり、地元工務店や設計事務所から高い評価を得ている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の仮設資材レンタルから地盤改良へ展開し新規事業として位置付けられているが、戦略上の明確な位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    粘性土地盤が多い受注エリアと、施工速度2倍・改良機負荷一割減という自社の強みを結びつけて競争力向上を述べている。

  • 課題の認識と解決4

    残土処理の課題を認識し、無排土ケーシングで残土処理不要・施工費低減を実現した具体的な計画になっている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    施工速度が2倍近くなり改良工事の90%以上を無排土型が占めたと実績は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員20人、三重大学や尾鍋組との共同開発・技術支援の記述はあるが、遂行体制の具体的な配置は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    残土を出さない環境配慮型工法として、工務店や設計事務所から高い評価を得ている点が明確に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    公共工事分野への進出を視野に入れると今後の方向は示されているが、スケジュールや課題の解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    砕石による無排土地盤改良という新工法で、無排土型が改良工事全体の90%以上を占めるまでになったと数字で示されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    六価クロム規制や土壌汚染評価の背景から環境配慮型工法の社会的必要性が述べられているが、経済波及や雇用創出は書かれていない。

  • 費用対効果3

    施工速度2倍、改良機負荷一割減、残土処理不要による施工費低減が示されるが、投入補助金額に対する費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献3

    無排土ケーシングの共同開発による新技術で地盤改良の環境配慮に貢献すると読めるが、デジタル技術やサプライチェーンへの言及はない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    土浦市の本社や沿岸部を除く粘性土地盤の多い受注エリアは示されるが、地域経済成長や雇用創出への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

エコジオ工法の良さが浸透してきており、今後はさらなる工法の普及と公共工事分野への進出を目指している。

事業者の声

良いものが必ず売れるわけではないが、良いものには苦労のしがいがある。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。