ものづくり補助金平成28年度建設業山梨県

3次元測量技術と建設機械を組み合わせた新たな手法による事業展開

湯澤工業株式会社

成果3Dレーザースキャナーによる計測は精度7mm以下で行えることが確認できた

この事例のポイント

  • 従来の測量は手作業と測量機器に依存し、出来形不足によるやり直しが工事の進捗とコストに大きな影響を与えていた。
  • 地上式3Dレーザースキャナーとドローンを組み合わせたハイブリッド測量を行うため、3Dレーザースキャナーを導入した。
  • 3Dレーザースキャナーによる計測は精度7mm以下で行えることが確認できた。3次元データを建設機械に取り込んだことで、経験の少ないオペレーターでも掘り過ぎなどのミスをせず安全に施工できるようにな…

事業者のプロフィール

事業者名湯澤工業株式会社
所在地山梨県 南アルプス市
業種総合工事業
技術分野測定計測
従業員数48人
資本金2,000万円
設立1988年

事業の背景

同社は災害対策工事や災害復旧工事など、地域を災害から守る土木工事が大半を占める。国交省事業を中心に、年間20以上の現場を動かしている。一方、公共・民間ともに建設投資は減少の一途をたどり、平成24年度はピーク時(平成4年度)の半分近くまで需要が落ち込んだ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度従来の測量は手作業と測量機器に依存し、出来形不足によるやり直しが工事の進捗とコストに大きな影響を与えていた。
  • コスト・採算従来の工事は測量から丁張作成まで手順が多く、工期の長期化やミスによる手戻りが生じていた。
  • 人手・技能重機の操作には熟練が必要で、経験の少ないオペレーターでは掘り過ぎなどのミスが起きやすかった。

やったこと

地上式3Dレーザースキャナーとドローンを組み合わせたハイブリッド測量を行うため、3Dレーザースキャナーを導入した。ドローンで撮影した画像で、レーザースキャナーでは計測できない立木の裏側などの弱点を補った。検証の結果、3Dレーザースキャナーによる計測は精度7mm以下で行えることを確認し、計測時間は目標の5時間を1時間短縮する約4時間で済んだ。点群データから3次元設計データを作成し、GNSS搭載建設機械に取り込んだ。

検査測定3Dレーザースキャナー
その他ドローン
加工機GNSS搭載建設機械
ソフト3次元測量・設計用専用ソフト

新しい製品・サービス:3Dレーザースキャナーとドローンを組み合わせた3次元データを建設機械に取り込む測量・施工手法

事業の効果

  • 3Dレーザースキャナーによる計測は精度7mm以下で行えることが確認できた
  • 計測時間 5時間→4時間
  • 施工時間 8時間→4時間

3次元データを建設機械に取り込んだことで、経験の少ないオペレーターでも掘り過ぎなどのミスをせず安全に施工できるようになった。従来は縦断測量と横断測量が必要だったが、ハイブリッド測量に置き換えられ、車載モニターでの可視化と建設機械の自動制御により丁張が不要になり、少数の人員で高度な作業が短期間で行えることが実証された。工期短縮やミスのない正確な工事、重機周辺の作業員の安全確保が、今後の生産性向上につながると期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来、建材会社から専門工事、建設業許可取得を経て国交省事業中心へ成長した経緯が書かれ、一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自社受注・施工・リサイクル再利用の強みと、災害対策工事中心の需要構造が示されており、競争優位の根拠が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    測量時間を目標5時間から約4時間へ、施工を従来8時間の半分の約4時間に短縮できたと数字で課題解決効果が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    計測時間の目標5時間を約4時間に短縮、施工8時間→約4時間など具体的目標と検証結果が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員48人、専任の3Dデータ作成社員の存在はうかがえるが、補助事業遂行体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    災害対策工事の正確性・安全性という顧客ニーズと、3次元化による説明性向上など選ばれる理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は測量技術と施工の発展、他業者の3次元化支援への進出を模索と書かれるが、スケジュールや具体的遂行方法は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    3Dレーザースキャナーとドローン、GNSS建機連携の組み合わせは一般に普及途上とうかがえるが、普及度の数値は書かれていない。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用3

    災害対策・復旧工事が地域を守る社会インフラ維持に関わると書かれ、国が補助する理由がある程度読み取れる。

  • 費用対効果4

    工期短縮、手戻り低減、施工時間の半減など費用対効果に関わる数値が示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dレーザースキャナーとドローン、GNSS搭載建機を連携させ、建設現場の3次元管理を実現する先端デジタル活用が具体的に書かれている。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    地域インフラメンテナンスへの軸足移行や3次元化支援ビジネスへの進出が書かれ、構造転換との関連がうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    災害対策を担う地域密着の事業であり地域の安全に寄与すると読めるが、雇用創出や成長への数値は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は3Dレーザースキャナーとドローンを組み合わせた測量技術と、3次元データと建設機械を連携させた施工を発展させる。あわせて技術者を養成し、ほかの土木工事業者の3次元化を支援するビジネス分野へ進出することを模索している。また、施設の維持管理業務への活用も検討している。

事業者の声

3Dレーザースキャナーなどの情報化技術は、若者離れに歯止めのかからない建設業界に安全面からみても非常に有効的なツールです。今後も新しい技術を積極的に取り入れ、開発していくことで若者に興味を持ってもらい、安全に働いてもらえる職場を目指したいです

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。