ものづくり補助金平成26年度建設業千葉県

情報化施工導入によるのり面施工の短期化を目指した体制の構築

株式会社山﨑組

この事例のポイント

  • のり面施工では測量士が計測のため必ず立ち会う必要があるが、測量士が不足している。
  • 設計図面を3次元設計データソフトで3次元化し、のり面の傾斜や角度のデータを作成した。
  • 情報化施工により、施工精度が一定の水準で保たれ、施工精度が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社山﨑組
所在地千葉県 茂原市
業種総合工事業
従業員数20人
資本金2,000万円
設立1985年

事業の背景

切土・盛土のある土地造成や河川整備では、のり面保護工の施工案件が大震災以降増加している。のり面の安定評価には土質ごとの細かな基準があり、土地造成時には国家資格である測量士が計測のため必ず入る必要がある。近年は測量士不足、工賃の高値傾向、資材の高騰が重なっており、会社の売上高は6億8万円(平成28年度)である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能のり面施工では測量士が計測のため必ず立ち会う必要があるが、測量士が不足している。
  • コスト・採算工賃の高値傾向と資材の高騰により、一つの現場で約百万円のコストが増加している。
  • その他建設機械の周辺に人が多くいるため、機械との接触事故や土砂災害といった安全面の課題がある。
  • 納期・工程のり面施工は工期が長く、受注しにくい分野である。

やったこと

設計図面を3次元設計データソフトで3次元化し、のり面の傾斜や角度のデータを作成した。次にGNSS固定局を施工の支障がない場所に設置し、3次元化したデータを建設機械に設置したGNSS 3D-MGシステムに入力した。重機のオペレーターはモニターでデータを確認しながら試験運転を行った。試験運転後、検測用キットで作業精度を確認し、従来工法の測量と比べて差異があるかを検証したところ、差異は見られず問題ないと判断された。

ソフト3次元設計データソフト
その他GNSS固定局
その他GNSS 3D-MGシステム
検査測定検測用キット

新しい製品・サービス:GNSSを活用した情報化施工によるのり面施工サービス

事業の効果

情報化施工により、施工精度が一定の水準で保たれ、施工精度が向上した。オペレーターが作業に集中でき、作業効率も向上した。測量士が不在でも作業を行えるようになり、測量や作業指示の削減により建設機械との接触事故を防ぐ安全性の課題も解決された。施工効率の改善により工期短縮とコスト削減を図れるようになり、元請だけでなく下請での受注も可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    のり面施工の受注拡大と商圏拡大を目指す方針が書かれ、既存の土木事業との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは詳しく書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    のり面施工は工期が長く受注しにくい分野だったが、ITの利活用で受注しやすくなり、下請けも可能になったと書かれている。強みの定量的な裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    測量士不足や資材高騰で一現場約百万円のコスト増、建設機械との接触事故という課題を明示し、GNSS導入で工期短縮とコスト削減を図ると書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    工期短縮やコスト削減とあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    社内体制の構築を強固にすると書かれ、測量士不要で土木作業員一人で施工できる体制が示されているが、人材や事務処理能力の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    のり面施工の受注環境の改善、元請だけでなく下請けでも受注可能になるなど顧客や選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋4

    手順として設計図面の3次元化、固定局設置、機器へのデータ入力、試験運転、検測と段階が明示され、従来工法との精度差も確認されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    のり面施工へのGNSS情報化施工の導入は、同分野での高付加価値化を図る取組として読めるが、普及度や高価格化の数値は書かれていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    大震災以降の施工案件増加や土砂災害の安全性課題に触れているが、波及効果や雇用創出は書かれていない。

  • 費用対効果2

    工期短縮とコスト削減、施工精度の向上に触れるが、補助金投入額に対する効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    GNSS固定局やGNSS 3D-MGシステム、3次元設計データソフトなど先端的なデジタル技術の活用が具体的に記載されている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    ITを利活用した建設施工の取組がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    地域に根差した活動を心がけ、商圏拡大を目指すと書かれているが、地域の経済成長への寄与の具体は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現場と本社・取引先の情報を一元化して管理体制を構築できるようになり、工期が短く少人数で施工できるため受注しやすい環境が整ったことから、商圏の拡大を目指していく。

業種と困りごとが近い成果事例

福島県建設業平成26年度

福島県産造作材の生産計画

油圧ハンドシリンダーとコンセプトモルダーを導入し、県産の八溝杉の良い部分を柾目に重ねて貼り合わせる幅の広い集成材を製作できる環境を整えた。

効果:集成材の加工可能な長さ 2,500ミリ→4,000ミリ

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。