ものづくり補助金平成25年度製造業茨城県

専用精製機導入による笠間粘土及び笠間耐熱粘土の品質の改善

笠間焼協同組合

成果焼成温度 1,250℃→1,200℃

この事例のポイント

  • 笠間粘土の精製機器が約20年で老朽化し、機内のさびなどの不純物が混入して粘土の質が不安定になっていた。
  • ステンレス製の真空土練機を導入した。
  • 焼成温度 1,250℃→1,200℃。ステンレス製真空土練機の導入で粘土の純度と品質が安定し、空気抜きの不良による焼成時の爆発リスクが減った。

事業者のプロフィール

事業者名笠間焼協同組合
所在地茨城県 笠間市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野材料製造プロセス
資本金3,370万円
設立1996年

事業の背景

笠間焼は江戸時代の安永年間に誕生し、地元の土を用いて生産されてきた。第二次世界大戦後はプラスチック製品の普及で需要が低下した。現在は笠間の土の色や鉄分の多さから機械での大量生産に向かず、笠間の土で作る窯元は減っていた。笠間焼協同組合は1996年に発足し、純笠間焼を代表する焼き物にするため笠間粘土の精製に取り組んだ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度笠間粘土の精製機器が約20年で老朽化し、機内のさびなどの不純物が混入して粘土の質が不安定になっていた。
  • 品質・精度粘土から空気を抜く最終工程で100%真空にならず、空気が残った土で作陶すると焼成時に窯の中で爆発する問題があった。
  • 生産能力純笠間焼の焼成には1,250℃が必要で、燃料費や環境負荷がかかっていた。

やったこと

ステンレス製の真空土練機を導入した。この機械はステンレス製の羽根状の部品を回転させ、粘土を練りながら空気を抜いていく。これにより不純物の混入が減り、安定して上質な笠間粘土を精製できるようになった。笠間粘土は100%笠間の土から作るものと、副原料を配合した量産化対応のブレンド土の2種類を精製する。

加工機ステンレス製真空土練機

新しい製品・サービス:純笠間焼および耐熱陶器「笠間火器」向けの粘土

事業の効果

  • 焼成温度 1,250℃→1,200℃

ステンレス製真空土練機の導入で粘土の純度と品質が安定し、空気抜きの不良による焼成時の爆発リスクが減った。焼成温度の低下により燃料費と環境負荷が減った。純笠間焼や笠間火器向けの安定した粘土供給が可能になり、高まる笠間土の需要に対応できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    1996年発足の組合が笠間粘土の精製を事業の一つに位置づけたとあるが、経営戦略としての明確な位置づけは読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    笠間土が鉄分を多く含み機械大量生産に向かない難点や、高まる笠間土の需要に対応とあり、強みと外部需要に触れるが具体性は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    精製機の老朽化で真空不足や割れの問題が生じたと課題を具体的に示し、真空土練機導入で解決した流れが書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    焼成温度1,250℃から1,200℃への低下や燃料費削減に触れるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    純笠間焼の軽く薄い特徴、笠間火器の耐熱陶器としての注目など、製品価値と用途が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    導入後に量産向けブレンド土と酸化・還元焼成の2種を精製すると書かれるが、スケジュールや課題解決方法は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    笠間焼が一般的な普及に苦しむ中、笠間土のみで焼く純笠間焼を代表的焼き物にする取り組みとして、希少性と独自性が示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    笠間焼の伝統とブランド化、海外への発信に触れるが、雇用創出や波及効果の数値はなく、国が補助する理由は薄い。

  • 費用対効果3

    焼成温度の削減による燃料費削減と破損率の低下は示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    真空土練機の導入という設備の話はあるが、先端デジタル技術や新ビジネスモデルは読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    笠間の土と地元の窯元200以上という地域資源を活かし、笠間焼のブランド化で地域の経済成長に寄与する点が書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

笠間粘土を地元だけでなく全国や海外へ広め、笠間焼と笠間の名を知ってもらう取り組みを続ける方針。

事業者の声

多彩で自由な作陶ができるという風土も残しながら、扱いやすく、安定して供給できるようになった粘土で、もっと多くの人に、純笠間焼と笠間のブランド陶器である笠間火器に取り組んでもらいたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。