ものづくり補助金平成25年度製造業福島県

大型ロータリー研磨機導入による大型製品対応の研磨技術の確立

株式会社アルテッツ

成果生産数(平面研削盤比) 1倍→6倍

この事例のポイント

  • 大型石英ガラスの平面研削加工では、近年の短納期対応に応えることが難しくなっており、生産性の向上が求められていた。
  • 生産性の向上が見込まれる大型ロータリー研削盤を導入した。
  • 生産数(平面研削盤比) 1倍→6倍。大型ロータリー研削盤の導入により生産数が平面研削盤の6倍となり、当初目標の4倍程度を上回った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アルテッツ
所在地福島県 福島市
業種窯業・土石製品製造業
従業員数49人
資本金3,000万円
設立1999年

事業の背景

当社は半導体製造装置や液晶ディスプレイ用フォトマスクに使用される石英ガラス品などの高精度な研削加工を行っている。大型ガラスの厚み出し研削は平面研削盤による加工が一般的だが、近年は短納期対応が求められ、この加工機での対応が難しくなってきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大型石英ガラスの平面研削加工では、近年の短納期対応に応えることが難しくなっており、生産性の向上が求められていた。
  • 生産能力大型ロータリー研削盤は生産性が見込めるものの、製品の取り出し方法や機構上の品質問題などの課題をクリアする必要があった。
  • 品質・精度高額な特殊素材のため、限られた材料での検証には苦労が見込まれた。

やったこと

生産性の向上が見込まれる大型ロータリー研削盤を導入した。大型石英ガラスを真上から簡単にセットできる平面研削盤とは異なり、横からスライドさせてセットする必要があったため、セット治具を改良して問題を解消した。ロータリー研削盤は研削面積が広く加工時間短縮に有効だが、設備や製品が大型化すると回転テーブルへの負荷が大きくなり品質が安定しにくいため、テーブル回転数や砥石選定を一から見直した。様々な条件の組み合わせにより加工条件を改善し、顧客の品質承認を得た。中型ロータリー研削盤で蓄積した技術データとノウハウを活用した。

加工機大型ロータリー研削盤

事業の効果

  • 生産数(平面研削盤比) 1倍→6倍

大型ロータリー研削盤の導入により生産数が平面研削盤の6倍となり、当初目標の4倍程度を上回った。短納期対応という顧客満足に応えられるようになり、受注量も増加した。工場工数にも余裕が生まれ、工場全体の品質向上にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    中型ロータリー研削盤の保有と長年の技術データ蓄積を背景に導入したと書かれ、過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    半導体市場の国際競争の熾烈さに触れ、中型機の技術蓄積を活かすとあるが、強みの定量的な比較は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    「短納期対応」が難しくなっている課題を認識し、生産性向上で解決したと具体的に書かれ、実効性がうかがえる。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    導入計画時点で従来比4倍程度を目標とし、結果として平面研削盤比6倍の生産数と数字で目標達成が示されている。

  • 事業を進める体制3

    セット治具の改良や加工条件の見直しを社員一丸で行ったと書かれ、体制は読み取れるが人材や事務体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    半導体製造装置やフォトマスク向け石英ガラス加工という顧客と用途が具体的で、短納期対応が選ばれる理由として示されている。

  • 事業化までの道筋4

    段取り方法の改善、加工条件の見直し、顧客承認取得という課題と解決手順が順序立てて書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    大型石英ガラスの厚み出し研削を大型ロータリー研削盤で行い、一般的な平面研削盤の加工と異なる高付加価値な対応として書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    半導体業界や国内メーカーの生産活動への寄与、情報発信への言及はあるが、雇用創出や波及効果の数字は示されていない。

  • 費用対効果4

    生産数が従来比6倍となり受注量も増加したと数字で示されており、投入額に対する効果が読み取れるが、費用額の記載はない。

  • イノベーションへの貢献2

    電力の省力化など環境配慮に触れるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献の具体は記載されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    半導体市場やIoT市場の成長に触れ、国内メーカーへの寄与を述べているが、構造転換への言及は具体性が薄い。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

世界のIoT市場は今後も成長し続けると見込まれ、半導体市場では台湾・韓国・中国などアジア諸外国との競争が熾烈で脅威となっている。導入した設備と技術を半導体業界のみならず様々な分野の国内メーカーの生産活動に寄与できるよう情報発信していく。また電力の省力化など環境にも優しいものづくりの実現を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。