ものづくり補助金平成25年度製造業茨城県

スターリング機関オンサイト・バイオマス発電用の小型流動床燃焼炉開発

アドミエクスコADMIEXCOエンジン設計株式会社

この事例のポイント

  • 大規模なバイオマス発電は燃料の輸送費がコストの多くを占める。
  • 小型流動床燃焼炉とロータリーキルン熱分解炉を組み合わせ、送風量を制御する小型バイオマス燃焼炉の試作機を製造した。
  • 目標としていた炉内温度を達成し、木材を安定して燃焼させる制御方式を確認した。

事業者のプロフィール

事業者名アドミエクスコADMIEXCOエンジン設計株式会社
所在地茨城県 つくば市
業種はん用機械器具製造業
技術分野機械制御
従業員数3人
資本金900万円
設立2014年

事業の背景

2014年創業の新進のベンチャー企業で、スターリングエンジンの設計・製造を行っている。大規模なバイオマス発電は燃料の大量輸送が必要になる。全国屈指の農産物生産量を誇る茨城県では農業廃棄物の利用も見込めるため、発生現場に小規模な発電設備を置く小型分散方式が注目されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算大規模なバイオマス発電は燃料の輸送費がコストの多くを占める。
  • コスト・採算5,000キロワット級の発電所は1日100トンもの木材を必要とし、燃料の確保と輸送にコストがかかる。
  • 品質・精度小型炉でもダイオキシン類対策特別措置法により800℃以上の保持が求められるが、燃焼温度がなかなか上昇しなかった。

やったこと

小型流動床燃焼炉とロータリーキルン熱分解炉を組み合わせ、送風量を制御する小型バイオマス燃焼炉の試作機を製造した。実用に近い条件で運転評価試験を行い、木材を安定かつクリーンに燃焼させるための燃焼炉の制御方式を開発し、確認した。当初は燃焼温度が上がりにくかったが、散気管による酸素供給量を工夫して830℃の燃焼温度を達成した。

新しい製品・サービス:小型分散式バイオマス発電のための送風量制御式の小型流動床燃焼炉

事業の効果

目標としていた炉内温度を達成し、木材を安定して燃焼させる制御方式を確認した。現在は土浦市の実証実験場で試作機の燃焼実験を行っており、自治体や一般企業からの見学希望が相次いでいる。養鶏所への展開も進んでおり、畜産廃棄物の処理や輸送コストの削減が見込まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    2014年創業のスターリング機関設計企業が、小型分散式バイオマス発電の開発に取り組んだと書かれており、事業との関連は読めるが過去の取組との連続性は具体的でない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    輸送費が発電コストの多くを占める点や茨城県の農産物生産量に触れ、外部環境は示されているが、自社の強みとの対比は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    輸送コストという課題に対し、燃焼炉の小型流動床化と小型分散方式で解決を図る計画が示され、今後の熱交換器多段化の課題も挙げられている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    炉内温度830℃を達成し、2020年までに年間1万キロワット分の設置を目指すと目標が数字で示されているが、付加価値や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数3人、資本金900万円と記載があるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の具体的な説明はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    離島や開発途上国の無電化地域、養鶏所など顧客ターゲットと用途が具体的に示され、夜間や気候に左右されない点が選ばれる理由として読める。

  • 事業化までの道筋3

    熱交換器を多段にする今後の方針と、2020年までの設置目標が示されているが、スケジュールや課題解決の具体的な遂行方法は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    小型分散式のスターリング機関バイオマス発電は普及が少ない分野で、小型炉で800℃以上を保つ要件への対応も書かれ、新市場性が読める。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    離島や途上国の無電化地域、廃棄物処理への期待、インドネシアでのJICA協力など、国が支援する社会的意義が具体的に記載されている。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値額や生産性向上を示す数字は書かれておらず、費用対効果は読み取りにくい。

  • イノベーションへの貢献3

    オンサイトでの小型分散発電と養鶏所での廃棄物処理・コジェネレーションの構想が示され、地域イノベーションへの貢献がうかがえる。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    再生可能エネルギーへの注目やエネルギー選択肢の拡大に触れているが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及4

    茨城県の農産物生産量と農業廃棄物の利用が見込めることを挙げ、地域の特性を活かした事業であることが具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

熱交換器を多段にするなど、熱交換の効率を高める熱回収方法を試す予定である。設計を標準化して量産化を図り、2020年までに年間1万キロワット分の小型分散式バイオマス発電の設置を目指す。インドネシアではJICAの活動に協力し、海外市場への進出の一歩を踏み出している。

事業者の声

100年以上前から存在し、廃れたと思われていたスターリングエンジンを、最新技術で今の時代に必要とされる機関に作り直した。「大型発電だけに集中すると、世界は硬直してしまいます。エネルギーを小型分散し、選択肢を広げることも、われわれのミッションだと思っています」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。