ものづくり補助金平成25年度製造業栃木県

高透過性・高耐傷性示す新たな保護膜を量産する為の装置の開発計画

有限会社小貫光学工業所

成果ウォーミング時間 60分→20分

この事例のポイント

  • カメラ向けレンズ部品の加工を主とし、単一の光学業界に依存しているため、世界的イベントの時期や市場の動きで生産量が左右され、カメラ業界全体の売上も年々減少している。
  • 量産性の高い複数の真空槽を持つ連続型の真空成膜装置を開発し、製造コストを下げることを目指した。
  • ウォーミング時間 60分→20分。ターボ分子ポンプの導入により、拡散ポンプに比べてウォーミング時間が大幅に短縮され、停止状態から通常運転までの所要時間も…

事業者のプロフィール

事業者名有限会社小貫光学工業所
所在地栃木県
業種業務用機械器具製造業
技術分野表面処理

事業の背景

当社は現在カメラ向けレンズ部品の加工を行う製造業を主としており、属する光学業界は、オリンピックやワールドカップなど世界的イベントの開催時期に生産量が左右される。スマートフォンの普及とカメラ性能の向上により、カメラ業界全体の売上は年々減少しているのが現状である。1つの業界に依存する体制から、優れた価値を付与する分野で勝負する体制へ移行するため、数年前から技術分野の開発を進めてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑カメラ向けレンズ部品の加工を主とし、単一の光学業界に依存しているため、世界的イベントの時期や市場の動きで生産量が左右され、カメラ業界全体の売上も年々減少している。
  • コスト・採算開発した高耐傷性・高透過性の新保護膜は性能の評価は高いが、既存装置での製造単価が高く、検討試作段階までしか進めなかった。
  • 生産能力既存のレンズ用成膜装置では量産に対応できず、量産性の高い連続型の真空成膜装置が必要だった。
  • コスト・採算既存の油拡散ポンプは、オイル加熱の電気代が高く、冷却不足によるオイルの逆流で装置内を汚染し、内圧上昇時にはポンプが爆発する危険があった。

やったこと

量産性の高い複数の真空槽を持つ連続型の真空成膜装置を開発し、製造コストを下げることを目指した。既存のレンズ用成膜装置と対になるチラーを選定・導入し、必要十分な冷却能力とタンク容量を確保した。メインポンプには、既存の油拡散ポンプに代えて磁気浮上式ターボ分子ポンプを採用し、停電時も回生電力でタービンを安全かつ自動的に停止させられるようにした。装置組立後の排気テスト、成膜テストで問題なく稼働し、装置内部圧力は1.6×10^-6Paまで到達した。ステンレス片(SUS304製)に前処理を行った上でチタン成膜(1μm)を施し、旧JISのクロスカット試験(1mm間隔、10×10マス、テープ幅18mm)で評価したところ、1マスの剥がれもなく密着性を確保できた。

その他チラー
その他ターボ分子ポンプ
その他DC電源

新しい製品・サービス:高透過性・高耐傷性を示す新たな保護膜

事業の効果

  • ウォーミング時間 60分→20分

ターボ分子ポンプの導入により、拡散ポンプに比べてウォーミング時間が大幅に短縮され、停止状態から通常運転までの所要時間も短くなった。装置組立から試作成膜期間内の運転で、装置内の複数の熱源を適切に冷却できることが確認された。装置が真空槽として必要十分な密閉性を備えていることも確認され、1.6×10^-6Paの到達圧力が得られた。チタン成膜の密着性も確保でき、クリーンアップを目指した装置が完成した。

今後の展望

本事業で設定した、低コストかつある程度の期間で連続成膜装置を作り上げるという目標は達成し、装置は無事に完成した。しかし、新保護膜の量産転用の企画はストップしてしまった。現在は窒化チタンなど、基板材料の性能を高める金属成膜の分野にチャレンジしており、光学業界への依存度を下げるきっかけとなることに期待している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。