ものづくり補助金平成25年度製造業東京都

義肢装具における金属パーツの品質を向上させるための製造方法の開発

株式会社小原工業

成果加工工程の効率 1倍→6倍

この事例のポイント

  • 従来は汎用マシンで金属を加工しており、熟練した技術が求められ、数年単位の訓練が必要だった。
  • 山崎技研のNC工作機械YZ-8WRを導入し、人による品質のばらつきをなくして精度・審美性・生産性を高めた。
  • 加工工程の効率 1倍→6倍。NC工作機械の導入により、職人の勘に頼っていた加工精度を高精度化・均一化できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社小原工業
所在地東京都 東京都世田谷区
業種その他の製造業
技術分野精密加工,測定計測
従業員数19人
資本金2,000万円
設立1946年

事業の背景

当社は昭和21年の設立で、傷痍軍人の思いを引き継ぎ、ユーザーが使う限り古い製品も修理し続けてきた。義肢装具の金属パーツは厚生労働省のJIS規格で価格が定められ、約30年前の価格のまま現在も取引されている。国内で同様の商品を製造する企業は当社の他に1社のみである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能従来は汎用マシンで金属を加工しており、熟練した技術が求められ、数年単位の訓練が必要だった。
  • 品質・精度職人の経験による勘に頼っており、人による品質のばらつきが生じていた。
  • 生産能力金属パーツの研磨などの工程に多くの手間がかかり、効率化が課題だった。

やったこと

山崎技研のNC工作機械YZ-8WRを導入し、人による品質のばらつきをなくして精度・審美性・生産性を高めた。若い人や女性でも加工できるようにした。従来は図面類がなかったが、NC工作機械の導入によりプログラムを組むようになり、社内の規格整備を進めている。何か不具合が起きた際に原因を正しく追求するため、ミツトヨの投影機PJ-A3010F-200も導入した。

加工機NC工作機械 YZ-8WR(山崎技研)
検査測定投影機 PJ-A3010F-200(ミツトヨ)

新しい製品・サービス:義肢用金属パーツの高精度・均一化製造方法

事業の効果

  • 加工工程の効率 1倍→6倍

NC工作機械の導入により、職人の勘に頼っていた加工精度を高精度化・均一化できた。審美性と生産性も向上し、若い人や女性でも加工できるようになった。研磨などの工程では1回で最大6個を削れるため、従来比6倍の効率化を実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の修理を続ける設立以来の精神や義肢金属パーツの取引実績は読めるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内で同様製品を作る企業は他1社のみ、海外評価が高いと書かれ強みはうかがえるが、市場動向との関係は具体的に述べられていない。

  • 課題の認識と解決4

    熟練技術の必要性と職人の勘への依存という課題を認識し、NC導入で加工工程を従来比6倍に効率化したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    従来比6倍の効率化など数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の根拠も薄い。

  • 事業を進める体制3

    数年単位の訓練が必要だった作業を若い人や女性でも加工できるようにしたと体制面は読めるが、事務処理能力は記載がない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    身体障がい者の安全で快適な使用と100点以上の種類、年間約1,300個の納品など顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に読める。

  • 事業化までの道筋3

    手作業と工作機械で効率化できる部分を整理し、規格整備を進めるとあるが、スケジュールや中長期の検証内容は明確でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    国内で同様製品を製造するのは他1社のみで、従来の汎用加工から高精度NC加工へ移行し品質の高水準化を図っている点が読める。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    国産義肢を支える数少ない企業で身体障がい者の安全に貢献すると述べられるが、波及効果や雇用創出の数値は書かれていない。

  • 費用対効果3

    効率化の倍率は示されるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の具体的数字は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    NC工作機械やプログラム化は読めるが、先端デジタル技術の活用や新ビジネスモデルによるサプライチェーン貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    全国約700か所の義肢製作所へ納品し海外輸出もしており地域経済への寄与は読めるが、地域特性を活かした記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現在、義肢用の金属パーツを年間約1,300個納品しており、100点以上の種類がある。糖尿病などの内科系の原因から義肢を必要とする症例が増えており、ニーズは減っていない。当社の鍛造技術によるメイド・イン・ジャパンは海外でも評価が高く、中国、韓国、ロシア等への輸出も行っている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。