ものづくり補助金平成28年度製造業京都府

足底装具の生産プロセス自動化による生産性向上と、中国東南アジア市場獲得

日本フットケアサービス株式会社

成果工程1から工程3までの作業時間 90分→30分

この事例のポイント

  • 手作業が多く生産効率が悪いため、生産プロセスを改善する必要があった。
  • 足底専用3Dスキャナーを導入し、印象材による型取りを不要とした。
  • 工程1から工程3までの作業時間 90分→30分。工程1から工程3の作業時間が大幅に短縮され、人員配置と効率化により生産量が3倍になり、現在は120足までの生産体制を構…

事業者のプロフィール

事業者名日本フットケアサービス株式会社
所在地京都府 京都市
業種その他の製造業
技術分野精密加工
従業員数70人
資本金1億円
設立2006年

事業の背景

平成18年創業の会社で、下肢を中心とした装具と義肢を製作し、最近はパフォーマンスアップのためのスポーツインソールに注力している。主に整形外科・形成外科など医療機関や販売店を取引先とし、製作数の9割は整形外科・形成外科またはパフォーマンスアップ用のインソールが占める。糖尿病の患者数は日本・中国・東南アジア諸国で1億5320万人に達しているが、フットケアやデバイス提供の体制整備は遅れており、専門的技術や信頼に足るデバイス提供へのニーズが年々高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力手作業が多く生産効率が悪いため、生産プロセスを改善する必要があった。
  • 人手・技能最重要工程である雄型の修正は熟練作業員しか手掛けられず、1日の生産は作業員3名で上限30足にとどまっていた。
  • 生産能力国内外で増加するデバイスの需要に応えるため、量産体制を構築する必要があった。

やったこと

足底専用3Dスキャナーを導入し、印象材による型取りを不要とした。スキャンデータをそのまま雄の粗型データとして使うため、雌型から雄型への反転作業もなくした。最終雄型は3D造形加工機(NC加工機)で、独自プログラムによる修正を経て自動で切削し、板状母材から一度に大量の型を削り出せるようにした。当初は母材の硬度が高く削り出しに想定以上の時間がかかったため母材を見直し、現在は5分で削り出せる。

検査測定足底専用3Dスキャナー
加工機3D造形加工機(NC加工機)

事業の効果

  • 工程1から工程3までの作業時間 90分→30分
  • 1日の生産量 30足→120足
  • 印象材による型取り時間 20分→5分
  • 削り出し時間 20分→5分

工程1から工程3の作業時間が大幅に短縮され、人員配置と効率化により生産量が3倍になり、現在は120足までの生産体制を構築した。同時にコストダウンも図れた。足裏専用3Dスキャナーの開発により遠方との商談が可能になり、日本全国に加え海外へも提供エリアを広げる計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    手作業中心の生産からNC加工機導入へ至る経緯は読み取れるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内外の需要増加と、独自の雄型生成ノウハウという自社の強みを踏まえて設備導入した点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    工程1から3の作業時間を90分から30分以内に短縮し、生産量を30足から90足、現在120足へと3倍以上に増やした数字が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産量を30足から120足へ増やし、コストダウンも図ったと成果が示されており、実績に基づく目標達成の見込みが読み取れる。

  • 事業を進める体制3

    社員一丸で試作と失敗を重ねて機械操作を習得したとあるが、人材体制や事務処理能力の具体的な確保状況は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    長年の臨床経験と提携先のノウハウを強みとし、医療機関や販売店向けにカスタムインソールを提供する顧客像が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    母材見直しや改善を重ねて削り出し時間を20分から5分へ短縮した経緯があるが、中長期の課題検証や今後のスケジュールは限定的である。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    足の雄型を数値化して自動化する独自のコア技術を持ち、治療効果や顧客満足を高める高付加価値のインソールを製作している点が読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    国内外の需要に応える体制づくりや海外展開の計画がうかがえるが、経済波及効果や社会インフラとしての国の支援理由は示されていない。

  • 費用対効果4

    作業時間の短縮、生産量の3倍化、コストダウンという成果が数字で示され、投入額に対する効果が読み取れる。ただし投入額は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    独自の足裏専用3Dスキャナーの開発で遠方との商談が可能になったとあり、デジタル技術の活用が読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    糖尿病患者の増加に伴う需要拡大への対応がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は明確でない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

カスタムメイドインソールを医療機関、企業、販売店を通じて提供していく。スポーツインソールの需要増に対応するため窓口企業を募り協業して供給体制を強化する。海外事業はコロナ禍で速度を緩めているが、商圏を広げ海外市場を獲得する計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。