ものづくり補助金平成25年度製造業東京都

自動化による超音波手術器先端チップ製造プロセスのさらなる高度化

株式会社高山医療機械製作所

成果時間あたり生産能力 1倍→7倍

この事例のポイント

  • 超音波手術器先端チップの需要拡大に応えるため、製造プロセスを省力化・短時間化して生産能力を増やす必要があった。
  • B軸付スイス型ターニングセンター(ドイツINDEX TRAUB社製TNL-187B)を導入した。
  • 時間あたり生産能力 1倍→7倍。旋盤工程と深穴工程を1工程にまとめたことで作業時間が大幅に短縮され、時間あたりの生産能力は7倍になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社高山医療機械製作所
所在地東京都 台東区
業種業務用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数30人
資本金1,000万円
設立1905年

事業の背景

1905年(明治38年)の創業以来、外科メスや手術器具の製造を手がけ、脳神経外科の手術器具開発で実績を積んできた。上山式マイクロ剪刃は国内の脳神経外科の9割以上に納入実績がある。超音波手術器先端チップの開発・製造を始め、世界的なメーカーへと成長した一方、市場からは生産能力の拡張を求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力超音波手術器先端チップの需要拡大に応えるため、製造プロセスを省力化・短時間化して生産能力を増やす必要があった。
  • 生産能力市場から生産能力の拡張を求められていた。
  • 品質・精度切削速度や研磨精度、段取り全般の効率化など、さらなる加工要求を以前の国産工作機械では実現しにくかった。

やったこと

B軸付スイス型ターニングセンター(ドイツINDEX TRAUB社製TNL-187B)を導入した。加工が難しい64チタン合金を主な素材とするため、旋盤工程と深穴工程を1つの工程にまとめ、作業時間を大幅に短縮した。その結果、時間あたりの生産能力は7倍になり、工場内をほぼ無人で稼働できるようになった。精度も向上し、厳しい欧米の品質基準をこれまで以上に満たせる体制が整った。

加工機B軸付スイス型ターニングセンター INDEX TRAUB社製 TNL-187B

事業の効果

  • 時間あたり生産能力 1倍→7倍

旋盤工程と深穴工程を1工程にまとめたことで作業時間が大幅に短縮され、時間あたりの生産能力は7倍になった。工場をほぼ無人で稼働できるようになり、省人化にもつながった。精度向上により厳しい欧米の品質基準を満たせる体制が整い、品質面の信頼も高まった。超音波手術器先端チップの生産能力を拡張し、世界的な需要に応える基盤ができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    脳神経外科の手術器具開発の蓄積から超音波手術器先端チップ製造へ進み、上山式マイクロ剪刃は国内脳神経外科の9割以上に納入と具体的に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    北米93カ所中70カ所以上に納入、全世界35カ国へ輸出、米大手メーカーのグローバルサプライヤー認定と、市場での強みが数字で示されている。

  • 課題の認識と解決4

    市場から生産能力の拡張を求められている課題に対し、旋盤と深穴工程の統合で生産能力7倍とする具体的な改善策が書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    時間あたりの生産能力が7倍に飛躍、工場をほぼ無人稼働と数値目標に近い実績が示されているが、賃上げや付加価値額の目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    設置から立ち上げを想定の半分以下の日数で本格稼働できたとあり体制の一端はうかがえるが、人材や事務処理体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医師からの手術時間が3分の2になったという評価や、世界の脳外科施設への納入実績が示され、選ばれる理由は具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    工作機械の導入と設置立ち上げの経緯は書かれているが、中長期の遂行スケジュールや課題解決の方法は明示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    超音波手術器先端チップは高度な医療器具で、64チタン合金の難加工に対応し厳しい欧米品質基準を満たす高水準の製品と読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    手術時間短縮や患者負担軽減、世界の医療機器需要への対応が書かれ公益性はうかがえるが、経済波及や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果4

    生産能力7倍、時間短縮、ほぼ無人稼働という効率向上の数字が示され、投入に対する生産性向上の効果が具体的に読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    5軸制御機械やB軸付スイス型ターニングセンターの導入は読み取れるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は記述が少ない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療機器の高度化という成長分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとする記述は見当たらない。

  • 地域経済への波及2

    東京都台東区・荒川区での事業と世界的メーカーへの成長は書かれるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

医療器具の技術向上への世界的な期待に応え続ける方針である。超音波手術器先端チップはアメリカの大手医療器具メーカーからグローバルサプライヤーに認定され、今後はこの会社を通して世界に供給される予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。