ものづくり補助金平成25年度情報通信業神奈川県

独自解析技術とソフトで最大20%の省エネ航海ルート情報提供の事業化

株式会社アース・ウェザー

この事例のポイント

  • 波・風・海流などの抵抗が船速にどれくらい影響するかを正確に予測できず、航路の判断が勘と経験に頼っていた。
  • 研究に使用している設備を更新し、地球観測衛星(米航空宇宙局などの機関)の地球環境情報を受信して海流を算出するための設備投資を行った。
  • 独自の解析技術とソフトにより、最大20%の省エネとなる航海ルート情報の提供を事業化した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アース・ウェザー
所在地神奈川県
業種情報サービス業

事業の背景

当社はかつて気象情報の提供を主力事業としていた。大手船舶会社から、地球環境や省エネに配慮した取り組みができないかと相談を受けたことが、地球観測衛星の解析技術の研究を始めるきっかけになった。長年にわたり東海大学と共同で研究を重ねてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度波・風・海流などの抵抗が船速にどれくらい影響するかを正確に予測できず、航路の判断が勘と経験に頼っていた。
  • コスト・採算予測が外れて条件の悪い航路で運航すると燃料の消費量が膨らみ、コストが増えていた。
  • 新製品・新技術かつて主力だった気象情報の提供に加え、地球環境や省エネに配慮した新しい事業の柱が必要になっていた。

やったこと

研究に使用している設備を更新し、地球観測衛星(米航空宇宙局などの機関)の地球環境情報を受信して海流を算出するための設備投資を行った。収集した大量のデータからシミュレーションする解析システムも導入した。衛星の情報解析技術を融合して航路を導き出す「オーシャンナビ システム」を開発した。

ソフト海流算出用の解析システム(シミュレーションソフト)

新しい製品・サービス:オーシャンナビ システム

事業の効果

独自の解析技術とソフトにより、最大20%の省エネとなる航海ルート情報の提供を事業化した。航海のコストや環境負荷を低減できるうえ、航海の安全性確保にも貢献する。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    気象情報提供が主力だった事業から、東海大学と年単位で続けた衛星解析研究を経て省エネ航路情報へ展開しており、一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    独自の解析技術とソフトで最大20%の省エネ航路情報を提供し、大手船舶会社との商談を機に事業化している点が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    ベテラン船長の勘と経験による航路決定で燃料消費が膨らむという課題を挙げ、解析による航路提供で解決する計画が読み取れる。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    最大20%の省エネという数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    東海大学との共同研究や研究設備の更新は書かれているが、人材や事務体制の記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大手船舶会社からの相談を端緒に、ベテラン船長の勘に頼る航路決定の代替という顧客ニーズが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    研究期間は年以上とあるが、事業化の具体的なスケジュールや課題解決の方法までは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    衛星解析による航路情報という分野はニッチと読めるが、普及度や高価格化に触れた記述は薄い。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    航海のコストや環境負荷の低減、航海の安全性確保への貢献が書かれ社会的意義はうかがえるが、経済波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    最大20%の省エネという効果は示されているが、補助金投入額や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    地球観測衛星の情報とNASAなどの機関データを融合し、シミュレーション解析を導入するなど先端的なデジタル技術の活用が書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    気象情報中心から地球環境・省エネ分野へ進出する転換が書かれ、海運の燃料効率改善に資する点がうかがえる。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

神奈川県情報通信業平成26年度

サーマルカメラシステムの開発

大手メーカーから入手した赤外線イメージセンサを用い、IoT・ウェアラブルに対応した安価な小型サーマルカメラを製品化した。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。