ものづくり補助金平成25年度製造業富山県

車載用省エネウォームシートの開発

北陸エステアール協同組合

成果幅約57cm、長さ約180cm、厚さ約3mmのシート

この事例のポイント

  • 長距離トラックのドライバー向けの車載用ウォームシートを、炭素繊維ネットを使って開発する必要があった。
  • 炭素繊維とポリエステル繊維を絡めたネットの編立技術を確立し、特許を取得した。
  • 幅約57cm、長さ約180cm、厚さ約3mmのシート。従来製品が抱えていた重量や収納性の問題を解消し、高い省電力性能を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名北陸エステアール協同組合
所在地富山県 小矢部市
業種繊維工業
技術分野製造環境
従業員数20人
資本金1.21億円
設立1976年

事業の背景

当組合は、女性用インナー素材とインナーなど二次製品の企画・製造・卸売を主な事業とし、組合員7社で分担して生産する体制をとっている。生地・二次製品が売上の9割以上を占める。これに加えて、編立の技術を活かし、産業資材の製造・販売にも進出している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術長距離トラックのドライバー向けの車載用ウォームシートを、炭素繊維ネットを使って開発する必要があった。
  • コスト・採算従来の電熱式マットは価格が高く、壊れやすく、重く、収納性も悪いという課題があった。
  • 品質・精度電極となる銅糸と炭素繊維ネットの密着が不十分だと電力を浪費する恐れがあった。
  • 品質・精度飲食などで使用する際に水濡れによるショートなどの漏電が起きないよう対策が必要だった。

やったこと

炭素繊維とポリエステル繊維を絡めたネットの編立技術を確立し、特許を取得した。長距離トラックの後部の寝台向けにリサーチを重ね、炭素繊維ネットを使ったウォームシートを開発した。電極は銅糸に銅箔を縫い付けて密着させ、留め方はミシンによる縫い付けとした。漏電対策として外側に接水性生地を採用し、銅箔部分を含むネット全体をプラスチック製シートでプレスして覆い、水分の浸入を防いだ。試作はアパレル事業で使う小型の熱接着プレス機で行い、その後専用の大型プレス機を導入した。新潟県の運送会社に4ヶ月の商品モニターを依頼し、電源コードの位置などの指摘を受けて改良した。

  • 加工機熱接着プレス機専用の大型プレス機

新しい製品・サービス:炭素繊維ネットを使った車載用省エネウォームシート。幅約57cm、長さ約180cm、厚さ約3mmで、DC24V電源に対応する。

事業の効果

  • 幅約57cm、長さ約180cm、厚さ約3mmのシート
  • JISで最も厳しい基準での屈曲テストを1,000回行った

従来製品が抱えていた重量や収納性の問題を解消し、高い省電力性能を実現した。エンジンを停止したままACCポジションで長時間使用できる。JISで最も厳しい基準の屈曲テストを1,000回行い、通常使用での繊維断線はまずないとの保証を得た。開発の過程で別の製品の可能性も見出し、今後は炭素繊維ネットの軽さと形状の自由度を生かし家庭用電源対応の温熱座布団や腰痛用ベルトなども開発する予定である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の編立技術を活用して炭素繊維ネットの特許を取得し、産業資材への進出を経て車載用ウォームシートに展開した流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    従来の鉄板入り電熱マットの価格の高さや重さ、収納性の悪さという課題に対し、遠赤外線効果と耐久性の優位性を示しており、競争優位の方向性は読み取れる。ただし市場規模などの数字はない。

  • 課題の認識と解決3

    従来製品の課題(価格、破れやすさ、重量、収納性)を認識し、重量や収納性の改善を実現したと書かれているが、事業計画としての成長性や売上目標は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員20人、7社でのグループ生産体制や4ヶ月のモニター依頼などからうかがえるが、補助事業を遂行する体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    長距離トラックドライバー向けに、重量・収納性の改善、DC24V対応、ACCポジションでの長時間使用、1,000回の屈曲テストなど具体的な特長と対象顧客が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作、モニター、電源コード位置などの改良、安全装置配置変更、バッテリー監視ユニット追加など今後の改良方針は示されているが、スケジュールは明確でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来の電熱式マットと比べ、炭素繊維ネットを用いた遠赤外線効果と耐久性を備えた点が示され、同分野の中で高付加価値化を図る製品と読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    トラックドライバーの睡眠環境改善という用途はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    開発費や設備費の補助を受けたことは書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    炭素繊維ネットと特許技術の活用はうかがえるが、サプライチェーンや地域イノベーションへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    北陸の小矢部市に立地する事業者であることはわかるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済への効果は書かれていない。

今後の展望

従来製品にない優位性を広くPRし、積極的に商品展開する。安全装置の配置変更や、一定の電力消費量に達すると電力供給を自動カットするバッテリー監視ユニットの追加などの改良を進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。