ものづくり補助金平成28年度製造業栃木県

当社独自で開発した防曇機能に偏光特性を付加したフィルムの新技術開発と世界市場戦略の販売展開

株式会社トチセン

この事例のポイント

  • 防曇機能に偏光特性を付加したフィルムの新技術を開発し、ニッチ分野で自社製品のブランド化を進める必要があった。
  • 防曇機能に偏光特性を付加したフィルムの新技術開発を行った。
  • 補助事業により、防曇と偏光の特性を併せ持つフィルムの新技術開発を目指し、手術室やライダーの視界確保という安全性に直結する用途を狙えるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社トチセン
所在地栃木県 足利市
業種プラスチック製品製造業
技術分野接合・実装,表面処理,複合・新機能材料
従業員数32人
資本金2,500万円
設立1914年

事業の背景

当社は1963年に繊維の染織技術を応用してポリエステルフィルムへの染色加工技術を確立し、日本で唯一のフィルム染色メーカーである。主力は医療用フェイスガードとヘルメットシールドで、防曇機能をフィルム内に付加している。国内市場に加え世界市場での販路開拓を視野にブランド化を検討していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術防曇機能に偏光特性を付加したフィルムの新技術を開発し、ニッチ分野で自社製品のブランド化を進める必要があった。
  • 品質・精度型抜き加工の際に微細なバリが出るため、医療用フェイスガードの精度を高め、歩留まり率を上げる必要があった。
  • 生産能力従来のフィルムロール販売から自社で型抜き加工して製品化するための設備がなかった。

やったこと

防曇機能に偏光特性を付加したフィルムの新技術開発を行った。手術室のライトの反射や路面の太陽光反射を防ぎ、安全性を高める用途を狙った。ロールフィルムから型抜きして製品化するため、型抜き加工機(プレス機)を導入した。このプレス機は20tの能力を持ち、目的の形状の金型で製品を連続カットするため独自に設計し、特別注文で製作した。国際基準に基づく品質保証体制のため、最新鋭の分光光度計(日立製作所UH4150)を導入した。

加工機型抜き加工機(20tプレス機)
検査測定分光光度計 UH4150(日立製作所)

新しい製品・サービス:防曇機能に偏光特性を付加したフィルム

事業の効果

補助事業により、防曇と偏光の特性を併せ持つフィルムの新技術開発を目指し、手術室やライダーの視界確保という安全性に直結する用途を狙えるようになった。型抜き加工を自社で行える体制と国際基準に基づく品質保証体制を整えた。型抜き時のバリを減らし歩留まりを高める対策は今後の課題として残っている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来の繊維加工から化成品フィルム染色へ業態転換し、ニッチ分野で自社製品のブランド化を目指す流れが明記されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    日本で唯一のフィルム染色メーカーであること、他社より防曇機能が高いと支持されていることが強みとして具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    歩留まり率の低さや微細なバリの課題が示されているが、高付加価値化・成長に直結する数値目標の記載は薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、歩留まり向上に務めるとの定性的な記述のみである。

  • 事業を進める体制3

    従業員32名、技術開発部が基本技術を蓄積しているとの記述はあるが、補助事業の遂行体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療用フェイスガードは月約20,000枚生産、ヘルメットシールドは防曇性能で支持されるなど、ターゲットと選ばれる理由が示される。

  • 事業化までの道筋3

    課題(バリ発生)と対策(金型・刃の角度調整、国際基準の品質保持)は書かれるが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    防曇に偏光特性を付加するニッチ分野で、手術室の反射軽減やライダーの路面反射防止という新市場を狙うと明記されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    医療分野やライダーの安全に貢献すると述べられるが、雇用創出や波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す投資額や付加価値増加額の記載はなく、導入設備の記述に留まる。

  • イノベーションへの貢献2

    独自技術による製品開発は示されるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は記載されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    グローバル化への対応と世界市場での販路開拓は触れられているが、構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    栃木県足利市の企業であることは書かれるが、地域の特性を活かした成長牽引の記述は弱い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国際化とボーダレス化が進むなか、新技術・新商品の開発を続け、企業の独自性を高めていく。

  • 目標:現在は1カ月に約20,000枚の医療用フェイスガードを生産している

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。