ものづくり補助金平成25年度製造業富山県

新ワークフローシステム導入による製版工程の自動化と生産性向上の実現

株式会社山田写真製版所

成果処理時間 60分→5分

この事例のポイント

  • 旧演算システムは処理速度が遅く、1つの製版作業が詰まると後続のデータが順番待ちになり、ネック工程となっていた。
  • PDFを基軸に複雑な演算処理を直接行える製版用高性能演算システム「EQUIOS-PTR」を導入し、処理速度と精度を向上させて高品質化と短納期化を図った。
  • 処理時間 60分→5分。新演算システムにより処理時間が大幅に短縮され、1時間の処理が5分、2時間待ちが10分待ちになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社山田写真製版所
所在地富山県 富山市
業種印刷・同関連業
技術分野情報処理
従業員数170人
資本金4,500万円
設立1921年

事業の背景

1921年に富山県内初の写真製版業者として創業し、印刷・製本やマルチメディア分野へ業務を広げ、総合印刷会社へと成長してきた。2012年から企業体の再構築に取り組み、全国10カ所あった事業所を4生産拠点1営業所に集約した。全国規模の市場で大手印刷会社と競合しており、写真集の出版にも定評がある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力旧演算システムは処理速度が遅く、1つの製版作業が詰まると後続のデータが順番待ちになり、ネック工程となっていた。
  • 人手・技能製版工程での加工や補正が不可欠で、特殊効果を含む画像は手作業で下処理が必要だった。
  • 品質・精度修正や変更の確認を目視で行っていたため、偶発的な誤変換やずれを見つけにくく、印刷や製版のやり直しによるロスが生じていた。
  • 人手・技能製版作業は熟練した技術と経験が必要で、人材育成に大きなコストがかかっていた。
  • 生産能力作業できる端末が1台に限られ、複数の作業者が同時に作業できなかった。

やったこと

PDFを基軸に複雑な演算処理を直接行える製版用高性能演算システム「EQUIOS-PTR」を導入し、処理速度と精度を向上させて高品質化と短納期化を図った。各拠点のオペレーターが手作業で行っていた製版作業を本社のセントラル演算システムに統合し、各拠点からオンラインで処理できるソフトウェアとハードウェアを導入した。従来の目視検査に代えて、変更部分を赤く自動表示する最新の自動デジタル検査システム「Ken2Pa!」を導入し、品質の安定化を図った。

その他製版用高性能演算システム「EQUIOS-PTR」
ソフト新ワークフローシステム(製版工程の統合・セントラル演算システム)
検査測定最新自動デジタル検査システム「Ken2Pa!」

事業の効果

  • 処理時間 60分→5分
  • 待ち時間 120分→10分

新演算システムにより処理時間が大幅に短縮され、1時間の処理が5分、2時間待ちが10分待ちになった。透明効果などの特殊効果も手作業の下処理なしで処理できるようになり、作業の効率化と製版スピードの向上が実現した。最新検査システムで変更部分が赤く表示されるため、確認漏れやミスが減り、出力結果も安定し、作業時間の短縮とロスの削減につながった。複数台での同時作業が可能になり待ち時間も短縮され、専門知識の少ない人員でも作業でき、スタッフが高付加価値の業務に取り組む時間と余裕を持てるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1921年創業で写真製版を手がけ、2012年から企業体の再構築に取り組み事業所を集約したとあるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    全国規模の市場で大手印刷会社と競合し高い評価を得ているとあるが、強み・弱みの分析や外部環境との関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    製版の処理時間が1時間から5分、2時間待ちから10分待ちになったと課題と効果が数字で示され、課題認識と解決策が対応している。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    処理時間の短縮という効果は数字で示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の判断材料は限られる。

  • 事業を進める体制2

    4拠点の統合や端末の複数台化は触れられるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高品質化・短納期化、色彩再現性の向上、ミス減少など製品価値と顧客に選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の課題として残る3拠点の接続や通信速度の整備、ハードウェア更新の検討が書かれ、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    製版の高性能演算システムは特定分野の高度化だが、一般普及度や高付加価値化の水準を示す記述は限られている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    富山の地域で創業した企業とあるが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は直接書かれていない。

  • 費用対効果4

    処理時間が1時間から5分に短縮され、ロスの削減や作業時間の短縮が具体的な数字で示されており費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献3

    PDFを基軸に複雑な演算処理を直接行うデジタル技術の活用が書かれるが、サプライチェーン全体への貢献は記述されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    富山に拠点を置きながら全国規模の市場で競合し、地域の特性を活かした事業であることがうかがえるが、雇用や成長への効果は記述が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は残る3拠点からも新演算システムにデータを入出力できるよう、通信速度の速いハードウェアの整備が必要と考えている。製版工程の一本化を目指し、ハードウェアの更新を検討している。

事業者の声

「これまでにも何度かRIP(ラスター・イメージ・プロセッサー)を変えたが、これほど処理スピードが上がったことはなかった」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。