ものづくり補助金平成26年度製造業静岡県

欠点検出画像装置搭載広幅スリッター機導入計画

フジゲン株式会社

この事例のポイント

  • 年々拡大する需要の増加に対し、現状の供給体制(150万個分/日)では限界があり、生産体制の再構築が喫緊の課題となっていた。
  • 工程の見直しを行い、従前の「①グラビア印刷②巻き替え欠点検出③スリット」という工程を、検査装置搭載スリッター機の導入により「①グラビア印刷②欠点検出+スリット」へと変更し、作業効…
  • 検査装置搭載スリッター機の導入により作業工程が改善され、工数が省略されるとともに広幅原紙で丁取りを増やしたことで、従前と比べ供給体制が大幅に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名フジゲン株式会社
所在地静岡県 富士市
業種印刷・同関連業
技術分野機械制御,測定計測
資本金1,000万円
設立1966年

事業の背景

フジゲン株式会社は包装資材の総合商社を営むとともに、紙おしぼりに特化した軟包装フィルムの加工を行い、ブランドロゴ等の印刷が主流の単色印刷フィルム加工で地域において高い評価を得ている。近年は食品衛生への関心の高まりやイートイン形式の店舗拡大を背景に、単色印刷フィルム加工業務への需要は拡大傾向にある。一方で食品に関わる臭気や異物混入の問題が業界にも影響し、包装資材へのニーズは「正確な長尺材料」から「正確で安心・安全な容器包装フィルム」へと高度化していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力年々拡大する需要の増加に対し、現状の供給体制(150万個分/日)では限界があり、生産体制の再構築が喫緊の課題となっていた。
  • 品質・精度受注先からは、輪転印刷によるインキハネやカスレ、異物混入などについて、目視では発見できない細かな印刷不良や異物混入を検査することが求められていた。

やったこと

工程の見直しを行い、従前の「①グラビア印刷②巻き替え欠点検出③スリット」という工程を、検査装置搭載スリッター機の導入により「①グラビア印刷②欠点検出+スリット」へと変更し、作業効率化と印刷不良・異物混入の流出防止を目指した。導入機械は既製品の販売がなく、複数のメーカーの協力を得てオーダーメイドのオリジナル機械を製作した。検査装置搭載機の図面作成、カメラ位置、検査位置、通紙図面等の確認作業を実施し、製作期間は数ヵ月を要した。また、自動包装ラインを停止させないため、名入れ印刷自動包装フィルムロール内の印刷異常と異物をデジタル検出し、画像化したデータを保存するシステムを採用した。

加工機広幅スリッター機(検査装置搭載スリッター機)
検査測定デジタル欠点検出装置(ロール内の印刷異常・異物を画像検出)

事業の効果

検査装置搭載スリッター機の導入により作業工程が改善され、工数が省略されるとともに広幅原紙で丁取りを増やしたことで、従前と比べ供給体制が大幅に向上した。デジタル化された欠点検出装置によりロール内のトレーサビリティデータを保存できるようになり、製品の信頼性が高まった。これにより、正確で安心・安全な容器包装フィルムの安定供給、大口ロット受注に対する納期厳守の生産対応、包装フィルム内の異物混入の流出防止体制を実現した。事業終了後は大口ロットの紙おしぼり用包装フィルムを受注し、機械を増設して需要に対応し、取引先の多様化にもつながった。導入機械は操作者の技能に関わらず安定した品質を実現でき、検査機能も劇的に向上して、今日まで同機で製造された製品について顧客からのクレームは0となっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    紙おしぼり向け軟包装フィルム加工に特化した事業の延長として生産体制再構築を位置づけているが、経営戦略上の明確な位置づけの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    需要拡大と食品衛生への関心の高まりを背景に、地域で高い評価を得ている強みを踏まえた取組と読める。

  • 課題の認識と解決5

    供給体制150万個/日の限界を課題として示し、スリッター機導入で工数削減と広幅原紙による供給増を具体的に説明している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    供給能力の増加や大口ロット受注が結果として示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    製作期間は数ヵ月を要したとあり、事業担当常務やメーカーとの協力体制は触れられているが、人材や事務処理体制の詳細は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    正確で安心・安全な容器包装フィルムというニーズと、異物混入防止の検査機能による選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    製作工程や確認作業の流れは示されているが、中長期の課題検証や詳細なスケジュールの記載は限定的である。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    単色印刷フィルム加工で地域の高評価を得ており、異物検出・トレーサビリティの高精度化により高水準の品質を図っている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    食品衛生への関心の高まりなど需要拡大への言及はあるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は示されていない。

  • 費用対効果4

    顧客からのクレームが0、機械増設で需要に対応したなど、投入に対する効果が具体的な結果で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    デジタル化された欠点検出と画像データ保存により、トレーサビリティを強化した点は読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    富士市という地域で高い評価を得て取引先の多様化につながったと記載があり、地域での成長への寄与がうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。