ものづくり補助金平成25年度製造業富山県

3Dプリンターの導入により企画開発の時間・費用を削減

株式会社堀プラスチック富山

成果期間が60%短縮

この事例のポイント

  • 特許が切れた医療器具について、医療関係者の専門的なニーズに応える新たな医療器具を開発する必要があった。
  • 3Dプリンターを導入し、開発プロセスの見直しに取り組んだ。
  • 期間が60%短縮。3Dプリンター導入後は、従来の試作改良を2回繰り返す開発プロセスと比べ、開発期間が60%短縮、費用が33%削減できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社堀プラスチック富山
所在地富山県 高岡市
業種プラスチック製品製造業
技術分野精密加工
従業員数50人
資本金1,300万円
設立1973年

事業の背景

当社は金型設計・製作からプラスチック樹脂成形、組立、販売までを一貫して行っている。ジェネリック医薬品の普及と同様に、医療器具分野でも特許が切れた製品が数多く存在する。医療関係者へのニーズ調査で、操作に不便を感じている、または医療技術の進化に合わせた器具を求めるという専門的なニーズが確実にあることが分かった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術特許が切れた医療器具について、医療関係者の専門的なニーズに応える新たな医療器具を開発する必要があった。
  • 納期・工程従来の開発プロセスでは金型を製作してから試作品の改良を重ねるため、費用と日数がかさんでいた。
  • 人手・技能図面や3D画像による打ち合わせでは、設計者と医療関係者のイメージが食い違うことが多かった。

やったこと

3Dプリンターを導入し、開発プロセスの見直しに取り組んだ。3Dプリンターで試作した立体造形物を顧客企業や医療関係者に示し、品質についてヒアリングした。試作品を手に取って確認してもらうことで、金型製作前に修正内容を具体的に指示してもらえるようになった。

その他3Dプリンター

新しい製品・サービス:特許切れの医療器具を、高度な造形技術でジェネリック医療器具として製作・提供する事業。

事業の効果

  • 期間が60%短縮
  • 費用が33%削減

3Dプリンター導入後は、従来の試作改良を2回繰り返す開発プロセスと比べ、開発期間が60%短縮、費用が33%削減できた。金型製作前に低コストで事前検討できるため、顧客企業や医療関係者から開発計画に着手しやすいと評価された。顧客との修正内容の共有や打ち合わせもしやすくなり、取引先への提案活動を促進できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来は医療器具の企画開発を立ち上げた経緯や一貫した生産体制が書かれ、事業の延長線上にあるとわかるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    医療関係者へのニーズ調査や、特許消滅製品への専門的ニーズを把握したと具体的に書かれ、外部環境と自社の金型・成形の強みが結びつけて読める。

  • 課題の認識と解決5

    従来プロセスで試作後に改良を2回繰り返す課題を示し、3Dプリンター導入後に期間60%短縮・費用33%削減という数字で効果が示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    期間60%短縮、費用33%削減という数値目標と実績が示されており、付加価値や賃上げ目標の記載は見当たらないが数値の根拠は明確。

  • 事業を進める体制3

    従業員50人、一貫生産体制、国内外の協力会社との連携は書かれるが、補助事業を遂行する担当体制や人材配置の具体は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    特許消滅製品の操作不便さや医療技術進化への対応という顧客ニーズが具体的に書かれ、低コストで試作できる点が選ばれる理由として読める。

  • 事業化までの道筋3

    開発プロセスの見直しと今後の取引先提案強化は書かれるが、中長期のスケジュールや課題解決の方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    医療器具の専門的ニーズに応え、3Dプリンター活用で試作の低コスト化を図る点は、同分野で高付加価値化を目指す取組と読める。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用2

    医療器具の開発という社会的な意義がうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の数字は書かれていない。

  • 費用対効果5

    投入した3Dプリンターにより開発期間60%短縮、費用33%削減という費用対効果の数字が具体的に示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    3Dプリンターによる立体造形での試作検討は示されるが、サプライチェーン全体への波及やイノベーションの広がりは薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療分野という成長分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記載は見当たらない。

  • 地域経済への波及2

    富山県高岡市の企業であることはわかるが、地域特性を活かした雇用や地域経済成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

開発プロセスを大幅に見直し、医療現場が必要とするデザインや仕様を正確に共有して、より良い医療器具の開発に今後も取り組んでいく。

事業者の声

「もう少し大きく」などという抽象的な表現も、立体造形物を持って「この くらい」と示してもらえるため、当社の営業担当者も、修正内容を正確に把握することができた。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。