ものづくり補助金平成25年度製造業石川県

革新的鋳型製造技術活用による販路開拓のための生産技術の高度化

有限会社 小松鋳型製作所

この事例のポイント

  • 従来の鋳造品製造では木型・金型からの鋳型製作が必須で、製作に1〜6週間かかっていたため、短納期の要望に応えられなかった。
  • 大型粉体混錬機を導入し、適切な回転速度と混錬時間を探索して鋳型材の生産コスト低減を図った。
  • それぞれの課題に合った設備を導入したことで鋳型材を安定的に生産でき、生産性は30%向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 小松鋳型製作所
所在地石川県 小松市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野立体造形
従業員数13人
資本金900万円
設立1967年

事業の背景

製造メーカーは製品開発の際に試作品を短期間で製作することを求めている。当社は木型・金型を必要としない3Dプリンタを活用した鋳型作成手法を開発し、鋳型と鋳造品の提供サービスを始めた。主要取引先は津田駒工業、石川可鍛製鉄、AGCセラミックスである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程従来の鋳造品製造では木型・金型からの鋳型製作が必須で、製作に1〜6週間かかっていたため、短納期の要望に応えられなかった。
  • 品質・精度鋳型を焼成すると収縮することが判明しており、寸法精度を安定させる必要があった。
  • 生産能力販路を広げるためには、鋳型材の安定生産と品質向上を図る必要があった。

やったこと

大型粉体混錬機を導入し、適切な回転速度と混錬時間を探索して鋳型材の生産コスト低減を図った。鋳型材のリサイクル・リユースを進めるため、粉体の分離・回収装置を開発した。造型した鋳型の強度向上と含有水分量の減少を図った。温度コントロールのできる焼成炉を導入し、収縮条件を探索して寸法精度の向上を図った。

加工機大型粉体混錬機
その他粉体の分離・回収装置
その他温度コントロールのできる焼成炉

新しい製品・サービス:3Dプリンタ用鋳型材

事業の効果

それぞれの課題に合った設備を導入したことで鋳型材を安定的に生産でき、生産性は30%向上した。最適な焼成温度と焼成時間を確定したことで寸法の誤差は0.5%程度まで改善し、納品品質が向上して顧客満足度の上昇につながった。3Dプリンタ用の新しい材料と製造手法について国内特許と海外特許を取得した。鋳型材の活用は陶器やセラミックスの代用品にも広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業時からの鋳型事業を深化させ、3Dプリンタ鋳型材の開発に発展させた経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    国内・海外特許取得や大手材料メーカーとのライセンス契約がうかがえるが、市場動向と自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    木型・金型の製作に1〜6週間かかるという課題と短納期要望が示され、課題認識は読み取れるが、高付加価値化の具体的数値計画は薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産性30%向上と寸法誤差0.5%程度への改善という実績は示されるが、今後の付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員13人の企業であることはわかるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    木型・金型不要の3Dプリンタ鋳型で短期間の試作を提供する点、主要取引先の具体名や顧客満足度の上昇など、顧客ニーズと選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    鋳型材の安定生産と品質向上、ライセンス契約による全国販売開始という方向性は示されるが、スケジュールや課題解決の方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    3Dプリンタ用鋳型材という新しい材料と手法で、陶器・セラミックスの代用品としても活用される事例が出ていると書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    販路の拡大や全国販売の開始は書かれるが、雇用創出や川上・川下への波及効果は明記されていない。

  • 費用対効果3

    生産性30%向上や寸法誤差0.5%程度への改善という成果は示されるが、補助金額に対する費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dプリンタによる木型・金型不要の鋳型作成という先端的なデジタル技術の活用が具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    3Dプリンタ活用という成長分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    石川県小松市での事業所所在は示されるが、地域特性を活かした雇用や地域経済への貢献は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

鋳型並びに鋳型材の製造手法を大手材料メーカーとライセンス契約し、鋳型材の全国販売を開始したことで、活用をさらに広げていく方針である。

事業者の声

創業時からの事業を深化させながら、新規事業へ挑戦することを続けることで、社会に役立つ企業を目指しております。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。