ものづくり補助金平成25年度製造業岡山県

放射線遮蔽煉瓦RASHIXの量産化に向けた取り組みと営業展開

三石耐火煉瓦株式会社

成果焼成時の歩留まり率 20%→95%

この事例のポイント

  • 既存設備では歩留まり率が10〜20%と悪く、そのままではRASHIXの量産ができない。
  • 混練工程では、水やバインダーを使用せず原料単体の造粒を行うことで、次工程で亀裂が生じない方法を開発した。
  • 焼成時の歩留まり率 20%→95%。原料の造粒装置とトンネルキルンを新たに導入したことで、焼成時の歩留まり率が20%から95%以上に改善した。

事業者のプロフィール

事業者名三石耐火煉瓦株式会社
所在地岡山県 備前市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野複合・新機能材料
従業員数75人
資本金1億円
設立1892年

事業の背景

三石耐火精瓦は明治25年の創業以来、120年以上にわたり耐火精瓦の製造を通じて日本の基幹産業を支えてきた。高品質の定形・不定形耐火物や景観・建築材、水質浄化セラミックスなど新分野の製品開発・製造にも取り組んでいる。東日本大震災の原発事故を機に、大学・研究機関から瓦製造技術を用いた放射線遮蔽材の開発を依頼され、平成23年から約7年かけて放射線遮蔽セラミックス「RASHIX」の開発に成功した。既存の放射線遮蔽材の鉛やタングステン、コンクリートには有害性や希少・高価、遮蔽率が低く耐久性に欠けるといった問題がある。今後は原子力発電所、医療施設、核シェルターなどへの利用で需要が見込まれる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度既存設備では歩留まり率が10〜20%と悪く、そのままではRASHIXの量産ができない。
  • 品質・精度混練工程で乾燥時に亀裂が起こる。
  • 生産能力焼成工程で昇温・降温の温度制御ができず、同一台車内で温度のバラつきが大きいことから亀裂が生じる。

やったこと

混練工程では、水やバインダーを使用せず原料単体の造粒を行うことで、次工程で亀裂が生じない方法を開発した。試験を重ねた上で、最も効率的に造粒を行う装置を導入した。焼成工程では、台車内で温度のバラつきがなく、LPGを燃料に用いることで昇温・降温のきめ細かい温度制御が可能なトンネルキルンを導入した。

  • 加工機原料の造粒装置トンネルキルン

新しい製品・サービス:放射線遮蔽セラミックス「RASHIX」

事業の効果

  • 焼成時の歩留まり率 20%→95%

原料の造粒装置とトンネルキルンを新たに導入したことで、焼成時の歩留まり率が20%から95%以上に改善した。これによりRASHIXの量産化体制が一部確立し、すでに製造・販売が行われて医療施設、大学、原発周辺の自治体施設などで使用されている。今後も放射線に関わる分野での需要が見込める。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の耐火瓦製造の延長でRASHIXを開発し、原発・医療施設向けに展開する一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    放射線遮蔽材は鉛やコンクリートより高密度・耐薬品性・再利用可能といった強みが書かれ、需要先も示されるが、市場規模や競合比較は数字で示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    既存設備では歩留まり10〜20%で量産できないという課題が明確で、造粒装置とトンネルキルン導入で95%以上に改善した点は読み取れる。ただし成長の数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値の創出や賃上げの目標値は書かれていない。歩留まり率の改善実績はあるが、それ以外の目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    開発に約7年かかった経緯や製造・販売実績は書かれるが、補助事業を遂行する人材や体制の具体的記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療施設、大学、原発周辺の自治体施設などで使用されている実績があり、セラミックスより高密度で効率的に遮蔽する特長が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の需要先として原子力発電所や核シェルターが挙げられているが、遂行スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    鉛やタングステンに代わる放射線遮蔽セラミックスとして、同分野で高い密度・特長を持つ製品であることが具体的に書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    原子力発電所や医療施設など放射線に関わる社会インフラへの利用が見込まれると書かれているが、雇用や波及効果の数字はない。

  • 費用対効果3

    歩留まりが20%から95%以上に改善したという数字はあるが、投入額に対する付加価値や費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    瓦製造技術を放射線遮蔽材に応用した点は読み取れるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    放射線分野の需要拡大は示唆されるが、日本経済の構造転換に資するとの記述は見当たらない。

  • 地域経済への波及2

    岡山県備前市の瓦製造企業である点はうかがえるが、地域の特性を活かした雇用創出や成長への言及は少ない。

今後の展望

今後も放射線に関わる分野での需要が見込める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。