ものづくり補助金平成25年度製造業大分県

石炭灰から採取する微粒子粉末の高付加価値化とその手法の確立

株式会社ゼロテクノ

成果I種の比率 20%→30%

この事例のポイント

  • 既存の分級装置では、本来下位の種とすべき粒子が上位のI種に混在して採取されており、製品全体の付加価値を下げていた。
  • モデル工場に設置されている微粒子粉末の区分採取装置(分級装置)の加熱改質装置内のハイパーサイクロンについて、ライナー金物内で風力を使って行う区分を改良した。
  • I種の比率 20%→30%。ハイパーサイクロン調整内筒の改良により、最上位のI種の比率が高まり、「CfFA」の区分採取の精度が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ゼロテクノ
所在地大分県 大分市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野材料製造プロセス
従業員数6人
資本金1.28億円
設立2001年

事業の背景

株式会社ゼロテクノは2001年に大分大学発のベンチャー企業として創業し、石炭火力発電所から出る石炭灰(フライアッシュ)から未燃カーボンを除去して再資源化したコンクリート用混和材「CfFA」を主力製品としている。2010年には豊後大野市に年間約5000トンの生産能力を持つモデル工場を建設した。JIS規格で分級された「CfFA」の単価は1トンあたり、I種が8万円、II種が2万円、IV種が5千円と、ランクによって大きな差がある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度既存の分級装置では、本来下位の種とすべき粒子が上位のI種に混在して採取されており、製品全体の付加価値を下げていた。

やったこと

モデル工場に設置されている微粒子粉末の区分採取装置(分級装置)の加熱改質装置内のハイパーサイクロンについて、ライナー金物内で風力を使って行う区分を改良した。ハイパーサイクロン調整内筒3基を用いて試行錯誤を繰り返し、分級条件を調整した。その結果、I種30%、II種65%、残りを下位の種とする分級に成功した。改良後の「CfFA」はJIS規格に適合することが証明された。

  • その他ハイパーサイクロン調整内筒分級装置

事業の効果

  • I種の比率 20%→30%
  • II種の比率 60%→65%

ハイパーサイクロン調整内筒の改良により、最上位のI種の比率が高まり、「CfFA」の区分採取の精度が向上した。JIS規格への適合が証明され、製品の付加価値が大きく高まった。下位の種の混在が減ることで、集積設備や移送装置は微粒子粉末のI種・II種対応装置のみの稼働となり、分級工程の付帯設備費を抑えて事業コストの縮減につながる見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    大分大学発ベンチャーとして石炭灰の再資源化を事業目的に据え、モデル工場建設など一貫した取組が事例から読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    既存の石炭灰混和材の強みや実績(橋梁・砂防ダム等)は書かれるが、市場動向との比較や競争優位の数値は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    IV種・II種への混在により付加価値が低い課題を示し、分級比率を1種30%・II種65%へ改善した具体的な解決策が書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    付加価値の目標値は明示されず、JIS適合や分級比率改善の結果が示されるにとどまる。

  • 事業を進める体制2

    社員6人規模と岡田社長の経歴は書かれるが、補助事業の遂行体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    CfFAの効果(単位水量削減、長期強度など)と顧客利用実績は書かれ、ニーズや選ばれる理由の一部がうかがえる。

  • 事業化までの道筋2

    四地区で事業化が進展すると書かれるが、中長期の遂行方法やスケジュールは記載されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    JIS分級で1種が8万円、II種が2万円、IV種が5千円と単価差が示され、高水準の高付加価値化を図る内容が読み取れる。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    産業廃棄物の石炭灰をマテリアル化し、CO2削減や地産地消型の低炭素社会に貢献すると具体的に述べられている。

  • 費用対効果3

    分級工程の付帯設備費軽減による事業コスト縮減の見込みは書かれるが、費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    独自の加熱改質技術による産業廃棄物の再資源化は示されるが、デジタル技術の活用やサプライチェーン連携の記述は薄い。

政策面70%
  • 成長分野への進出3

    産業廃棄物を再資源化する環境分野への取組として読み取れるが、日本経済の構造転換への言及は具体性が薄い。

  • 地域経済への波及4

    大分県大分市・豊後大野市に立地し、地産地消型の再資源化で地域の産業廃棄物を活用する点が具体的に書かれている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。