ものづくり補助金平成25年度製造業山梨県

電子部品用加熱式3次元形状測定装置の開発

株式会社 コアーズ

成果パッケージ表面の最大温度誤差 8.2℃→2.5℃

この事例のポイント

  • 既存の形状測定装置はBGAを測定する際に全ての半田ボールを削除する必要があり、作業に手間がかかる。
  • 加熱炉と測定ユニットを一体型の構造とし、ガラス面に基準面をつくった。
  • パッケージ表面の最大温度誤差 8.2℃→2.5℃。熱風の流れを可視化したことで、今までの手探りと感覚による実験から脱却できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 コアーズ
所在地山梨県 都留市
業種電気機械器具製造業
技術分野接合・実装,測定計測
従業員数18人
資本金9,711万円
設立1954年

事業の背景

電子部品のBGAパッケージは加熱時の平坦度(コプラナリティー)の管理が重要になっている。既存の測定方式は加熱環境下での変形を直接測れず、測定方法の見直しが求められていた。部品実装業界やパッケージ製造メーカ、大手セットメーカからは、既存の測定方式に取って変わる基準装置として大きな期待が寄せられていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能既存の形状測定装置はBGAを測定する際に全ての半田ボールを削除する必要があり、作業に手間がかかる。
  • 品質・精度半田ボールを削除したパッケージの変形は、半田ボールありのパッケージの実際の変形とは異なる可能性があり、正確に計測しているとは言えない。
  • 新製品・新技術リフローシミュレータは温度データを頭の中で補完しているため仮想的であり、3次元形状の変化をアニメーションで見られる機能が求められている。

やったこと

加熱炉と測定ユニットを一体型の構造とし、ガラス面に基準面をつくった。飛び止め治具の調整の手間と設置誤差をなくした。ガラスステージ下面にも熱風が回り込む仕組みを取り入れ、ガラスステージの土台四隅を固定してガラスステージを浮かせた。測定範囲は33.9mm×4スキャンを最大限広げ、63mm×63mmに拡張した。加熱炉体積(76×62×25=117,800立方mm)はできる限り維持した。熱風の流れと揺らぎをPIV法で可視化し、加熱炉内可視化設備を導入して熱風量と方向を確認した。ヒータ及びエアー雰囲気に加え窒素雰囲気でも動作できるようにし、酸素濃度計を介して測定できるようにした。

検査測定加熱式3次元形状測定装置
検査測定加熱炉内可視化設備

新しい製品・サービス:電子部品用加熱式3次元形状測定装置

事業の効果

  • パッケージ表面の最大温度誤差 8.2℃→2.5℃

熱風の流れを可視化したことで、今までの手探りと感覚による実験から脱却できた。パッケージ表面の最大温度誤差は8.2℃から2.5℃に改善し、排気の流れも確認できた。炉調整作業の工数が削減され、加熱炉内の均等な加熱も実現した。BGAのボールを除去せずに測定でき、測定画像も非常に鮮明に取得できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来のリフローシミュレータの課題を解決する開発と読めるが、過去の取組や経営戦略上の位置付けは事例中に明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    業界の期待や既存装置との差別化がうかがえるが、市場動向や自社の強み・弱みの分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    ボール除去が必要な既存測定の手間という課題を挙げ、非除去で測定する方向を示しているが、事業計画としての高付加価値化の見通しは薄い。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    誤差8.2℃から2.5℃への改善や測定範囲63mm×63mmなど数値はあるが、付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    開発・評価の実施体制について、人材や事務処理能力を示す記述はほぼ見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    BGA等の平坦度測定という顧客ニーズや、部品実装業界・大手セットメーカからの期待が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    仕様を明確にして開発を進め、量産に向けた測定精度の定量化という課題も示されているが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    既存のモアレ方式を超え、加熱中のボール有りBGAを3次元で測定する点は新規性が高いと読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    電子部品業界の基準装置となりうる点は書かれるが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    炉調整工数の削減や温度誤差の改善は示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    PIVによる熱風の可視化など先端的な計測技術の活用が書かれるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    電子部品の実装業界に資する測定技術とうかがえるが、日本経済の構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後量産に向けて、測定精度を定量化(誤差何ミクロンとするか)して決定することが課題である。多種多様なワークを計測し、ユーザの要求数値と業界の標準数値を勘案して決定していく必要がある。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。