ものづくり補助金平成25年度製造業長野県

精密位置決め装置の製造工程改善による納期の大幅短縮実現と市場拡大獲得

ミナト光学工業株式会社

成果目標1ヶ月に対し達成率100%でリードタイム1ヶ月を達成

この事例のポイント

  • A社から拡大観察装置の受注増加に対応するため、当該装置の生産能力を月400台に引き上げる必要があった。
  • 40面パレット付の5軸マシニングセンターを導入し、製造工程の大幅な改善を行った。
  • 目標1ヶ月に対し達成率100%でリードタイム1ヶ月を達成。客先満足度は供給能力と品質の両面で100%以上を獲得した。

事業者のプロフィール

事業者名ミナト光学工業株式会社
所在地長野県 飯田市
業種業務用機械器具製造業
技術分野バイオ,材料製造プロセス,精密加工,接合・実装,測定計測
従業員数24人
資本金1,600万円
設立1959年

事業の背景

当社は光学機器の加工・組立を手がける会社で、教育用顕微鏡は国内唯一の製造者として続けている。主要取引先の海外シフトにより2000年頃から業績が悪化し、2002年には社員を全員解雇する局面もあった。その後、受注した光学機器の精密位置決め装置が大きな柱に成長した。大手顧客A社の売上は当社売上の50%を占める。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力A社から拡大観察装置の受注増加に対応するため、当該装置の生産能力を月400台に引き上げる必要があった。
  • 納期・工程A社の要求に応えるには、リードタイムを1か月に短縮する必要があった。
  • 人手・技能5軸マシニングセンターによる安定した高精度連続無人運転のノウハウが不足していた。

やったこと

40面パレット付の5軸マシニングセンターを導入し、製造工程の大幅な改善を行った。5軸マシニングセンターが自ら位置補正を行い、安定した高精度連続無人運転を実現するためのノウハウを習得した。導入後は部品加工が前年比60%増と好調で、さらに1台を追加導入した。これにより受注増加に柔軟に対応できる製品供給体制を構築した。

加工機40面パレット付5軸マシニングセンター

事業の効果

  • 目標1ヶ月に対し達成率100%でリードタイム1ヶ月を達成
  • 生産能力 360台/月→400台/月

客先満足度は供給能力と品質の両面で100%以上を獲得した。リードタイムは目標の1か月を達成し、生産能力は目標の90%にあたる月360台まで高められた。5軸マシニングセンターの高精度連続無人運転のノウハウも身につき、設備の有効活用に向けた他の仕事の獲得が今後の課題となっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    取引先の海外シフトによる業績悪化後、精密位置決め装置が柱に成長したと記載があり、事業の流れは読み取れるが経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    A社拡大観察装置の受注増加や海外発売予定、教育用顕微鏡が国内唯一であることから強みはうかがえるが、競争優位の分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    A社要求400台/月に対し生産能力360台/月、リードタイム1ヶ月の課題を5軸マシニングで解決する計画が具体的に示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産能力目標400台/月に対し達成率90%、部品加工は前年比60%増と数値で示され、実現性の根拠が読み取れる。

  • 事業を進める体制3

    ベテラン社員の嘱託残留による技能伝承や若手育成の取組は読み取れるが、補助事業遂行体制の具体的人員や事務体制は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客A社の要望、顧客満足度100%以上、X-LABOの評判による新規顧客獲得など、ニーズと選ばれる理由が事実で示されている。

  • 事業化までの道筋3

    ノウハウを生かし他の仕事を取り込む課題と、加工工場拡張・複合加工への展開方針は読み取れるが、スケジュールは具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    教育用顕微鏡は国内唯一の製造とあり、ニッチ性はうかがえるが、高付加価値化や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    A社マイクロスコープの海外市場拡大支援とあるが、雇用創出や波及効果の定量的な記載は乏しい。

  • 費用対効果2

    設備投資の回収に言及はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    5軸マシニングセンターの無人運転ノウハウは示されるが、デジタル技術の活用やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    飯田市で設立され地元商店主らと共存共栄を掲げる点はうかがえるが、地域の特性を活かした成長の具体的記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今回の設備投資を回収するため、設備運用のノウハウを生かして他の仕事を取り込み、設備の有効活用を図ることが必要とされている。

事業者の声

精密加工技術と手づくりの職人技、その両方を持っていること。完成品まで手がけ、自社で保証し出荷できる品質保証体制。そして長年培ってきた光学機器づくりのノウハウ。お客様はそこに安心感を感じているようです

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。