ものづくり補助金平成25年度製造業長野県

大型光電子増倍管用ガラス新規開発ならびに量産体制構築

長窯株式会社

この事例のポイント

  • 新規開発品で原材料の素材粉末が多様化し、加工の難易度が上がっている。
  • ものづくり補助金を活用し、大型の粉末成形プレス機を導入した。
  • 大型プレス機の導入と試作の繰り返しにより、顧客の要求する寸法・性能を満たすガラスを連続生産できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名長窯株式会社
所在地長野県 長野市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野材料製造プロセス,立体造形
従業員数40人
資本金5,500万円
設立1975年

事業の背景

長窯は1975年に長野市で創業し、光電子増倍管などに使われるステム用ガラスやガラス焼結体の専業メーカーとして事業を行ってきた。小型の製品が主体で、カミオカンデの光電子増倍管にも部品を供給している。新たな素材粉末での加工が増え、従来のプレス圧力では直径50mm以上の大型製品に対応できないことが分かった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度新規開発品で原材料の素材粉末が多様化し、加工の難易度が上がっている。
  • 生産能力φ50mmを超える製品では成形圧力が不足し、重量が安定しないなど生産性の問題がある。
  • 新製品・新技術大型の光電子増倍管用ガラスを、顧客の要求する寸法・性能で量産できる体制が整っていない。

やったこと

ものづくり補助金を活用し、大型の粉末成形プレス機を導入した。試作を繰り返して満足のいく成果を得た。これにより、ハイパーカミオカンデに使われる大型光電子増倍管用ガラスの量産体制を整えた。製造の要である金型は外注に頼っており、複数の外注先を維持することを今後の課題と考えている。

加工機大型粉末成形プレス機

新しい製品・サービス:φ50mmを超える大型の光電子増倍管用ステム用ガラス

事業の効果

大型プレス機の導入と試作の繰り返しにより、顧客の要求する寸法・性能を満たすガラスを連続生産できるようになった。ハイパーカミオカンデ用の大型光電子増倍管用ガラスの量産体制が整った。大型の焼結体を作れるようになり、今まで難しいと思われた案件にも対応できる範囲が広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のステム用ガラス製造が主力と書かれ、大型製品対応が事業の延長にあることはうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    市場や顧客動向への言及はなく、専業メーカーであることや大型焼結体への対応力が強みとして示されるのみで、優位性の分析は読み取れない。

  • 課題の認識と解決3

    φ50mm超の製品で成形圧力不足や重量不安定などの課題が挙げられ、大型プレス導入で対応したと書かれている。ただし高付加価値化の具体的数値はない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、量産体制構築の成果が連続生産可能になったとある程度の記述にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    試作を繰り返し成果を上げたとあるが、社員40名規模の体制や事務処理能力については具体的な記述がない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客の要求する寸法・性能を満たすガラスを製造できること、ハイパーカミオカンデ向けの用途が示されているが、ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    金型の調達が外注に頼っていて複数の外注先の維持が課題とあるが、スケジュールや解決方法の明示は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ガラス焼結体は専業メーカーが少ないと書かれ、大型焼結体の製造は当初難しいと思われた案件とあるが、高価格化の数値はない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    カミオカンデやハイパーカミオカンデという宇宙・素粒子観測施設の部品供給に関わる点は読み取れるが、波及効果や雇用創出の数字はない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額や付加価値増加額、生産性向上率の数字は書かれておらず、費用対効果は判断できない。

  • イノベーションへの貢献2

    住宅用窓ガラスや自動車用センサーへの展開が示唆されるが、デジタル技術の活用やビジネスモデル構築の記述はない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    センシング技術や住宅・自動車分野への事業展開の意向がうかがえるが、構造転換に資する成長分野としての明示はない。

  • 地域経済への波及2

    長野市の企業として地域に根差した事業とあるが、地域特性を活かした付加価値創出や雇用拡大についての記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は住宅用の窓ガラスや自動車用センサーなど、電子機器以外の分野にも事業を広げたいと考えている。

事業者の声

大型の焼結体の製造ができるようになり可能性が広がりました。当社では当初難しくてできそうもないと思った案件も何とか実現してきている。その対応力をさらに磨いていきたいと考えています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。