ものづくり補助金平成25年度製造業福島県

半田プリフォーム生産に係る方式の新発明による生産力増強計画

ウツミ電気株式会社

成果材料の製品化率 2%→100%

この事例のポイント

  • はんだテープ材の製作に溶解成形、圧延、スリット加工が必要で、プレス加工後の洗浄も県外への外注だったためコストが高かった。
  • はんだを角材にしてからカットする新たな加工方法を採用し、新しい機械装置「はんだプリフォーム作成機」を導入した。
  • 材料の製品化率 2%→100%。工数とコストが大きく削減された。

事業者のプロフィール

事業者名ウツミ電気株式会社
所在地福島県 南相馬市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野材料製造プロセス,精密加工
従業員数19人
資本金1,000万円
設立1997年

事業の背景

当社は電子基板の生産・製造を行っている。プリント基板に電子部品を装着する際に印刷するクリームはんだは量が少ないとはんだ付けの強度が低下し、はんだ割れなどの不良につながるため、補強材「はんだプリフォーム(チップソルダー)」を製造している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算はんだテープ材の製作に溶解成形、圧延、スリット加工が必要で、プレス加工後の洗浄も県外への外注だったためコストが高かった。
  • 生産能力プレス加工でチップ化するため材料の製品化率が約2%と非常に低く、多量の端材が発生して再利用の管理や再生工程も必要だった。
  • 品質・精度プレス加工によるチップ化では表面が曲面状になりやすく、顧客において不具合が発生しやすい点が指摘されていた。

やったこと

はんだを角材にしてからカットする新たな加工方法を採用し、新しい機械装置「はんだプリフォーム作成機」を導入した。プリフォーム作成の加工原理を圧延加工・プレス加工からロール成形加工・切断加工に変更した。丸線形状の市販の糸はんだを角柱形状(角線状)に成形するロール成形加工により、顧客で吸着面となる半田プリフォームの4側面を平滑な面にした。切断加工では当社が従来のプレス加工で見出した切断工法を適用し、切断時に発生するバリや抜きダレを極小化した。加工工程のすべてを内製化し、従来のはんだテープ材製作の3工程と洗浄の1工程を省いて1工程に集約した。

加工機はんだプリフォーム作成機

新しい製品・サービス:チップ型はんだアシスト

事業の効果

  • 材料の製品化率 2%→100%

工数とコストが大きく削減された。加工工程を1工程に集約し、洗浄用液などの副資材費も削減できた。材料の製品化率が約2%から100%になり材料費が大幅に低減し、端材再生の工程も不要になった。半田プリフォーム表面を平滑化したことで顧客における不具合発生が低減した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    電子基板の生産・製造を20年以上手がけ、自社製品のチップ型はんだアシストへ展開した経緯が読み取れるが、戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    電子部品サイズの大小混在や高密度実装化という市場動向と、従来の外注によるコスト高という課題が書かれ、強みとの関係は一部読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    工程数や製品化率約2%、端材発生などの課題を挙げ、切断加工への変更で製品化率100%、工程削減と結びつけて解決を示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    材料費の大幅低減や工程削減の成果は書かれているが、賃上げや付加価値額の数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員19名、3週間で事業再開した経緯はうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    毎日約30万個使われ市場で高評価を得ている点と、不具合低減という選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は商品レパートリー拡大と設備投資による生産体制増強が書かれているが、スケジュールや課題解決手順は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    チップ型はんだアシストは従来の製品形状と異なる新しい製品で、ロール成形と切断加工による高付加価値化が示されている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    震災後の南相馬での事業再開や地域拠点としての取組が書かれ、地域雇用への意義はうかがえるが国の補助の必要性は明記されない。

  • 費用対効果4

    材料費の大幅低減、工数削減、端材再生工程の不要化など、投資に対する効果が具体的に示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    新しい加工方法による工程の内製化とロール成形・切断の採用は示されるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    電子部品の高密度実装化への対応という市場変化はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとの記述はない。

  • 地域経済への波及3

    南相馬の地に根を張り地域で生産を続けるとの記述があり、地域特性との関係は一部読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

多彩な形状の「はんだアシスト」製造でさらなる市場開拓を目指し、商品レパートリーを増やす。需要に応じて設備投資も検討し、生産体制の増強をはかって生産・売り上げ拡大を目指す。

  • 目標:今では毎日約30万個使っていただくまでに成長

事業者の声

南相馬で20年以上にわたり電子基板を生産・製造 震災・原発事故を乗り越え自社製品製造にも注力

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。