ものづくり補助金平成25年度製造業長野県

超硬製精密金型の開発によるファインニット用メリヤス針の競争力向上

オルガン針株式会社

この事例のポイント

  • メリヤス針の成形に使う超硬製の微小な多面体形状の金型は加工が困難だった。
  • メリヤス針の“ベラ”と呼ばれる部品を成形する超硬製精密金型について、成形方法の把握と3Dモデル化を行った。
  • 従来は手加工で製作していた金型を自動加工で製作できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名オルガン針株式会社
所在地長野県 上田市
業種その他の製造業
技術分野精密加工
従業員数223人
資本金3億円
設立1920年

事業の背景

創業は1920年で、ミシン針、メリヤス針、フェルト針を主力とする。国内ミシン針のシェアは80%で、そのうち90%は輸出向けで、数量・金額ともに世界トップシェアを持つ。ファインニット衣類用メリヤス針の品質向上により、川下の繊維産業への貢献を目指していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度メリヤス針の成形に使う超硬製の微小な多面体形状の金型は加工が困難だった。
  • 人手・技能金型は手加工で製作しており、仕上がりや金型同士のばらつきが生じていた。

やったこと

メリヤス針の“ベラ”と呼ばれる部品を成形する超硬製精密金型について、成形方法の把握と3Dモデル化を行った。微細加工マシニングセンタを導入し、金型の自動加工テストを実施した。3次元CADで設計したデータにより金型を加工するシステムを構築した。製作した金型を用いてメリヤス針を製造し、品質を確認した。

加工機微細加工マシニングセンタ
ソフト3次元CAD

事業の効果

従来は手加工で製作していた金型を自動加工で製作できるようになった。仕上がりの程度は従来の金型と同等で、金型同士のばらつきがなくなった。これによりメリヤス針の品質の安定化が実現した。加工精度のばらつきがなくなり、コスト低減にもつながると見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の針製造の技術を活かし、超精密金型の自動加工へ展開する流れが読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    世界トップシェアのミシン針や製鉄メーカーとの素材共同開発、製造装置の自社設計などの強みは書かれているが、市場動向との関係は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    ばらつきの解消とコストダウンへの手応えは書かれているが、課題認識から成長につながる計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    品質安定化の成果は書かれているが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    製造装置の開発・設計・組立を自社で行う体制や従業員223名の記載があるが、補助事業の遂行体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ベラ部品の成形用金型という用途やメリヤス針の品質向上ニーズは書かれているが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    Step1からStep3までの段階的な実施手順は書かれているが、中長期の課題検証やスケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    メリヤス針の高精度化を図る取組で、世界トップシェアの針分野の高付加価値化がうかがえるが、数値での裏付けはない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    川下の繊維産業への貢献や国内唯一のメーカーとの記載はあるが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果2

    コストダウンへの手応えは述べられているが、投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3次元CADによる設計データ駆動の金型加工システムは、デジタル技術の活用として読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    超精密加工技術を電気・電子・半導体業界へ応用している点がわずかにうかがえるが、構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    上田市での創業以来の事業展開が書かれ地域の拠点性はうかがえるが、地域経済の牽引に関する具体的記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

製造装置の開発・設計・組立を自社で行い、マーケティングとものづくり力の向上の両面で、品質・コスト・リードタイムの改善を続けていく方針。

事業者の声

力を入れること。品質・コスト・リードタイムの改善を粘り強く行い、ものづくりの力を高めていくこと。この2方向で取り組み、ノウハウの深化を図っていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。