ものづくり補助金平成25年度製造業静岡県

エアージェット織機による朱子織組織の織物の開発

サカイ産業株式会社

成果汚れの発生量 1倍(レピア織機比)→0.1倍(レピア織機比)

この事例のポイント

  • 8枚朱子織の依頼で試作したところ、1mmにも満たない細かい汚れが不規則に出た。
  • エアージェット織機を導入し、接触のないヨコ糸の供給により、複雑な8枚朱子織の織物を試作・製織できるようにした。
  • 汚れの発生量 1倍(レピア織機比)→0.1倍(レピア織機比)。エアージェット織機の導入により、課題だった汚れが大幅に減少した。

事業者のプロフィール

事業者名サカイ産業株式会社
所在地静岡県 島田市
業種繊維工業
技術分野機械制御
従業員数184人
資本金2,000万円
設立1955年

事業の背景

サカイ産業は、高機能繊維を使った産業用織物と、高機能繊維に樹脂を加えて成形した繊維強化プラスチック(FRP成形品)を主要製品とする、産業用繊維資材の開発・成形加工のパイオニアである。中小企業として少量多品種を基本方針とし、ガラス、カーボン、アラミドなど主要な高機能繊維をほぼすべて扱う。5mmから最大4m幅まで多様に対応できる製織技術が強みで、繊維製造メーカーからの信頼も厚い。過去にもものづくり補助金を利用して成果を上げてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度8枚朱子織の依頼で試作したところ、1mmにも満たない細かい汚れが不規則に出た。
  • 生産能力従来のレピア織機は、ヨコ糸を供給する槍が左右に往復する際に糸がこすれ、それが汚れの原因と考えられたため、接触のない織機への設備導入を検討する必要があった。

やったこと

エアージェット織機を導入し、接触のないヨコ糸の供給により、複雑な8枚朱子織の織物を試作・製織できるようにした。8枚朱子織では、タテ糸を上下させる枠が複雑な動きをするため、枠を一枚ごとに動くタイミング・量・スピードを制御できる設備を選定した。タテ糸を巻き取る張力の設定、ヨコ糸がタテ糸に当たらないようにするためのヨコ糸入れのタイミングなどを調整した。

新しい製品・サービス:エアージェット織機による8枚朱子織の織物

事業の効果

  • 汚れの発生量 1倍(レピア織機比)→0.1倍(レピア織機比)
  • 生産速度 1倍(レピア織機比)→5倍(レピア織機比)

エアージェット織機の導入により、課題だった汚れが大幅に減少した。密度、厚さ、質量、引張試験でもばらつきが少なく、安定して製織できることが確認された。レピア織機の5倍以上の速度で生産できるようになり、生産性も向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    事例では「ものづくり補助金」を過去に何度か利用し成果を上げてきたとあり、製織技術の強みとの一貫性がうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内で当社を含め2社しかできない5mm〜4m幅の製織技術が強みと記載され、顧客要求に応えるため導入したとある。

  • 課題の認識と解決4

    課題として汚れの発生を特定し、レビア織機に比べ汚れを10分の1以下に減らし、5倍以上のスピードで生産可能になったと具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    汚れ10分の1以下、生産速度5倍以上と数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    技術グループの増田主任らがリーダーとして開発に取り組んだと記載があるが、体制の詳細や人材数は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客要求への対応と、繊維製造メーカーからの厚い信頼が示されているが、ターゲットや選ばれる理由の整理は限定的。

  • 事業化までの道筋3

    今後は出荷時期に合わせた品質向上や製織技術の高度化を探求するとあるが、具体的なスケジュールや方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    本来は平織向けの機械である織機で、複雑な8枚朱子織を可能にした革新的取り組みと書かれ、同分野で高水準の高付加価値化が示唆される。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    食品用の乾燥ベルトにも使用されていると製品の用途が示されるが、波及効果や雇用創出についての記述はない。

  • 費用対効果3

    汚れ10分の1以下、5倍以上の生産速度と数値で効果が示されるが、補助金投入額との費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    エアージェット織機という技術の活用は書かれるが、先端デジタル技術や地域・サプライチェーンへの貢献は明記されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    島田市に本社所在地があると記載されるが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への言及はない。

今後の展望

出荷時期に合わせてさらなる品質の向上を図る。長さ100mの中に1個あるかないかの汚れにも対応するため、製織技術の向上に努める。さらに効率的な生産も可能と考えられるため、製織技術の高度化を探求していく。

事業者の声

市場は小さくても、その中で占有率を高くする。中小企業が生き残るには少量多品種。コアな技術でどんなニーズにも応える姿勢です

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。