ものづくり補助金平成29年度製造業佐賀県

新型装置の導入による高品質・低コストの日除け製品の開発と製造

山口産業株式会社

成果導入から5年後には生産性を16%向上できる見込み

この事例のポイント

  • 従来のシェード製作では、日よけ製品で重要な生地の強度検査を目視のみで行っていた。
  • 卓上精密万能試験機AGS-Xおよびエグザモ600F USBを導入し、生地の引張強度検査に加えて最終製品段階での破壊検査を可能にした。
  • 導入から5年後には生産性を16%向上できる見込み。加工精度が飛躍的に向上し、安定した製品の製造が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名山口産業株式会社
所在地佐賀県 多久市
業種繊維工業
技術分野デザイン
従業員数120人
資本金2,000万円
設立1976年

事業の背景

当社は帆布製品の製造を主要事業とし、中型・大型の膜構造建築物の製造販売に注力してきた。これまで一貫生産により業績を伸ばしてきたが、東北復興需要の縮小や東京オリンピックの終了に伴い、膜構造建築物の需要は衰退すると予測されていた。一方で近年の酷暑対策によりシェードの需要は高まっているが、日よけ商品を製造する国内企業は少なく、欧米メーカーからの輸入品が多数出回っていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度従来のシェード製作では、日よけ製品で重要な生地の強度検査を目視のみで行っていた。
  • 生産能力生地を手作業で計測していた。
  • 人手・技能生地同士をつなぐ幅継をミシンで行っており、熟練工に依存していた。

やったこと

卓上精密万能試験機AGS-Xおよびエグザモ600F USBを導入し、生地の引張強度検査に加えて最終製品段階での破壊検査を可能にした。検尺裁断機を導入して生地の計測を自動化した。架式ハイブリッド高周波ウェルダーを設置し、幅40mm、長さ1200mmまでの生地をミシンではなく溶着で幅継できるようにした。これらの機器を今回改修した北多久工場に設置し、稼働を開始した。

検査測定卓上精密万能試験機AGS-X
検査測定エグザモ600F USB
加工機検尺裁断機
加工機架式ハイブリッド高周波ウェルダー

新しい製品・サービス:シェード(日よけ)製品

事業の効果

  • 導入から5年後には生産性を16%向上できる見込み

加工精度が飛躍的に向上し、安定した製品の製造が可能になった。従来は熟練工しかできなかった作業が自動化により新人でも行えるようになり、コスト面や人材育成の面でも改善が見込まれる。導入から5年後には生産性を16%向上できる見込みで、海外メーカーと対等に競争できる体制が構築された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    膜構造製造からシェード製品へ注力する経緯と、特殊膜加工技術を生かす方針が書かれており、既存事業との関連は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外メーカー製品が国内に多数出回る中で、国内で製造企業が少ない点と、全国10件以上の販売実績、特殊形状対応力が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    手作業の強度検査や手計測、ミシン幅継ぎが課題として認識され、設備導入で解消したことは読み取れるが、高付加価値化の数値目標は薄い。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    導入から5年後に生産性を16%向上できる見込みが立ったと具体的な数値が書かれており、目標値が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員120人や熟練工から新人への作業移管に触れるが、補助事業を遂行する体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    テント製品の丈夫さ、汎用性、運搬のしやすさといった強みや顧客業種は書かれているが、ターゲットのニーズ裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後のDX化やアウトドアファニチャー分野への検討はうかがえるが、スケジュールや課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    シェード製品は日本で浸透が進んでおらず、国内の製造企業が少ない点と、国内シェアナンバー1をめざす方針が書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    新たな雇用の創出や地域への波及は書かれておらず、国が補助する積極的理由はわずかにうかがえるだけである。

  • 費用対効果3

    生産性16%向上の見込みや、熟練工以外でも作業できるようになったコスト面の改善が書かれているが、投入額との比較は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    DX化の推進や展開ソフトの活用には触れるが、地域やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    膜構造需要の衰退を受けて成長分野のシェード製品へ移る点はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    多久市の本社や北多久工場など地域の拠点は書かれるが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後需要の拡大が見込まれるシェード製品の生産性向上と魅力ある商品開発を続け、国内シェアナンバー1、ゆくゆくは世界ナンバー1をめざす。アウトドアファニチャー分野への進出も検討している。職人技術に依存する工程も残るため、DX化を進めて品質と効率の向上を追求する。

  • 目標:全国で10件以上の販売実績がある

事業者の声

膜で街を未来を華やかに

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。