ものづくり補助金平成25年度製造業愛知県

印刷工程の見直しと新機能追加による生産プロセスの強化によるネイルシートの開発事業

株式会社イングカワモト

この事例のポイント

  • 新聞印刷のオフセット化や印刷業界のデジタル化の中で生き残るため、オンデマンド印刷の出力能力を高める必要があった。
  • 平成25年度補正中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業の活用で、新たに大型の出力機を導入した。
  • 大型の出力機の導入により、増え続ける受注に対応できる体制が整った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社イングカワモト
所在地愛知県 名古屋市
業種印刷・同関連業
技術分野表面処理
資本金1,000万円
設立1924年

事業の背景

大正14年創業の同社は、新聞広告用の写植と写真製版を長年主力としてきた。新聞印刷がオフセットに移り、マッキントッシュの登場で印刷データ作成が主流になるなど、印刷業界は大きく変わった。同社はオンデマンドデジタル印刷の出力センターや大判プリンターの導入、デザイン・DTP部門の拡充で対応してきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力新聞印刷のオフセット化や印刷業界のデジタル化の中で生き残るため、オンデマンド印刷の出力能力を高める必要があった。
  • 生産能力増え続ける小ロットの受注に対応できる体制が整っていなかった。

やったこと

平成25年度補正中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業の活用で、新たに大型の出力機を導入した。これにより増え続ける受注に対応できる体制が整った。ネイルシールは自社デザイナーが中心となって開発し、ネイルサロンに材料を販売するディーラーに積極的に売り込んだ。スポーツイベント向けのボディシールの開発と販売にも力を入れる考えである。

加工機大型の出力機

新しい製品・サービス:ネイルシール「ツメキラ」、レジンシール、タトゥーシール、スポーツイベント向けボディシール

事業の効果

大型の出力機の導入により、増え続ける受注に対応できる体制が整った。ネイルシールの「ツメキラ」は千鳥格子柄ブームの追い風を受けて大量の注文が入り、全国に知れ渡った。ビューティービジネス部門は全売上高の3分の1を占めるまでに成長し、平成28年にはネイルサロンとレジンシールの専門ショップを開いた。今後はオンデマンド印刷の小ロット市場の取り込みや安全性の高い接着剤の採用も進める考えである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    写真製版業からオンデマンド印刷、ネイルシール事業へ転換した経緯が記載され、過去の取組との連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    千鳥格子柄ブームを追い風に大量注文を受けたことや、社内デザイナーと設備・人材を活かした点から、外部環境と自社強みを踏まえた内容が読み取れる。

  • 課題の認識と解決2

    課題として生き残りのための策を打ってきたことはうかがえるが、解決に向けた事業計画の具体性や実効性は記載が少ない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    社内デザイナーや女性社員の人材、既存の設備・人材を活かした点は読み取れるが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ネイルサロン向けの中間価格帯の商品、ディーラーへの積極的な売り込み、小ロット需要の取り込みなど、顧客ターゲットと選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    大型出力機の導入や今後の東京オリンピック向けボディシール開発の方向性はうかがえるが、スケジュールや課題解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ネイルシールは数社が出していた分野で、中間価格帯で差別化したことは読み取れるが、高水準の高付加価値化の数値的根拠は薄い。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    地域の雇用創出や経済波及効果への言及は乏しく、国が補助する積極的理由は本文からは明確に読み取れない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    オンデマンド印刷の小ロット対応や安全・安心素材の開発はうかがえるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    ネイル・レジン・タトゥーシールなど成長市場への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    名古屋の地域企業であることは示されるが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済成長への寄与は記載されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

東京オリンピック開催などを見据え、スポーツイベント向けのボディシールの開発と販売に力を入れ、積極的なリサーチと新たなニーズの掘り起こしを進める考えである。時代の変化をチャンスととらえ、これまで培った業態から大きく舵を切ろうとしている。

事業者の声

「シールの可能性は無限」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。