ものづくり補助金平成29年度製造業佐賀県

プロセス改善による納期短縮とブランド・コンサルティング事業者への転換事業

鹿島印刷株式会社

成果納品までのリードタイム 7日→5日

この事例のポイント

  • 手作業の落丁工程がボトルネックとなり、小ロット・短納期の注文に対応できなかった。
  • 手作業だった落丁工程(紙からパッケージの型を抜いた後の不要な用紙部分をむしり落とす作業)に、㈱レザックの高速落丁機マスターブランカーBL-K103を導入し、自動化体制を構築した。
  • 納品までのリードタイム 7日→5日。高速落丁機の導入により手作業だった落丁工程の大半が機械化され、納期が平均7日から5日に短縮した。

事業者のプロフィール

事業者名鹿島印刷株式会社
所在地佐賀県 鹿島市
業種印刷・同関連業
従業員数58人
資本金9,000万円
設立1921年

事業の背景

当社は大正10年創業で、佐賀をはじめ九州全域と東京に拠点を持ち、レストランのメニュー表や企業パンフレット、カタログの印刷を主に手掛けている。パソコンやスマートフォンの台頭により、これらの市場は縮小が顕著になっている。現在は本事業で取り組むパッケージ印刷に最も注力しており、高級感と上質感を表現する印刷技術が評価され顧客の支持を集めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力手作業の落丁工程がボトルネックとなり、小ロット・短納期の注文に対応できなかった。
  • 品質・精度手作業のため複雑な形状に対応できず、折れや曲がりなど品質低下も発生していた。
  • 納期・工程納期面で失注するケースが頻発していた。

やったこと

手作業だった落丁工程(紙からパッケージの型を抜いた後の不要な用紙部分をむしり落とす作業)に、㈱レザックの高速落丁機マスターブランカーBL-K103を導入し、自動化体制を構築した。新規導入した機械は落丁工程を機械化・自動化でき、作業と段取り替えを含めた工程を1名体制で実施できる。これにより、印刷工程(機械化)、型抜工程(機械化)、落丁工程(機械化)からなるパッケージ製作の流れを自動化の方向へ進めた。また、UVインクジェットプリンターと大型カッティングマシンを導入し、5cmまでの厚みの資材や紙以外への印刷、小ロットからの提案が可能になった。

加工機㈱レザック高速落丁機 マスターブランカーBL-K103
加工機UVインクジェットプリンター
加工機大型カッティングマシン

新しい製品・サービス:パッケージ印刷(小ロット・複雑形状対応)およびUVインクジェットプリンターと大型カッティングマシンによる5cmまでの厚みの資材や紙以外への印刷

事業の効果

  • 納品までのリードタイム 7日→5日
  • 作業人員 3名→1名

高速落丁機の導入により手作業だった落丁工程の大半が機械化され、納期が平均7日から5日に短縮した。複雑な形状や多品種・小ロットへの対応により差別化できる体制も整った。機械化で折れ・曲がり等の不良がなくなり、作業スピードが上がって、作業人員が3名から1名に減り、余剰人員をデザイン部門へ配置できたことでブランド・コンサルティングサービスの充実が実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    パッケージ印刷への注力と高級感ある印刷技術の蓄積が書かれ、既存事業との一貫性がうかがえる。ただし経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    印刷市場縮小に触れつつ、高級感と上質感を表現する印刷技術が「パッケージで商品価値を高められる印刷会社」という評価を得ていると具体的に述べている。

  • 課題の認識と解決5

    手作業の落丁工程がボトルネックだと認識し、平均7日から5日へのリードタイム短縮と作業人員3名から1名への削減という数字で課題解決を示している。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    リードタイム7日から5日への短縮、作業人員3名から1名への削減、余剰人員のデザイン部門配置など、数字つきの目標と成果が示されている。

  • 事業を進める体制3

    1名体制で工程を実施でき、既存の事業体制やプロジェクトチームの専門部署化に触れているが、補助事業の遂行体制の詳細は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小ロット・短納期の顧客ニーズを具体的に示し、複雑形状や多品種対応で差別化できる点を述べ、選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望として専門部署の設置や販売戦略提案型のコンサルティング事業など段階的な方向が書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    パッケージ印刷は一般的な印刷分野だが、高級感ある表現と複雑形状の対応で高付加価値化を図る点がうかがえる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    地域の印刷会社として佐賀や九州に拠点を持つことはわかるが、波及効果や雇用創出の国が補助する積極的理由は明示されていない。

  • 費用対効果4

    投資により作業人員3名から1名に削減し、他工程の増員やデザイン部門の増員につながったと成果が具体的に書かれている。

  • イノベーションへの貢献3

    UVインクジェットプリンターと大型カッティングマシンの導入で小ロット提案が可能になったとあるが、サプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    印刷からブランド・コンサルティングへの事業転換が書かれ、市場変化への対応がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    佐賀をはじめ九州全域に拠点があることはわかるが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への言及は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ブランド・コンサルティング事業の組織体制を整備し、プロジェクトチームを専門部署へ発展させて事業展開のスピードを上げる。失注した先や長期未接触先へ積極的にアピールし、デザイン事務所やマーケティング専門のコンサルタントと連携して販売戦略提案型のブランド・コンサルティング事業者モデルを実現する。独自開発のペーパークラフトを幼稚園、保育園、小学校、老人ホーム、介護施設等へ売り込み、SDGsを中心としたものづくりを支援する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。