ものづくり補助金平成25年度製造業三重県

NC複合旋盤の導入によるベアリング部品の生産体制強化計画

有限会社ハシモト精機

成果真円度 0.25μm→0.2μm

この事例のポイント

  • 自動車部品への高精度・短納期要求が高まっており、現有設備では精度向上や短納期への対応が難しかった。
  • 設備発注にあたり、工場内で設置場所や仕様の技術的課題を検討し、設備メーカーとのヒアリングを経て、φ80mmまでビルトインできる仕様のNC複合旋盤を発注した。
  • 真円度 0.25μm→0.2μm。真円度0.2μm、面粗度0.16μmを達成し、直径50mm以上の部材もぶれなく加工できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社ハシモト精機
所在地三重県 伊賀市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数44人
資本金1,000万円

事業の背景

同社は自動車、自転車、農業機械、一般工作機、産業用ロボット等に使うベアリングの外輪・内輪・保持器の製造を主力とし、自動車シートベルト巻き取り部分の組立も行っている。保持器は削りだし・穴あけ加工による特殊品で、プレス品に比べ回転の質がよく静かなため工作機械などで使われている。自動車業界では燃費性能向上やモデルチェンジによる商品サイクルの短縮が進み、精度と納期への要求が年々厳しくなっている。取引先からは直径の大きいベアリングの依頼も多く、短納期・高精度化・低コスト化の改善要望があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力自動車部品への高精度・短納期要求が高まっており、現有設備では精度向上や短納期への対応が難しかった。
  • 品質・精度直径50mm以上の大きな棒材は旋盤の主軸径内に入らず、チャック部分のみでの固定となるため、加工時の振動によるぶれが生じやすかった。
  • コスト・採算材料の端20mmが製品にならず廃棄されており、加工にも穴あけを複数回要するなどコストと加工時間がかさんでいた。

やったこと

設備発注にあたり、工場内で設置場所や仕様の技術的課題を検討し、設備メーカーとのヒアリングを経て、φ80mmまでビルトインできる仕様のNC複合旋盤を発注した。納品後はレイアウト改善と動作不良の有無チェックを行い検収した。プログラムの突き出し量はチャックから60mmが最適と確認し、引っ張り出し装置のチャックを調整してワークをチャックから60mmとした。試運転では外径φ60の材料を用い、直径50mm以上の部材もビルトインでき、振動によるぶれが減った。

加工機NC複合旋盤

新しい製品・サービス:NC複合旋盤機の導入によるφ80mmまでの大径ベアリング部品の高精度・短納期加工

事業の効果

  • 真円度 0.25μm→0.2μm
  • 面粗度 0.46μm→0.16μm
  • 納期 30日→20日
  • 生産数(5日間) 292個→447個
  • トータルコスト 10%削減の目標に対し11%削減
  • 消費電力 32.9kva→28.7kva
  • 原材料費 6.7%低下
  • 生産コスト 33.3%削減

真円度0.2μm、面粗度0.16μmを達成し、直径50mm以上の部材もぶれなく加工できるようになった。5日間の生産数は292個から447個となり、納期は30日から20日に短縮できる見込みが立った。材料の端材削減、消費電力の低下、生産コストやトータルコストの削減も確認された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    ベアリング保持器の削りだし・穴あけ技術を強みとし、自動車部品向け高精度・短納期要求への対応として設備増設を位置づけている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自動車部品の精度・納期要求の高まりを市場動向として挙げ、削りだし・穴あけ技術を強みに競争力強化を図ると記述している。

  • 課題の認識と解決5

    真円度0.25μm目標に0.2μm、納期30日を20日に短縮、トータルコスト11%削減など、課題に対応する数値目標と検証結果が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    生産性292個から447個(1.5倍)、トータルコスト11%削減など数値目標を設定し、試運転で達成を確認している。

  • 事業を進める体制2

    従業者数44名は示されているが、補助事業を担う体制や人材、事務処理能力についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    取引先からの短納期・高精度・低コストの要望に応えると書かれているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    試運転、突き出し量の調整、5日間の生産比較など、遂行方法と検証手順が段階的に示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    削りだし・穴あけによる特殊保持器を製作しているとあるが、分野の普及度や高価格化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    自動車・産業機械など幅広い分野に使われると記述があるが、経済波及や雇用創出などの国が補助する理由は示されていない。

  • 費用対効果4

    トータルコスト11%削減、生産性1.5倍、材料費6.7%低減など費用対効果を示す数値が複数記載されている。

  • イノベーションへの貢献2

    NC複合旋盤の導入は書かれているが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献についての記述は限定的である。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    三重県伊賀市と京都府の所在地は記載されているが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

顧客満足度や受注能力の向上により、売上全体の増加と利益率の向上につなげている。平成30年には100mmの材料に対応する新たなNC複合旋盤機を導入し、取引先の改善要望や受注の拡大に対応するとともに、従業員の福利厚生の充実と作業環境の改善も図っている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。