ものづくり補助金平成25年度製造業三重県

痔疾用剤における注入軟膏の商品開発及び自社生産対応について

中外医薬生産株式会社

この事例のポイント

  • 痔疾用剤の商品ラインナップを拡充するため、注入軟膏を自社で製造できる体制を整える必要があった。
  • 有効成分4種類に加え、他社製品にはない殺菌剤と収斂剤を配合した処方を検討した。
  • 注入軟膏を含む痔疾用剤の軟膏・坐剤・注入軟膏の3製剤を、自社で製品開発から製造まで一貫して対応できる体制となった。

事業者のプロフィール

事業者名中外医薬生産株式会社
所在地三重県 伊賀市
業種化学工業
従業員数83人
資本金5,330万円

事業の背景

当社は製薬会社として痔疾用剤の坐剤及び軟膏を自社製品として製造し、坐剤では一定の製造シェアを確保している。痔疾用剤はニッチ産業であるが、今後ブランドを構築しシェアを拡大するため、注入軟膏の開発に取り組むこととした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力痔疾用剤の商品ラインナップを拡充するため、注入軟膏を自社で製造できる体制を整える必要があった。
  • 新製品・新技術水溶性のマクロゴール基剤は安定性、浸透性、溶解性に問題が生じるため、処方の確立が課題であった。
  • 人手・技能注入軟膏の使用感に影響する独自形状の容器を開発し、それを製造できる設備が必要であった。

やったこと

有効成分4種類に加え、他社製品にはない殺菌剤と収斂剤を配合した処方を検討した。使用感の滑らかなマクロゴールを基剤に用いたが、安定性を確保するためワセリンとの混合基剤を試作した。使いやすい独自デザインの容器を、医薬品かつ小型容器に対応できるプラスチックメーカーに製造を依頼し、肉厚の違いによる曲面の柔らかさや中折れ、嵌合性の問題を設計変更で解決した。注入軟膏充填機はニッチ市場のため国内大手機械メーカーでは扱いがなく、取引先からの情報で対応可能な中小メーカーをカスタム仕様で発注した。2015年8月に搬入・設置・調整を行い、仕様確認、動作確認、量産実験で充填精度(含量均一性)と出栓性を確認して製造工程を確立した。

加工機注入軟膏充填キャッパー包装機

新しい製品・サービス:注入軟膏

事業の効果

注入軟膏を含む痔疾用剤の軟膏・坐剤・注入軟膏の3製剤を、自社で製品開発から製造まで一貫して対応できる体制となった。この3種類を社内で開発・製造できる製薬メーカーは全国でも珍しい。容器は意匠権の申請を行い、処方は基剤変更などの再検討により安定性を担保した。大手ドラッグストアからの引き合いもあり、自社商品とPB商品として販路拡大を進める。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の坐剤・軟膏の製造シェアと痔疾用剤のブランド構築という方針が書かれているが、経営戦略上の位置づけを数字で示す記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    他社製品との差別化としてマクロゴール基材の滑らかな使用感と殺菌・収斂成分が挙げられているが、市場動向の数値は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    ラインナップ拡充の課題と対応は書かれているが、高付加価値化や成長につながる計画の数値は読み取れない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、わずかに売上拡大の方針がうかがえる程度。

  • 事業を進める体制2

    研究開発から製造・販売まで一貫した体制とあるが、補助事業の遂行体制の人員や事務処理能力の記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大手ドラッグストアから引き合いがあり、独自デザイン容器で挿入しやすく押し出しやすい点が選ばれる理由として具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋4

    処方、容器、製造機器、製造工程の4項目に目標と結果が時系列(平成27年8月の設置等)で整理され、課題と解決方法も明確。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    痔疾用剤はニッチ産業と明記され、3製剤を社内で製造できる企業は全国でも珍しいとされている。

公的補助の必要性27%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    独自容器の意匠権申請などはあるが、デジタル技術やサプライチェーンのイノベーションへの貢献はうかがえる程度。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    三重県伊賀市の拠点は示されているが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

大手製薬会社との共同開発によるOEM生産に取り組み、痔疾用剤メーカーとしてのノウハウを活かして売上拡大を図る方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。