ものづくり補助金平成27年度製造業兵庫県

ハープを主成分とした頭皮・頭髪ケア製品の海外オーガニック市場への展開に向けた高品質化

株式会社THE HERBS

成果未開封の化粧品は菌の数ゼロを実現した

この事例のポイント

  • 海外のオーガニック市場に投入するには完全滅菌した製品が必要だが、従来の設備ではそれに対応できなかった。
  • 高圧・高温滅菌機であるオートクレーブとクリーンベンチを導入し、従来の常圧加熱殺菌に代えて加圧高温殺菌を行い、検査も徹底した。
  • 未開封の化粧品は菌の数ゼロを実現した。高圧・高温滅菌機とクリーンベンチの導入により、未開封の化粧品の菌数がゼロとなり、完全な無菌化が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社THE HERBS
所在地兵庫県 芦屋市
業種化学工業
技術分野材料製造プロセス,精密加工
従業員数14人
資本金1,200万円
設立1886年

事業の背景

1886年の創業以来、植物成分の研究に取り組み、化学原料を極限まで抑えたオリジナル化粧品を製造してきた。平成7年に海外から引き合いがあり、現地の展示会や美容サロンでの体験会で海外のオーガニック市場に合う可能性を見いだした。国内では特にヘアケア製品に需要があり、全国の美容院やエステサロン、販売代理店へ卸販売している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度海外のオーガニック市場に投入するには完全滅菌した製品が必要だが、従来の設備ではそれに対応できなかった。
  • 品質・精度海外では水質の違いで泡立ちが悪く、気温や湿度の差で内容物が変質しやすく、菌の発生や変質のリスクが高かった。
  • 新製品・新技術防腐剤などの化学原料を減らしたまま保存性と安全性を両立させる製法が確立されていなかった。
  • 人手・技能化学原料を極限まで減らした製造ノウハウが高齢の前工場長の経験と勘に頼っており、標準化されていなかった。

やったこと

高圧・高温滅菌機であるオートクレーブとクリーンベンチを導入し、従来の常圧加熱殺菌に代えて加圧高温殺菌を行い、検査も徹底した。製造工程の順番や温度、水分量を見直し、分離や固まりにくさなどの問題点を一つずつ解決してオリジナル製法を確立した。防腐剤や抗菌剤などの化学原料を最小限にする、または完全無添加としながら、製品の安定性と完全な無菌化を実現した。

  • 加工機オートクレーブクリーンベンチ

新しい製品・サービス:100%植物由来の頭皮・頭髪ケア化粧品(防腐剤を含まない高品質製品)

事業の効果

  • 未開封の化粧品は菌の数ゼロを実現した

高圧・高温滅菌機とクリーンベンチの導入により、未開封の化粧品の菌数がゼロとなり、完全な無菌化が可能になった。防腐剤を増やさずに製品の安全性と保存性を確保できるようになった。前工場長の製造ノウハウを標準化したことで、若い従業員でも同じ化粧品を再現し安定供給できるようになった。海外市場への展開に向けた製品の信頼性が高まった。

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.4 / 514観点のうち12観点で評価

この事例が強かった観点

  • 5
    新しさ・高付加価値100%植物由来で無添加・完全無菌の化粧品を、大手が扱わない処方で作り高付加価値化を図る点が明確に示されている。
  • 4
    これまでの取組との一貫性1886年の創業以来、植物成分研究と化学原料を抑えた製品開発に取り組んできたとあり、海外展開も平成7年の引き合いから継続しており一貫性がある。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性海外オーガニック市場への適合と、無添加・完全無菌化の独自処方で他社と差別化する強みを、現地展示会や体験会の知見を踏まえて整理している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標海外展開や販路拡大の方向は示されるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は記載がなく、実現可能性は判断しにくい。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    1886年の創業以来、植物成分研究と化学原料を抑えた製品開発に取り組んできたとあり、海外展開も平成7年の引き合いから継続しており一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外オーガニック市場への適合と、無添加・完全無菌化の独自処方で他社と差別化する強みを、現地展示会や体験会の知見を踏まえて整理している。

  • 課題の認識と解決4

    変質リスクや菌発生という課題を認識し、オートクレーブ導入と製造ノウハウの標準化で菌数ゼロを実現し、安定供給体制を構築している。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標2

    海外展開や販路拡大の方向は示されるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は記載がなく、実現可能性は判断しにくい。

  • 事業を進める体制4

    前工場長のノウハウを若い従業員が再現できるよう標準化し、オリジナル製法を確立して安定供給できる体制が整っている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    40代以降の頭皮悩みを持つ男女に人気があり、販売実績や大丸神戸店出店など、ターゲットと選ばれる理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    製造ノウハウの標準化やEコマース、越境EC、提携など販路拡大の方法を段階的に示しており、課題解決の方向は妥当である。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性5.0
  • 新しさ・高付加価値5

    100%植物由来で無添加・完全無菌の化粧品を、大手が扱わない処方で作り高付加価値化を図る点が明確に示されている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    メイドインジャパン化粧品として海外へ発信し販路を拡大する意義が示されるが、雇用や波及効果への言及は薄い。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    加圧高温殺菌や製造工程の見直しにより、防腐剤を減らした安全な製品を実現しており、従来手法からの改善が示されている。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    芦屋の地域性への言及はなく、地域の特性を活かした雇用創出や地域成長への寄与は読み取りにくい。

今後の展望

国内ではシャンプーの需要が今後も伸びると見込んでおり、ECサイトや越境EC、インバウンドを活用して海外への新たな販路開拓に取り組む計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。