ものづくり補助金平成25年度製造業滋賀県

船舶用エダクターのオーダーメード製造、及び量産化体制の確立

松尾バルブ工業株式会社

成果従来汎用旋盤で行っていた加工時間をほぼ半分に短縮

この事例のポイント

  • 船舶用バルブは競合が多く、造船業の低迷の中で新たな価値を提供する必要があった。
  • 精密CNC旋盤を導入し、ステンレス製のマザーモデルを試作した。
  • 従来汎用旋盤で行っていた加工時間をほぼ半分に短縮。加工時間がほぼ半分に短縮され、加工精度と小ロット生産のコストが改善した。

事業者のプロフィール

事業者名松尾バルブ工業株式会社
所在地滋賀県 彦根市
業種生産用機械器具製造業
技術分野立体造形
従業員数38人
資本金1,000万円
設立1958年

事業の背景

当社は船舶及び下水道処理施設向けにバルブを製造・販売している。日本の造船業が低迷する中、船舶用バルブは競合が多い状況だった。エダクターは特定企業の独占状態にあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術船舶用バルブは競合が多く、造船業の低迷の中で新たな価値を提供する必要があった。
  • 品質・精度エダクター内部のわずかな形状の違いで吸い込み性能が大きく変わるため、高い吸い込み性能を実現する必要があった。
  • コスト・採算要求品質を満たしつつ、製品価格を抑える必要があった。
  • 人手・技能社内に流体力学の専門家がおらず、開発に必要な知見が不足していた。

やったこと

精密CNC旋盤を導入し、ステンレス製のマザーモデルを試作した。従来汎用旋盤で行っていた加工時間をほぼ半分に短縮し、加工精度も向上させた。社内人材の力で1モデル30本以上の試作を経て、マザーモデルを完成させた。実機試験にも対応した。

加工機精密CNC旋盤

新しい製品・サービス:船舶用エダクターのオーダーメード製品

事業の効果

  • 従来汎用旋盤で行っていた加工時間をほぼ半分に短縮
  • 他社の従来製品より3割程度性能的に上回る
  • 上場大手造船会社を含む8社との新規取引を開始

加工時間がほぼ半分に短縮され、加工精度と小ロット生産のコストが改善した。製品は他社従来品より性能が約3割高く、価格面でもインパクトがあると評価された。口コミで新規の引き合いが相次ぎ、8社との新規取引を開始した。商社を通さず直接販売でき、収益性の向上につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来は船舶用バルブ製造が中心で、今回のエダクター開発は事業の延長線上にあるが、経営戦略上の位置付けは文章から明確には読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    特定企業の独占状態だったエダクターに参入し、他社従来製品より3割程度性能が高く価格も抑えたと具体的に書かれており、競争優位性が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    小ロット生産のコスト高や吸い込み性能の課題を認識し、精密CNC旋盤導入で加工時間をほぼ半分に短縮した具体的な対策が書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    加工時間をほぼ半分に短縮、直接販売で収益性向上とあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、目標値の具体性は薄い。

  • 事業を進める体制3

    流体力学の専門家はいなかったが、社内人材が1モデル30本以上の試作を経て完成させたとあり、体制面の記述はあるが具体性は限定的。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    性能3割上回りつつ価格にインパクトがあるという顧客コメントや、船ごとの仕様に迅速に小ロット対応する点が、選ばれる理由として示されている。

  • 事業化までの道筋3

    中長期では流体力学の知見と精密加工の融合や社員教育、3D CADのCAM発展が述べられ、方向性はあるがスケジュールは明確でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    特定企業が独占していたエダクター分野で、他社納入実績のない中で開発し高い性能と低価格を両立させた高水準の高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    造船業低迷への言及はあるが、地域経済波及や雇用創出などの国が補助する積極的理由は文章からはわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果3

    加工時間の半減や小ロットコスト大幅低減、8社の新規取引開始など効果は示されるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    精密加工と流体力学の融合やCAM発展への言及はあるが、デジタル技術によるサプライチェーン全体のイノベーション貢献は具体的には書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    拡大する世界の船舶用バルブ市場への展開や「課題解決メーカー」への転換が示され、構造転換に資する方向性がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    滋賀県彦根市の企業である点は示されるが、地域の特性を活かして雇用や地域成長を牽引する記述は文章からはわずかにうかがえる程度。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

拡大する世界の船舶用バルブ市場に加え、流体力学の知見を生かして「流体力学と精密加工によるお客様の課題解決メーカー」への転換を目指す。3D CADのCAM発展やIT投資、若手社員の教育と定着も進める。

事業者の声

当初想定よりも3割程度性能的に上回る製品であるだけでなく、価格的にもインパクトがある。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。