ものづくり補助金平成25年度製造業京都府

次世代高密度FPD製造装置部品の製作における高精度化と超短納期化

株式会社山内製作所

この事例のポイント

  • 加工条件や検査測定にムラが生じており、寸法が外れたときに加工上の課題なのか測定上の課題なのか分かりにくかった。
  • 三次元測定器(東京精密 SVA1000A-C6)を導入し、測定のデジタル化と測定結果の安定化を図った。
  • 三次元測定器の導入により、これまであった測定ムラはなくなり、職人の熟練技術や製作ノウハウを数値化して正確に精度を保証できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社山内製作所
所在地京都府 久世郡久御山町
業種金属製品製造業
従業員数11人
資本金1億円
設立2014年

事業の背景

代表取締役の山内衛は12年間、専務の山内通は40年間、精密部品加工や真空チャンバーに携わってきた。会社は2012年9月に創業し、2014年2月に法人化した比較的新しい会社で、職人気質の技術者が集まっている。主な取引先は半導体製造装置メーカーで、装置に使われるアルミやステンレス等の部品加工が主な事業である。次世代型FPD製造装置の需要が拡大し、顧客から納期短縮の要請があった一方、加工レベルが上がりつつある海外事業者との競争もあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度加工条件や検査測定にムラが生じており、寸法が外れたときに加工上の課題なのか測定上の課題なのか分かりにくかった。
  • コスト・採算加工と測定に多くの工具が必要で、保管・管理や専用検査具、測定時間にコストがかかり、加工と測定の繰り返し回数も多かった。
  • 納期・工程顧客の急な図面変更が頻繁にあり、フレキシブルに対応できる設備が必要だったうえ、加工工程が複雑で段取り替えの回数が増えていた。

やったこと

三次元測定器(東京精密 SVA1000A-C6)を導入し、測定のデジタル化と測定結果の安定化を図った。測定時の温度条件を安定させるための温度管理を行い、新しい製品ごとの測定プログラムや操作手順をルール化して、測定者による結果のばらつきをなくした。お客様と協力して当社の品質体系を構築し、最終的にはお客様の品質検査を請け負えるまで信頼性を高めた。小型マシニングセンターを導入し、段取り替えや加工時間の短縮を図った。

検査測定三次元測定機(東京精密 SVA1000A-C6)
加工機小型マシニングセンター

事業の効果

三次元測定器の導入により、これまであった測定ムラはなくなり、職人の熟練技術や製作ノウハウを数値化して正確に精度を保証できるようになった。これにより当社の評価が高まり、安定した信用を得ている。小型マシニングセンターの導入では段取り替えや加工時間を短縮でき、フレキシブルな対応が可能になった。この結果、これまで以上に難易度の高い仕事の引き合いを多くいただけるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の溶接・精密加工の経験や熟練技術が強みとして述べられ、過去の取組との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    高真空チャンバーや気密溶接での高評価や、海外事業者との競争に言及がある。強みと外部環境の関係は一般的な記述にとどまる。

  • 課題の認識と解決4

    測定ムラ・段取替時間・納期などの課題を整理し、三次元測定器と小型マシニングセンターで解決する流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    納期短縮や効率化は述べられているが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    職人の熟練技術や品質体系の構築、顧客との協力に触れているが、人材配置や事務体制の具体は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は半導体製造装置メーカーで、高精度な供給体制や超短納期への対応が選ばれる理由として具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋2

    2020年10月の工場集約移転など後の展開は触れられているが、補助事業の遂行スケジュールや課題解決の方法の詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高真空チャンバーや気密溶接など、高水準の付加価値製品を扱うことは述べられているが、数値的な高価格化の根拠はない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    次世代FPD製造装置の需要拡大に触れるのみで、波及効果や雇用創出などの国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値が示されておらず、費用対効果は読み取りにくい。

  • イノベーションへの貢献2

    三次元測定器による測定デジタル化は述べられているが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献までは書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    次世代型FPD製造装置という成長分野の需要に触れているが、日本経済の構造転換との関係は示されていない。

  • 地域経済への波及2

    京都府久御山町の立地は示されているが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2020年10月に分散していた工場を一箇所に集約移転し、さらに作業効率を高めたいと考えている。

事業者の声

誰かが何かを作りたい。そんなときに当社にご相談いただき、お客様の思いを形にすること

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。