ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

羽毛布団側地の高品質化と、ニッチな分野に供給するための設備導入

飯田産業合資会社

成果織機の稼働率 65%→80%

この事例のポイント

  • 新興国でも人件費が高騰しているなか、日本で織布業を続けるには人手のかからない機械を導入できるかどうかが勝負になる。
  • 超極細綿糸をタテ糸・ヨコ糸に用いた羽毛布団側地の生産を始めるため、エアージェット織機3台を導入した。
  • 織機の稼働率 65%→80%。エアージェット織機の導入により、超極細高密度織物を1日30mの生産で安定的に作れるようになり、織機の稼働率も向上した。

事業者のプロフィール

事業者名飯田産業合資会社
所在地大阪府 和泉市
業種繊維工業
技術分野機械制御,材料製造プロセス
従業員数25人
資本金3,500万円
設立1948年

事業の背景

同社は昭和23年設立で、主力は布団カバーやシーツなどの寝装用の側生地織物である。羽毛布団側地の国内シェアと技術はトップレベルで、タテ糸・ヨコ糸それぞれ250本、合計500本の製織技術を確立している。一方で羽毛価格は世界的に高騰しており、新興国でも人件費が高騰しているため、コスト競争力を高める必要があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力新興国でも人件費が高騰しているなか、日本で織布業を続けるには人手のかからない機械を導入できるかどうかが勝負になる。
  • 新製品・新技術羽毛布団側地には今後いっそうの高級感が求められると予想されるが、超極細綿糸や機能性素材を用いた新しい織物を作る体制が必要だった。
  • 納期・工程主力取引先の直営織布工場の閉鎖に伴い供給依頼が増える見込みだが、短納期で受注に応える生産体制が不足していた。

やったこと

超極細綿糸をタテ糸・ヨコ糸に用いた羽毛布団側地の生産を始めるため、エアージェット織機3台を導入した。エアー圧力1分間370回転で稼働させたところ、稼働率は旧織機の65〜70%から80%に向上した。超極細高密度織物を織機回転数370回で80%安定稼働させることで1日30mの生産が実現し、一回の受注量5,000mの超極細高密度織物を3台で短納期に受注できるようになった。高速で織れることだけでなく、新しい織機で回転数を落として丁寧に織ることで高品質な織物を作ることを狙った。

加工機エアージェット織機

新しい製品・サービス:超極細・高密度の羽毛布団側地織物

事業の効果

  • 織機の稼働率 65%→80%
  • 資材織物の縫い上がり 1倍→1.4倍

エアージェット織機の導入により、超極細高密度織物を1日30mの生産で安定的に作れるようになり、織機の稼働率も向上した。3台での製織により5,000mの受注にも短納期で対応できるようになった。資材織物の縫い上がりは旧機械比1.4倍となり、品質面の向上につながった。短納期対応と人件費のコストダウンも図られ、インバウンド向けの特注に対応できる体制も整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    昭和58年のエアージェット織機導入を皮切りに、平成9年、10年、20年と定期的に新しい織機を導入してきた経緯が書かれており、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性5

    羽毛布団側地の国内生産でのシェアと技術はトップレベルで、タテ糸・ヨコ糸とも250本の合計500本の製織技術を確立していると数字で示されている。

  • 課題の認識と解決4

    主力取引先の直営工場閉鎖で供給依頼が増えるとの課題認識があり、3台導入による短納期対応と人件費削減を具体的な効果として示している。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    稼働率80%や1日30mの生産、旧機比1.4倍の縫い上がりなど数値目標はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員25名という規模は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理の体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    超極細・高密度の羽毛布団側地や、受注量5,000mを短納期で受けられる点など、製品の価値と選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後も新しい織機を導入し大量生産体制を図るとの方針はあるが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    超極細・高密度の羽毛布団側地を、国内でトップレベルのシェアと技術で生産しており、同分野で高水準の高付加価値化を図っていることがうかがえる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    自動車用サイドエアーバッグや医療用テーピング基布の生産が順調とあるが、経済波及効果や雇用創出への言及は見当たらない。

  • 費用対効果2

    稼働率の改善や人件費のコストダウンは書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    新しい織機の導入で生産体制を高度化したことはうかがえるが、先端的なデジタル技術の活用やビジネスモデルの変革は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    大阪府和泉市の泉州地域で他にない織物を作る工場とあるが、地域の雇用や経済成長を牽引する記述は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も新しい織機を導入し、大量生産できる体制を図っていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。