ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

『大型油圧プレス機導入による生産能力向上と効率化計画』

株式会社豊里金属工業

成果加圧能力 300t→1,000t

この事例のポイント

  • 従来の設備は加圧能力が300tしかなく、周辺企業にも大型プレスを持つ企業がなかった。
  • 補助事業では、加圧能力1,000tの油圧プレス機を真鍋鉄工(株)(大阪市大正区)にオーダーメードで発注して導入した。
  • 加圧能力 300t→1,000t。加圧能力の向上により、従来は数回に分けて絞っていた加工品を一度の加工で仕上げられるようになり、納期のさらなる短縮につな…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社豊里金属工業
所在地大阪府 大阪市東淀川区
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数14人
資本金1,000万円

事業の背景

「豊里金属工業」は、鉄・アルミ・ステンレス・チタン・銅など多様な金属を板厚0.025〜16mm以上で加工する試作板金加工を中心とする企業である。主要顧客は家電産業で、従来は多数を試作して新製品を生み出してきたが、現在は3Dデータで検討を重ねた上で少数を試作する手法に変わっている。家電分野ではこれまで電子レンジなどの小型板金部品が主だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の設備は加圧能力が300tしかなく、周辺企業にも大型プレスを持つ企業がなかった。
  • 品質・精度加圧能力が不足すると、大型の複雑な絞り加工でひずみが出て、ガラスなどに負荷がかかり割れにつながる。
  • 集客・繁閑家電の試作が3Dデータによる検討後の少数試作へ移り、これまでの商品だけを対象にしていると受注数が減ってしまう。

やったこと

補助事業では、加圧能力1,000tの油圧プレス機を真鍋鉄工(株)(大阪市大正区)にオーダーメードで発注して導入した。新しいプレス機のベッド面は1,300×1,300mmで、大きなサイズの加工品を一度にプレスできる。従来の300tプレス機では数回に分けて絞っていた加工品も一度の加工で行えるようになった。例えば70インチテレビのステンレス製バックパネルのように、加圧能力不足でひずみが生じやすい大型の複雑な絞り加工にも対応できるようになった。また、ヤマザキマザック製マシニングセンター「VCS530 CLH」を導入し、複雑形状の金型加工のスピードと精度を上げた。

加工機油圧プレス機(加圧能力1,000t、ベッド面1,300×1,300mm)
加工機ヤマザキマザック製マシニングセンター「VCS530 CLH」

新しい製品・サービス:大型家電の試作部品

事業の効果

  • 加圧能力 300t→1,000t

加圧能力の向上により、従来は数回に分けて絞っていた加工品を一度の加工で仕上げられるようになり、納期のさらなる短縮につながった。大型プレスによって洗濯機など一回り二回り大きい家電製品の受注がとれるようになり、受注製品の多様化に手応えを得ている。既存顧客からも新たな種類の製品の試作依頼が増え、受注は着実に伸びている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成26年にものづくり補助金で高効率加工機を導入し、今回も加工能力の拡張を進めた流れが読み取れる。戦略上の位置付けは明記が少ない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    家電試作で3Dデータ検討後の少数試作へ市場が変化したと分析し、1,000tプレスで大型家電試作に参入した点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    加圧能力不足によるひずみやガラス割れのリスクを課題として挙げ、1,000tプレス導入と一度加工による納期短縮で解決する計画が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。納期短縮や海外対応の方向性のみ。

  • 事業を進める体制3

    社長と専務の体制や社員が貿易業務を学んでいる点はあるが、人員数や事務体制の具体的記載は限定的。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットは家電産業、顧客は海外日系企業と明確で、品質・短納期・低価格を選ばれる理由として整理している。

  • 事業化までの道筋3

    海外対応へ向けた社員の貿易業務学習や体制整備の着手が書かれるが、スケジュールや課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    板厚6mmのハイテン材の絞り、同業他社で対応できない難加工を受けるなど、高付加価値の加工分野で差別化が示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    大型家電試作の地域内での受注や海外日系企業への供給を述べるが、雇用創出や波及効果の記載は弱い。

  • 費用対効果3

    従来300tで数回に分けていた加工が一度で可能になり納期短縮につながると書かれるが、投資額に対する効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献3

    ネット環境で遠方との技術打ち合わせを可能にしたとあり、デジタル活用は読めるがサプライチェーンへの貢献は限定的。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    海外展開や大型家電分野への進出は書かれるが、日本経済の構造転換に資する旨の記述は薄い。

  • 地域経済への波及3

    大阪市東淀川区の地域企業として大阪の協力会社と連携する点はあるが、地域特性を活かした成長牽引の記載は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

海外の日系顧客と直接やり取りできる環境を整えるため、インボイスなど貿易業務の勉強を社員が進めている。顧客が望む納期とコストを海外でも提供できるよう、体制整備を加速している。

事業者の声

展示会でも足を止めてくれる人が増え、加工品を見て『ここまでできるのか』と言われることも

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。