ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

レアメタル含有金属廃棄物中のNi・Co・Mo・W含有金属選別回収率の向上計画

西川商工株式会社

成果レアメタル含有原料の取り扱い数量 160t/月→165t/月

この事例のポイント

  • 金属スクラップの選別は作業員の経験に頼る部分が大きく、正確性や回収率に限界があった。
  • エネルギー分散型蛍光X線分析装置「EDX-7000」を導入し、複数のサンプルを一度に分析できるようにした。
  • レアメタル含有原料の取り扱い数量 160t/月→165t/月。分析器の導入で成分分析の精度が上がり、選別の正確性が高まった。

事業者のプロフィール

事業者名西川商工株式会社
所在地大阪府 大阪府堺市
業種鉄鋼業
技術分野材料製造プロセス
従業員数75人
資本金3,315万円

事業の背景

西川商工は大阪府堺市内に4営業所を置き、製造現場や建設・解体現場から出る鉄・アルミ・銅・ステンレスなどの金属廃棄物を回収し、選別と加工をして製造業に原料として販売している。都市鉱山と呼ばれる廃棄物中の金属に注目が集まり、限られた金属資源を有効活用する役割が重視されている。従業員は75名である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度金属スクラップの選別は作業員の経験に頼る部分が大きく、正確性や回収率に限界があった。
  • コスト・採算旧型の蛍光X線分析装置は分析に時間がかかり、液体窒素を定期的に充填する必要があってコスト面の課題もあった。
  • 人手・技能見た目で判別できない金属は重機などで大まかに選別した後、手作業と成分分析に頼っていた。
  • 品質・精度分析数値データを示せないため、買い取りや販売の価格の根拠を取引先に客観的に説明できなかった。

やったこと

エネルギー分散型蛍光X線分析装置「EDX-7000」を導入し、複数のサンプルを一度に分析できるようにした。従来の装置と違い液体窒素の補充が不要になり、マグネシウムなどの軽元素にも対応できるようになった。さらに、携帯型のレーザー発光ハンドヘルド金属材料判別器を平成27年4月に導入し、作業現場で即時に分析できるようにした。二種類の分析器を使い分けることで、迅速な選別と価格提示が可能になった。

検査測定エネルギー分散型蛍光X線分析装置「EDX-7000」
検査測定レーザー発光ハンドヘルド金属材料判別器

事業の効果

  • レアメタル含有原料の取り扱い数量 160t/月→165t/月
  • 鋳造向け原料の販売量 700t/月→1,000t/月

分析器の導入で成分分析の精度が上がり、選別の正確性が高まった。分析時間が短くなり、液体窒素の補充も不要になったため、作業の効率化と費用面の削減が進んだ。客観的な分析データを示せるようになり、取引先に価格の根拠を明確に説明でき、信頼性が高まった。その結果、成分が保証された鋳造向け原料を高価格で販売できる見通しが立ち、新規顧客の開拓にも有利になると期待している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    都市鉱山の金属リサイクルを手がけ、2015年に分析器を導入して選別を強化し、3年以内に月約160tから165tへの取扱増を目指すと書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    分析器による正確な成分保証で、鋳造向け原料を月約700tから1,000tへ、高価格で販売する計画が具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    作業員の経験に頼る選別で正確性や回収率に限界があった課題を挙げ、分析装置導入で解決し付加価値品の販売につなげる流れが書かれている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    月約160tから165t、鋳造向け月700tから1,000tという数値目標が示されているが、実現の根拠は限定的である。

  • 事業を進める体制2

    従業員75名と記載はあるが、補助事業を遂行する体制や担当者の役割は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け5

    客観的な分析数値を取引先に示せる点が価値とされ、鉄鋼メーカーや鋳造メーカーなど顧客層と選ばれる理由が明確に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    3年以内に取扱数量を引き上げる時期目標は示されているが、中長期の課題検証や遂行スケジュールの詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    資本金33,150千円の記載はあるが、補助事業の資金調達計画や金融機関からの調達見込みは公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    分析で成分を保証した鋳造向け原料を高価格で販売し、販売量が少なくても付加価値が評価される市場と書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    金属資源の有効活用や環境問題の解決に貢献し、製造業を下支えする役割があると述べられているが、雇用や波及効果の数値はない。

  • 費用対効果3

    ランニングコストを月5万円以上削減したと具体的に書かれているが、補助金投入額に対する効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    分析数値を取引先に提供する仕組みや、携帯型分析器の活用は書かれているが、サプライチェーン全体への革新性は限定的である。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    都市鉱山や金属リサイクルという資源循環分野の取組は書かれているが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    大阪府堺市内に4営業所を展開して地域で回収を行い、地域に根ざした事業であることがうかがえるが、地域経済への効果は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

3年以内にレアメタル含有原料の取り扱い数量を月間約165tへ引き上げ、鋳造向け原料の販売量を月間約1,000tへ伸ばすことを目指す。鉄スクラップ部門にも分析器を生かし、付加価値の高い商材で新規顧客を開拓して、信頼性を武器に成長を目指す。

事業者の声

スクラップの買い取りとリサイクル素材の販売の両面で、価格設定の根拠を明確にできるようになり、信頼性が高まった

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。