ものづくり補助金平成25年度製造業奈良県

スポーツユニフォームにおけるデザインシミュレーションシステムの開発

株式会社アクラム

成果売上 1倍→1.5倍

この事例のポイント

  • 特定のデバイス(FLASHがiPhone等でデフォルトで作動しない)では表示されないため、今後どのデバイスが登場しても適切に画面表示できるシステムの開発が不可欠だった。
  • Web上でユーザーがユニフォームのデザインやカラー、背番号などをシミュレーションできるユニフォームカラーシミュレーションシステムを導入した。
  • 売上 1倍→1.5倍。システム導入により売上が1.5倍に拡大した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アクラム
所在地奈良県 奈良県北葛城郡広陵町
業種繊維工業
技術分野情報処理
従業員数65人
資本金1,000万円
設立1942年

事業の背景

当社は創業以来、作業服等の縫製で培ったノウハウを活かし、近年はオリジナルスポーツウェアの生産を拡大してきた。主力は昇華転写プリント技術で、中学・高校のスポーツクラブ等からデザイン自由度の高いユニフォームの注文を受けている。従来は顧客が販売店にイメージを伝え、当社がデザインを起こして数日後に完成イメージを送る方式で、修正の都度コストがかかっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術特定のデバイス(FLASHがiPhone等でデフォルトで作動しない)では表示されないため、今後どのデバイスが登場しても適切に画面表示できるシステムの開発が不可欠だった。
  • 販路・情報発信パンフレットやカタログなどの紙媒体では、デザインや色、背番号などの組合せが無限にあるため、ユニフォームの完成図をリアルタイムで確認することが困難だった。
  • コスト・採算従来は販売店経由で依頼を受けて数日後に完成イメージを送付しており、軽微な修正のたびに当社へ依頼が来ることが製品のコストアップにつながっていた。
  • 販路・情報発信大手メーカーのプロダクトアウト的な製品や販売手法では満足しないユーザーに対し、自分で完成イメージをカスタマイズできる手段を提供する必要があった。

やったこと

Web上でユーザーがユニフォームのデザインやカラー、背番号などをシミュレーションできるユニフォームカラーシミュレーションシステムを導入した。ユーザーは自分のPCやスマホからリアルタイムにデザインを確認でき、スポーツ用品店に行かなくても自宅や外出先で完成イメージを作れるようになった。HTML5を用いてシステムを構築したため、様々なデバイスに対応でき、更新や追加があっても一つのシステムを修正すればどのデバイスにも反映される。スポーツ用品店の営業マンはタブレットを使って学校でプレゼンテーションを行えるようになり、オーダーシートの出力も可能になった。

ソフトユニフォームカラーシミュレーションシステム

新しい製品・サービス:ユニフォームカラーシミュレーションシステム

事業の効果

  • 売上 1倍→1.5倍

システム導入により売上が1.5倍に拡大した。ユーザーが自宅や外出先でデザインを確認して楽しみながら注文できるようになり、大手企業との差別化につながった。短納期化によりコストダウンも実現し、販売までのリードタイムが格段に減った。メーカー、小売店、ユーザーが三位一体となってものづくりをする文化も広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    1941年創業以来の縫製ノウハウを活かしオリジナルウェア生産を拡大してきたと書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    大手との差別化や短納期化によるコストダウンに触れるが、市場動向や自社の経営資源の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    デザイン画修正によるコストアップという課題を挙げ、シミュレーション導入で解決する方向は示されている。ただし成長に向けた計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    売上1.5倍への拡大と5年目のページビュー目標(年間91,250)が示されるが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社内で一貫生産できる体制や従業員65名の記載はあるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力への言及はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は中高のスポーツクラブ、ユーザーは自分でデザインを作れる点、デザイン修正コストの課題など、ターゲットと選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    HTML5採用による多デバイス対応や、5年目の目標・直接取引構想が書かれ、方向性は見える。ただし遂行スケジュールは概略にとどまる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ユニフォームのデザインシミュレーションは従来の紙媒体中心の手法に対する新しさがあるが、普及度や高付加価値化の水準を示す記述は薄い。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の繊維産業やSNSによる文化醸成への言及はあるが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は示されていない。

  • 費用対効果2

    オーダー簡素化による収益性改善や売上1.5倍が示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    Webでのリアルタイムシミュレーションとタブレット活用で、受注からプレゼンまでの流れを変えるデジタル活用が読み取れる。サプライチェーン全体への波及は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    奈良県の繊維工業協同組合に所属することが書かれるが、地域特性を活かした雇用や地域成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

事業終了後5年目の目標として1日250ページビュー(年間91,250ページビュー)を掲げている。将来的には、ユーザーがシステムを通じて当社と直接取引することも視野に入れている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。