ものづくり補助金平成24年度秋田県

高級婦人服の多品種少量短納期生産体制確立事業

秋田丸善繊維株式会社

成果裁断能力 1倍→2倍

この事例のポイント

  • 多品種少量の受注が増加し、検反から裁断までの工程がボトルネックとなっていた。
  • 検反装置付き小型縮絨機を導入し、検反能力を高めて生地不良の見落としをなくし、延反の作業効率も向上させた。
  • 裁断能力 1倍→2倍。検反から裁断までの時間が大幅に短縮し、縫製の生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名秋田丸善繊維株式会社
所在地秋田県 大館市
業種繊維工業
技術分野塗装
従業員数77人
資本金1,500万円
設立1969年

事業の背景

秋田丸善繊維は難素材にも対応する縫製技術を持つ繊維事業者で、国内の高級婦人服ブランドを手掛けている。かつてはブラウス専門工場として一定の地位を得ていたが、トレンドサイクルの短期化や消費志向の変化に対応し、ドレス、ワンピース、ジャケット、コート、ブラウス、スカートなど幅広いアイテムに対応するようになった。消費者ニーズの変化により多品種少量の受注が増加している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力多品種少量の受注が増加し、検反から裁断までの工程がボトルネックとなっていた。
  • 品質・精度生地の検反・延反で不良個所を二重チェックしていたが、目印シールの剥がれや見落としが発生していた。
  • コスト・採算縮絨設備を保有しておらず、同業他社へ生地を持ち込んで外注していた。

やったこと

検反装置付き小型縮絨機を導入し、検反能力を高めて生地不良の見落としをなくし、延反の作業効率も向上させた。縮絨工程を内製化したことで外注先への生地運搬が不要となり、作業時間を短縮し外注費を抑制した。裁断能力が従来比2倍となる最新の自動裁断機を導入し、素材や生地の厚さに応じて吸引搬送速度や裁断速度を調整して最適な条件を設定した。これにより裁断時間を従来比約50%短縮可能とした。

  • 加工機検反装置付き小型縮絨機自動裁断機

事業の効果

  • 裁断能力 1倍→2倍
  • 裁断時間 100%→50%

検反から裁断までの時間が大幅に短縮し、縫製の生産性が向上した。多品種少量の受注にも短納期で対応できるようになった。縮絨機を自社で調整できるようになり、生地の織り目曲がりを自社で修正することが可能になった。外注費も抑制された。今後は生地不良発生時の時間短縮にも取り組む。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    ブラウス専門工場から多品種対応へ移行した経緯が書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    トレンドサイクルの短期化や消費志向の変化という外部環境と、難素材や感性表現に強みがあることが書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    裁断が作業量の約3割を占めボトルネックだと特定し、従来比2倍の自動裁断機で時間を約50%短縮したと数字で示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    裁断時間約50%短縮は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員77名の体制や、外部講師を招いた修正技術の指導が書かれているが、事務処理能力などの詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    国内の高級婦人服ブランドを顧客とし、仕様書にない感性を表現できる点が選ばれる理由として書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の活動予定は外部講師による指導の継続程度で、スケジュールや課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    難素材への対応や高級品の受注が書かれるが、ジャンルの普及度や高価格化の数値的根拠は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    外注削減や社内雇用の維持が述べられるが、経済波及や社会インフラへの効果は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果3

    外注費抑制や裁断時間約50%短縮は読み取れるが、投入額と付加価値増加の関係は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    デジタルミシンやレーザーマーカーによる柄合わせ、縫製データ共有が書かれているが、業界全体への貢献は示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    ファッション業界の変化に対応する取組は書かれるが、日本経済の構造転換に資する分野への進出は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    大館市に立地し従業員の雇用を担うことは書かれるが、地域の特性を活かした付加価値創出の具体性は薄い。

今後の展望

今後は生地不良発生時の時間短縮に加え、外部の支援を活用して経営力強化につなげていく方針である。

事業者の声

繊維ファッション業界はトレンド変化が速く、自助努力だけでは先を見越した対応が遅れがちになる。自社単独では時間やコストの面で対応が難しい場合もあるが、外部の支援を有効に活用し、経営力強化に繋げていきたい。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。